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スフィア(スパロボ)の編集履歴

2023-02-11 03:56:08 バージョン

スフィア(スパロボ)

すふぃあ

『スーパーロボット大戦Zシリーズ』に登場する謎の高エネルギー体。

概要

黄道の12星座に対応した名称を持ち、その総数も12個である。

ある存在曰く、『至高天に至るための鍵』でもあるらしい。

12星座が発する次元力を引き出すための機関であるが、使い続けると重篤な副作用に見舞われる。しかしながら、スフィアの力をより効率良く取り出せるようになると副作用は解消されていく。

…中には刷り込みによる裏技で支配を脱するとんでもない所有者がいるが。

因みにだが第二次z以降、主人公側のスフィアの副作用が判明するとロジャー・スミスが詳細を解説する事が恒例となっている。


その正体は、至高神ソルが自らを破壊した際に生まれた心の断片が形となったものであり、それぞれがソルの感情を司っている。

ちなみに12星座に対応した名称は、御使い達がスフィア毎の属性と対応する星座を当てはめた識別コードのようなものである。

また各スフィアには相性があり、相克するもの(知りたがる山羊と偽りの黒羊)や相生するもの(欲深な金牛と傷だらけの獅子)がある。


ソルが元々、その宇宙における太陽であり、その宇宙の地球に位置していたことから、スフィアはどの宇宙においても必ず「その宇宙における天の川銀河の地球またはそれに相当する星」に出現する。


性質

基本的には「緑色の球体のクリスタル」として描写される。

12個それぞれに、力を発揮するために必要な感情の動きが「発動キー」として存在しており、この発動キーに当たる情動を強く持つ者が所持者として選ばれ、不可分の存在となる。この所持者を「スフィア・リアクター」と呼ぶ。


ただし、スフィアそのものは元々ソルの持つ心=器に宿って初めて意味を持つアイテムであるため、力を発揮するためには器、つまりソルの体の代わりとなる機動兵器が不可欠となる。これを「スフィア搭載機」と呼ぶ。

そして、搭載機に乗るリアクターは、スフィアの力を使うごとに次元力に触れ、同時にスフィアを覚醒させていくが、その途中で「反作用」に見舞われる。

この反作用を乗り越えるとスフィアの覚醒は最終段階に入り、固有の能力「スフィア・アクト」が使用可能になる。


また、スフィアには上述したように相生・相克の相性関係が存在し、それぞれのスフィア同士がぶつかると力の増幅や減退が発生する。


スフィアの覚醒は以下の三段階+α。


  • ファースト・ステージ

デフォルトの状態。この時は休眠状態であり、単なるエンジンとしてしか機能しない。


  • セカンド・ステージ

覚醒直後の状態。リアクターに対して反作用が発生する。スフィア固有の力はこの段階でも限定的に使用可能だが、反作用の都合上基本的に任意で力を起動することはできない。

かなり過酷だが、これを経由しないとスフィアは正常に覚醒しない。


  • サード・ステージ

完全覚醒した状態。反作用がなくなり、リアクターの意思でスフィアの力を自在に使えるようになる。

スフィア・リアクターはこの状態に至って初めて完全な状態となる。

だがこのためには、スフィアの求める精神状態を受け入れて己を変革する必要があり、場合によっては人格に変調をきたす。

ガドライト・メオンサムのようにセカンド・ステージにおいて反作用を受けることを回避したり、バルビエル・ザ・ニードルのようにセカンド・ステージ自体をすっ飛ばしてここに至った場合、覚醒自体が不安定となりリアクターの精神がスフィアに半ば飲み込まれてしまう。


  • 真のサード・ステージ

セカンド・ステージを突破する際、スフィアの求める精神状態を超越することによって到達できる、本当の完全覚醒状態。

通常のサード・ステージと異なり、ここに至っただけでは反作用は完全に克服できず、その代わりにスフィアの持つ力をより広範に、より強力に扱えるようになる(ただし熟練が必要になるので、リアクターとしてのさらなる成長が求められる)。

