HADES
はです
概要
2020年発売のローグライク・アクションRPG。
開発・販売はアメリカのSupergiant Games。
プラットフォームはPC(Windows/macOS)、Nintendo Switch、PlayStation4&5、Xbox One&X/S。
インディーゲームとしては異例の高評価と販売数となり、同年の「Game of the Year」をはじめとしてゲームアワードを多数受賞した。
2020年にSF・ファンタジー作品に与えられる最高峰の賞「ネビュラ賞」の「ベストゲームライティング部門」、2021年にはSF小説の最高峰の賞「ヒューゴー賞」に特設された「ビデオゲーム部門」に選ばれている。
また海外のレビュー収集サイト「Metacritic」では「普遍的な称賛(universal acclaim)」とされ、メタスコア93点(100点中)という極めて高い評価を受けている。
2021年にPC版が日本語対応。現在はすべてのプラットフォームで日本語を選択できる。
ちなみに日本語訳は「Undertale」の翻訳を手掛けたハチノヨン氏が担当。キャラごとに特色ある台詞を初めとした、膨大なテキストに対する細かい翻訳は高く評価された。
世界観
ギリシャ神話を題材としており、主人公のザグレウスは秘教オルペウス教にて語られる、冥界神ハデスの息子である。
ザグレウスはある理由から「家出」と称して冥界からの脱出を試みるが、亡者や怪物は手ごわく、死ぬたびにスタート地点であるハデスの館に戻される。
プレイヤーは戦いと死を繰り返しながらアイテムを集め、自己を強化しながら攻略を進める。
ギリシャ神話に登場する神や英雄も多数登場し、会話によって背景や思想が明らかになるほか、特定のキャラクターと恋愛関係になる事が可能。性に寛容なギリシャ神話を踏襲している為、両性愛・同性愛の要素も見られる。
こうした事もあり、ギリシャ神話を知っているとニヤリとするネタも随所にみられる。またコレクション要素もあり、集めたアイテムが助けになる事も。
開発当初のタイトルは『ミノス』で、プレイヤーはテセウスを操作し、ミノタウロスを封じたクノッソスの迷宮からの脱出を目指すというコンセプトだったという。
ステージ
登場人物
主要キャラクター
ザグレウス
プレイヤーの分身たる青年神。黒髪に赤と緑のオッドアイ。
父はハデス、母はニュクス。神としての仕事をせずに「家出」を繰り返す放蕩息子として、父からは呆れられている。
父に対しては不遜な態度を取る一方、師匠であるアキレウスは「先生」と呼んで尊敬しているほか、神々や英雄に対しては基本的に礼儀正しく接する。
書類仕事が苦手、部屋の片付けも苦手、といい加減な性格。これが災いしてハデスから命じられた仕事を早々にクビになってしまった。神の責務を果たせない事で自分の権能が何であるのかも分からず、迷い続けている。
ハデス
本作のタイトルにもなっているザグレウスの父。冥界を統べる峻厳なる神。混沌としていた冥界に法を敷き、死者の裁きの効率化と安定化を成し遂げた。
館の執務室で膨大な書類仕事をこなしており、家出するたび死んで戻ってくる放蕩息子に対して非常に辛辣。しかし裏返ったツンデレでもある。
ケルベロス
本作の癒し担当その1。
ハデスの傍らに寝そべる地獄の番犬。真紅の毛並の巨大な三つ首犬で、ザグレウスにとても懐いている。ただし主人はハデスである為、その命令には逆らえない。
ちなみに撫でる事が可能で、実績解除にも関係している。ザグレウスの不在中に不安から大暴れして酒場を破壊してしまい、開始直後は酒場が利用できない。
アキレウス
半神であり、トロイア戦争の大英雄。逸話とは異なり、非常に穏やかな、悪く言えば後ろ向きの気質を示す。
死後にハデスに見いだされ、息子を正しく導く師となるよう要請を受け、ある条件と引き換えにこれを受諾した。しかしこれが彼を深く苦しめる事となる。
弟子の戦いを見守り、助言してくれる。
ニュクス
夜の女神。原初の混沌・カオスの娘。本作ではハデスの妃であり、ザグレウス、ヒュプノス、タナトスの母という設定。
元は冥界の女王だったが、ハデスが来るまでは冥界の管理と死者の裁きに忙殺され、冥界は大混乱していた。現在はハデスが整備したおかげで、冥界の管理に集中できている。
ヒュプノス
眠りの神。ザグレウスの兄弟。母・ニュクスのみから生まれた神。とかくノリが軽く、道化師めいた言動と行動をとる。
死者の数と死因のカウントを仕事としており、ザグレウスの死因に関しても細やかにコメントしてくれる。
タナトス
死の神。ザグレウスの兄弟。母・ニュクスのみから生まれた神。地上と冥府を行き来し、運命が尽きた者に死