Z-BLUEのリアクターは4人ともこの境地に到達している。また、この境地に到達するとどのスフィアも似通った力を発揮し始めるが、これは大本が同じ存在であるため。


関連するワード

  • 発動キー

スフィアの力を引き出すために必要な情動。より厳密にはその情動を生む精神状態が必要とされる。


  • スフィア・リアクター

スフィア搭載機の操縦者であり、かつスフィアを覚醒させた人物。

リアクターを資格者が殺害するとそのスフィアを奪えるが、それには機動兵器に乗った状態でその兵器ごと倒さなければならない。


  • 反作用

セカンド・ステージのリアクターに発生する現象。

スフィアがリアクターとの同調を妨害するために起こすもので、これを乗り越えないとリアクターは死に至る。

生きるためには当然乗り越える必要がある=スフィアの求める精神状態を維持する必要があるため、これに適応しサード・ステージに至ったリアクターはスフィアと完全に同調する代わり、その精神状態は平常のそれから大きくかけ離れたものとなる。

いわばリアクターへの「試練」と言える。

これを乗り越える際、要求される精神状態を貫徹するのではなく、その精神状態を保つ自分自身を「超越」することにより、真のサード・ステージに至ることができる。


  • スフィア・アクト

サード・ステージのリアクターが用いる能力。

覚醒したスフィアの持つ精神への指向性を次元力で具現化したものであり、「害をなす力」と「加護を与える力」に大別される。


通常のサード・ステージは前者、真のサード・ステージでは後者の力が発揮されるが、原理としてはリアクターの精神状態や感情の動きを外界や他者に伝播させることで発揮されているらしい。

相性関係はこれによって同調を維持できなくなる、反作用が発揮されるなどで力を引き出せなくなるか、後押しを受けてより力を引き出せるようになるのが実情の模様。


なお、実は「通常の力」と「真の力」は基本的なメカニズムは同じであり、どのように働くかが異なる。


  • 相性関係

スフィア同士がぶつかった際に、力を高め合うか、一方が減衰する組み合わせ。

現状判明している限りだと、

  • それぞれのスフィアから見て、星座配置で左回りに2・3・4番目のいずれかに相性関係があり、かつ重複はしない
  • それぞれのスフィアを無効化する相手は、星座配置で右周りに2・3・4番目のいずれか

の共通項がある。



一覧と所持者

偽りの黒羊

とある世界の地球に存在したおひつじ座のスフィア。至高神ソルの「逃避心」を司る。

嘘、つまり「己を偽る意志」によって起動する。反作用を受けると言語が混乱し、意味のあることが何も言えなくなる。これは、発する言葉を無意味な音の羅列へ変えることで「嘘をつく」ことを妨害するもの。


このスフィアが求める「嘘」とは、真実の自分を確固たるものとしたうえで偽りの仮面を被り演じ抜く意志力を示している。つまり、アイムの意志を取り込んだのも反作用の一つであり、本当の自分が何なのかわからない状態でも偽りを貫徹できるか、という話である。

最終的に何が本当で何が嘘か判別できないような末期的状況に陥っても、なお己を偽り続ける強い意志によってサード・ステージへ移行する。

ただし、アイムはハーマル・アルゴーとしての自分からひたすら目を背けていたためこの境地には至れていない。


スフィア・アクトは真実と嘘との境界線を操ることであり、アイムはこれによって自身の死を偽装し、さらにZEXISとの決戦では周囲に満ちる「嘘」の因子と共鳴することで強引にサード・ステージ相当まで出力を引き上げていた(アイム自身が反作用を乗り越えていないのでセカンド止まり)。


嘘とは己を偽り、真実の自分を隠すことである。それによって力を発揮するこのスフィアは、好奇心のままにあらゆる真実を暴き立て、それを白日の下にさらす「知りたがる山羊」と致命的に相性が悪く、その力を受けると無力化されてしまう。

逆に、己の感情を嘘で覆い隠すその力は、言い方を変えれば自分の心から目を背けることであるため、常に自分自身とのせめぎ合いを求められる「いがみ合う双子」を無力化することができる。ただし、あちらが真のサード・ステージに到達していた場合はマスターコアとしての機能が使えるため、逆に返り討ちとなる。


相生するスフィアは不明だが、己を偽るということはすなわち生まれ持った自分自身の否定に繋がるため、「己の感情を隠す」という意味で繋がる「沈黙の巨蟹」と相性が良いと思われる。



欲深な金牛


ハイアデスのいた世界に存在したおうし座のスフィア。至高神ソルの「欲求」を司る。

何かに対する強い欲望によって起動する。エルーナルーナは戦いとその果ての充足に対するあくなき欲望によって稼働させている。

初登場の時点でサード・ステージのため反作用は不明だが、反作用がスフィアの同調を切るような内容であること、死に至りかねない危険度を持つことを考えると、恐らくは「充足感の励起」だと思われる。

現状に安寧し、それ以上を求めさせないことで進歩を封じ、以て緩慢な死へと追いやるのだろう。

そして、それをも超える底なしの欲望を燃やし続けることでサード・ステージへと移行する。


スフィア・アクトは文字通り他人の力を奪い取ることであり、戦場においては機動兵器のエネルギーを消耗させる形で発揮される。


このスフィアが求める「欲望」とは、文字通り欲し、求め、手に入れようとする意志力である。

つまりただ欲望を抱くのではなく、それを満たすための行動を実行に移すことでリアクターたり得る(同じ欲望でも、展望どまりならば「夢見る双魚」の発動キーとなる)。よってこのスフィアの力は「欲望のままに他者から奪い取る」ことで発揮されるため、奪われる痛みを忍耐の糧とする「傷だらけの獅子」と相生する。


相克するスフィアは不明。

このスフィアは欲望によって稼働するが、欲望とは現状に対する精神的な不足や空白に起因する情動である。

言い換えればその「不足」を埋められてしまうと力が崩壊するため、それを慈愛によって補って来る「尽きぬ水瓶」に弱いと思われる。「尽きぬ水瓶」は自己犠牲の愛によって力を発揮するため、奪い取ることで痛みを与えるこのスフィアは暖簾に腕押しの状態となる上、際限なく溢れる水を奪い切れず折れてしまうのである。


逆に、欲望のままに他者から何かを奪うことで発揮されるその力は、言い換えれば他人のことを一切気にせず己のペースに巻き込むことであるため、他人のための悲しみを力とする「悲しみの乙女」に強いと考えられる(他人の心にリンクし、悲しみを表面化させる「悲しみの乙女」に対し、こちら側が干渉して他人どころではなくしてしまう)。



いがみ合う双子


惑星ジェミナイに存在したふたご座のスフィア。至高神ソルの心の中核を為す。

当初はガドライト・メオンサムがリアクターであり、ジェミニアに搭載されていた。

しかし、時獄戦役終盤においてヒビキがガドライトを撃破したことで奪い取り、以後は彼がリアクターとなった。


12の中で唯一、二つの感情を発動キーとして要求する。ガドライトは故郷のジェミナイを滅ぼされたことに対する怒りと、それを為したサイデリアルに立ち向かえないことへの諦めによって稼働させ、ヒビキは母・メグミに殺されかけた=存在を否定された絶望と、世界の危機に立ち向かう希望によって稼働させていた。

その後天獄戦争において、ヒビキが希望に縋るのでも絶望に逃げるのでもない、ただ己の使命を果たすという決意を固めたことで発動キーの超越に成功、真のサード・ステージへと覚醒した。

これは、人間ならば誰しもが至る境地であり、ヒビキ自身も「特別な資格ではない」と述べている。しかし、だからと言って簡単には至れないのもまたヒビキ自身が証明しており、言うは易く行うは難しを地で行く覚醒条件を持つこのスフィアは「欠陥スフィア」とも呼ばれる。


そのためか反作用もまた一風変わっており、同調のための試練ではなく同調に失敗した場合の反動として存在している。相反する感情の両立をミスするとガドライトのように力が崩壊して弱体化するが、逆に両立を無理に強行すると、相反する感情が相殺して精神運動が止まってしまう。

ただし、この状態もまたかなり危ういバランスによって成り立つため、外部の干渉があればあっさり解除できる。また、リアクターが慣れると、反作用が発生した場合精神崩壊より前に気絶する(危険なのは変わりないが)。


スフィア・アクトはガドライトの場合「表面化する感情の逆転」。心の奥から現在抱いているものと逆の感情を引きずり出すもので、これによって各地に戦乱の種を撒いていた。

これは厳密に言うと、今現在表に出ている感情と逆の感情を励起して衝突させるというものであり、要は相反する感情が心の中で衝突し続けているガドライトの精神状態を伝播させているに過ぎない。


真のサード・ステージであるヒビキの場合、宇宙を構成する全てのものに存在する「霊子」との同調を自他にもたらす。これは言うなれば、マシンの意志と一体化する「真化融合」を疑似的に起こす力であり、それはパイロットと機体を直接的にリンクすることで操縦を容易にするという形で発揮される。

さらに、このスフィアは12のスフィアを統御するマスターコアとしての側面を持つため、真のサード・ステージに至った場合あらゆるスフィアと相生し、また相克することになる。


相性関係はその性質上実質的には無意味(このスフィアを真のサード・ステージに到達させたということは、全てのスフィアのリアクターになりうる境地に至ったことになる)。

このスフィア単体で見た場合、基本の発動キーである「相反する感情の衝突」を嘘によって己から逃避させることで崩壊させる「偽りの黒羊」に弱い。

逆にその精神状態は、一つの感情に対して「だが」「しかし」と逆の感情を励起することで成り立つため、「傷だらけの獅子」に強いと思われる。

あちらの力は忍耐によって発揮されるが、忍耐とは言わば一つの物事に対して己を保とうとする意志であるため、それに対して「屈従」を励起されるのは致命的なダメージとなるのである。


相生するスフィアは不明。このスフィアが求める「相反する感情」は、簡単に言うとポジティブとネガティブ、方向性が正反対の二つの感情を鬩ぎ合わせることで成立する。

そのため、「現実に根差した夢」「夢想に沿わない現実」という二つの要素によって成り立つ「夢見る双魚」と相生すると思われる。

あちらの力は要するに想像力なのだが、こちらの求める「相反する感情」を励起・維持する助けとなるのである(一つの事象に対して感情を抱き、それとは反対の状態を想像することで相反する感情を成立させる)。逆にこちらの力を「夢見る双魚」が受けた場合、「だが」「しかし」が「だからこそ」に繋がり、夢想を強めることになる。



沈黙の巨蟹

  • リアクター:尸空
  • 寄生先:尸逝天
  • 発動キー:「虚無」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「情動の抑圧」

鬼宿のいた宇宙に存在したかに座のスフィア。至高神ソルの「死の本能」を司る。

その発動キーとなる「虚無」の正体は死へと向かう意志、つまり己の感情を抑圧し、淡々と死へ歩もうとする意志そのもの。尸空の場合、己が鬼宿として司る「消滅しようとする力」の結晶、即ち「死」というもっとも大きな虚無によってリアクターとなっている(尸空曰く「死とは肉体を失うことであり、何にも代えがたいその喪失感こそが最大の虚無」とのこと)。

これは生命力にあふれた普通の人間では不可能だが、意志のない死者でも無理な条件であり、唯一Z宇宙における「消滅しようとする力」を操り、その力を正しく導く異能を持った鬼宿の人間だけがそのリアクターとなりうる。


他のスフィアと異なり、鬼宿の至宝たる伝説の生物の死骸に寄生している。

反作用は恐らく「情動の増幅」だと思われる。感情任せの行動を行わせることで死のリスクを増やし、それに振り回されず己を律する意志によってサード・ステージへと移行する。

人として生来持つ感情を表に出さず、どこまでも理性によってのみ行動する姿は、事情を知らない他人から見れば、情動が欠落した「虚無」の存在に見えるのだろう。

尸空自身も「虚無は無ではない」と述べている通り、生きている人間だからこそ「虚無」を抱けるのである。


スフィア・アクトは他者の感情の動きを抑圧すること。

これを受ける方は「底なしの暗い穴に心が吸い込まれる」ような感覚を覚えることになる。


相性関係は不明。

このスフィアは情動を律する理性によって稼働するが、これは見方を変えると「死に対する恐怖を抑制し、それを自然なものとして認める意志」とみられる。

尸空が天獄篇において度々、わずかに内心の激情を伺わせる場面があったこともそれを裏付ける。

言い換えればそれを保てず、感情を表に出してしまうと力が崩壊し同調が切れてしまうため、想像力によって死への恐れを呼び覚ます「夢見る双魚」に弱いと思われる。そもそも想像するという行為は生存のための行動でもあるため、このスフィアにとっては天敵と言える。


逆に、感情を表に出さず、理性のみで全てを支配するこのスフィアの力は、言い換えれば感情に依拠する力を否定することにも繋がる。感情とは意志力で励起できるものであるため通常はせめぎ合いになるが、励起するのではなく燃料とするようなスフィアの場合致命傷となる。

そのため、「感情に揺れてもブレることのない意志力」によって稼働する「揺れる天秤」に強いと考えられる。あちらの力は己の感情=先入観に流されず物事の本質を見抜く意志で発揮されるため相性がよさそうに思えるが、前提条件として己の感情が必要になるため、それを吸い込み虚無にしてしまうこのスフィアに無効化されるのである。


ただし、肝心の尸空はクロウに対する同族嫌悪で同調の維持に度々失敗しており、相性関係だけが全てではないことを示してもいる。


相生するスフィアは「偽りの黒羊」だと思われる。

一見するとアイムと尸空に相いれる要素はないようだが、どちらも「人間として生来持っている感情を押し隠す」ことでスフィアを稼働させるため、「偽りの黒羊」で己を偽らせることで感情の抑制を助け(己を騙すことで情動を誤魔化す)、「沈黙の巨蟹」で己を統制させることで偽りの自分を確かなものにする、ということである。



傷だらけの獅子

  • リアクター:ランド・トラビス
  • 搭載機:ガンレオン
  • 発動キー:「忍耐」→「痛みを超えて生きる意志」
  • 反作用:「激痛」
  • スフィア・アクト:「生命力の励起」

∀ガンダムガンダムXザブングルキングゲイナーが存在する「荒廃した世界」に存在したしし座のスフィア。

至高神ソルの「生存本能」を司る。

スフィアの中ではかなりシンプルな性質の持ち主で、忍耐の心によって起動する。

反作用は肉体に対する耐えがたいほどの激痛であり、これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、次元力を暴走させ時空振動を起こすというとんでもない副次効果がついている。

ランドにしてもその強健極まる肉体と精神によって何とか耐えている状態だが、逆に次元力を使わなければ反作用は起きない。また、ガンレオンには保険として、この痛みに屈した場合の悲鳴をトリガーとして、暴走する次元力を攻撃力に変換して放つ「ペイン・シャウター」が搭載されている(ただしランドの覚醒に伴い反作用の痛みが鈍化したため、天獄戦争ではガンレオンがある種の自傷行為を行う羽目になっている)。


その痛みに耐える意志によって活性化し、その果てに「痛みを受けても、ただ耐えるのではなく生きて前に進む」という境地に至ることによって真のサード・ステージへと移行する。

スフィア・アクトは通常の場合、その激痛を敵へ伝達するものだが、ランドは真の覚醒に至ったことにより、その爆発的な生命力を他者に分け与える力として用いている。


その力ゆえに、「力を奪い取る」という形で痛みを与えに来る「欲深な金牛」と相生する。

相克するスフィアは不明だが、その「耐える」姿勢は、理不尽に屈することはなくとも、それはそれだと受け入れることに繋がる、つまりは我慢することになるため、反抗心の発揮を阻害される「立ち上がる射手」を無効化できると思われる。

逆に、その耐える意志に対して逆の感情を励起して来る「いがみ合う双子」には無力化されると思われる。



悲しみの乙女


宇宙世紀の世界に存在したおとめ座のスフィア。至高神ソルの「良心」を司る。

反作用は五感の麻痺。リアクターと外界の繋がりを狭めることで、逆に外界を感じ取る意識を高めようとする。

自分のことで一杯一杯になるような状態に追い込むことで、それでもなお他者のための悲しみを保ち、その果てにそれを止め、新たな悲しみを生まないという境地に至ることで真のサード・ステージへと覚醒する。


スフィア・アクトは通常は「他者の精神を疲弊させる」ものとして働くが、真の力は他者の感情にリンクすること。セツコはこの力で他人の悲しみを感じ取ることで、スフィアの発するパワーを大幅に引き上げる形で使用している。

また、これは他人に対しては外界を鋭敏に察知・感知する力として働き、それによって機体の回避運動の効率を高めることができる。


このスフィアの力は他者に対しての悲しみで発揮されるが、それはいわば相手を理解し受け入れようとする姿勢によって成り立つため、憎悪によって他人を拒む「怨嗟の魔蠍」を無力化してしまう(通常のアクトの場合だと、憎しみを抱く心そのものを疲弊させてへし折るのだと思われる)。

逆に、相手に構わず己の欲望のみにまい進する「欲深な金牛」とぶつかった場合、あちらのペースに巻き込まれて無効化されると思われる。


相生するスフィアは不明。

他人の悲しみとリンクすることで力を発揮するこのスフィアは、言い換えれば他人の心を覗き込むことで真価を見せる。そのため、秘された真実を好奇心で見抜く「知りたがる山羊」と相性が良いと思われる。



揺れる天秤


西暦世界に存在したてんびん座のスフィア。至高神ソルの「判断力」を司る。元々はクロノ保守派が持っていたが、エルガン・ローディックにより持ち出され、カルロス・アクシオンJrによりスコート・ラボに持ち込まれた。

「迷っても揺れても折れない意志」によって稼働する。


このスフィアの力は天秤で物の重さを図るように、受け皿=感情が揺れ動いてもぶれることのない支点=己を堅固に保ち、アイデンティティを維持する意志力によって、物事の本質を見極めることにある。

真のスフィア・アクトはその観察力と意志力を他者に与えるもので、これによって機動兵器で正確な狙いがつけられるようになる。

通常のサード・ステージの場合、後述の反作用を与えて思考を目の前に固定化し、移動を阻害する形で発揮される。


反作用は思考を目の前の事象に固定するもので、これが発生すると最優先指定された物事以外の全てが目に入らなくなり、大暴走を起こす。

イメージとしては天秤の支柱がブレることで皿が一方向に傾いたままになってしまう状態か。

これに負けず本質を見切ろうとする意志を貫徹することで真のサード・ステージに覚醒するのだが、反作用の中身が中身だけにリアクターが一人でこれに対処するのは不可能。

このため、クロウはブラスタに「コイン・ドロップ・システム」という、スフィアの出力が一定値を超える=反作用が発生するレベルに達するとコクピットにお金が落ちる音を響かせるシステムを搭載してもらい、これによって対処していた。

クロウは借金持ちの守銭奴であるため、お金の音がすると一瞬でそちらに意識を持っていかれる悪癖があるのだが、これを利用して反作用による思考の固定を回避しようという話である。

また、気絶させれば反作用は止まるらしく、ランドが向かってきたブラスタを一発殴ってKOし、反作用を強引に止めたことがある。


このスフィアの力は意志力を励起するため、ほとんどのスフィアに対してその力を高めることが可能。

その中でも、「迷いの中でも折れない意志」という共通項でつながる「尽きぬ水瓶」と相性が良く、互いの力を高めることができる。

「尽きぬ水瓶」の力は自己犠牲による慈愛だが、これは見方を変えると「死に対する恐れと、それを乗り越えて己を投げうつ意志力」となるため、己の感情に流されず本質を見つめる/為すべきことを成すという点で共鳴するのである。



怨嗟の魔蠍


とある世界の地球に存在したさそり座のスフィア。至高神ソルの「憎悪」を司る。

読んで字のごとく憎しみによって稼働する。ゆえに力の増減の条件もまた簡単で、憎しみが強まれば強くなり、弱まれば弱くなる。

このため、リアクターとの相性はさほど選ばない。


憎しみとは過去の出来事に起因する感情であるため、反作用はそれを妨害する「記憶の喪失」だと考えられる。憎しみの根源たる過去を失わせることで感情を揺るがし、同時に周囲との齟齬を生むことで死のリスクを発生させる。そして、それに折れず憎しみを貫くことでサード・ステージへ移行するが、バルビエルは母星をサイデリアルに滅ぼされたことで憎悪を爆発させ、ファースト・ステージの状態から一足飛びにサード・ステージへ移行しているため、力がかなり不安定だった。


スフィア・アクトは人の心にある憎しみを膨れ上がらせ、暴走させること。ただし、ガルガンティア船団の人々のような「そもそも憎悪の心が薄い」相手や、ハマーン・カーンのような感情を凌駕する精神力の持ち主には効果がない。

また、暴走した憎しみを制御することはそもそも不可能であるため、使った後は成り行き任せになってしまう。

Zシリーズの世界観ではパイロットの精神が機体に影響を与えるが、これによって憎しみに飲まれた者は己を顧みなくなり、結果的にそれが機体の防御力の低下と言う形で現れる。


仮にこのスフィアを真のサード・ステージに移行させる場合、それこそエスター・エルハスのような「罪を憎んで人を憎まず」のスタンスが必要になるだろう。つまり憎しみを向ける対象を間違わず、憎むべきものだけを正しく憎むという意志力が不可欠になるのである。


バルビエルの場合、憎悪を向ける対象が自分以外の全て+仇敵のサイデリアルに盲従しているというありさまだったため、その力を真に発揮することはできていなかった。


立ち上がる射手

  • リアクター:次元将ヴィルダーク
  • 寄生先:ヴィルダーク本人
  • 発動キー:「反抗心」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「強い抑圧を与えるプレッシャー」

いずこかの世界に存在したいて座のスフィア。至高神ソルの「闘争心」を司る。

前のリアクターからヴィルダークが奪取した。


反抗心によって稼働し、それが折れれば力を失うというシンプルなスフィア。

反作用は恐らく「恐怖心の増幅」であり、恐れに飲まれれば戦いの中で死ぬことになる。そしてそれに折れず、抗う意志を貫徹することでサード・ステージへ至る。

ヴィルダークは半ばこのスフィアの属性である「反抗心」に飲み込まれており、カオス・コスモスではZ-BLUEとの無意味な戦いに己を駆り立てていたが、真のサード・ステージへ至るならばそれにも抗い、己を貫徹する意志が必要だったのだろう。


星座配置において対極に位置する「いがみ合う双子」が「己に打ち勝つ意志」ならば、こちらは「他人に打ち勝つ意志」だと思われる。


スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーを与え、力の発揮を妨害するもの。元がシンプルな力だけに真のサード・ステージの力も想像しやすく、それは恐らく「味方の士気の鼓舞」であろうと思われる。反抗心を伝播させることで、脅威に立ち向かう意志を励起するという話である。


相性関係は不明。

反抗心とは格下が格上に抱くものであり、同時にそれは自身が納得できないものを拒絶することでもあるため、向こう見ずな慈愛によって力を発揮する「尽きぬ水瓶」を無効化できると思われる。慈愛とはそもそも目上から目下への愛であるため、それを受け入れず拒絶するのだろう。


逆に言えば反抗心が折れるということは、その「納得できないもの」を受け入れざるを得ない状態であるため、理不尽に抗うのではなく忍耐を求める「傷だらけの獅子」とぶつかると無効化されると思われる。

反抗的な子供に向かって「我慢しろ」と言っている様子がそのままあてはまるだろう。




知りたがる山羊

  • リアクター:?
  • 搭載機:?
  • 発動キー:「好奇心」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「真実の暴露」

とある世界の地球に存在したやぎ座のスフィア。至高神ソルの「探求心」を司る。元のリアクターは女性だったが、アサキムの心に宿る闇を覗いてしまったことで死亡し、アサキムが奪取している。


好奇心によって稼働し、その力を発揮する。

好奇心とは知らない物事に対して発揮される感情であるため、反作用はそれを阻害する「知識の無差別な収集」だと考えられる。

世の中には知らない方がいい、あるいは知ってはならない物事も多く存在するが、それを取捨選択できず自動的に知らされることで精神を削り、また好奇心の発露を妨害するということだろう。

そして、それに流されず、自ら探し求める意志を貫くことでサード・ステージに移行する。


スフィア・アクトは対象者の真実を強制的に公開するもの。

戦闘においては、その無遠慮な好奇心はバリアを無効化するという形で反映される。


真実を探り求め暴き立てるその力は、偽りで覆い隠した本当の自分を引きずり出されることになるため、「偽りの黒羊」を無効化することができる。

逆に、その好奇心に対して「来るな、寄るな」と拒絶をぶつけてくる「怨嗟の魔蠍」には無力化されると思われる。



尽きぬ水瓶


聖インサラウム王国に存在したみずがめ座のスフィア。至高神ソルの「情愛」を司る。

王国の開祖である初代キング・インサラウムがリアクターだったが、倒されることなく天寿を全うしたため眠りにつき、後にユーサーがリアクターとなった。


他者のための向こう見ずな慈愛によって稼働するが、セカンド・ステージに移行するために必要な情動のレベルが非常に高く、国や世界を対象とした、自己犠牲を伴うほどの愛によってようやく目覚める。

その分、発揮される力は12の中でも極めて高く、セカンド・ステージの状態でも次元将に匹敵するほどの力を持つ。


反作用は肉体を破壊することで、己の命に執着させ慈愛の心を阻害するもの。このため、一度覚醒したら最後、サード・ステージに到達しないと絶対に死ぬというとんでもないスフィアである。

死の恐怖を乗り越え、守るべきもののために己の全てを投げ捨てる覚悟を決めた時、サード・ステージに移行する。

真のサード・ステージに至るには、さらにそこから「己を粗末にせず、誰かのために生きる覚悟」を決める必要がある。


スフィア・アクトは不明だが、その在り方からして「他者に力を与える」ものだろうと思われる。



夢見る双魚


いずこかの世界に存在したうお座のスフィア。至高神ソルの「想像力」を司る。

アサキムが当初から所持していた。


夢を見る、つまり未来に対して何かを望む意志によって力を発揮する。ゆえに、その夢がかなう、破れるなどの事象によってその力は崩壊する。


反作用は恐らく、夢想する能力を弱める「想像力の減退」。フェイク版の力が運動性の低下であるため、敵の攻撃を予測できなくなるのだろう。

スフィア・アクトも不明だが、まだ起きていない出来事に思いをはせるその在り方からして「未来予知」だと思われる。





登場作品

スーパーロボット大戦Z:傷だらけの獅子、悲しみの乙女

第2次スーパーロボット大戦Z:揺れる天秤、偽りの黒羊、尽きぬ水瓶、知りたがる山羊

第3次スーパーロボット大戦Z:いがみ合う双子、沈黙の巨蟹、怨嗟の魔蠍、欲深な金牛、立ち上がる射手、夢見る双魚

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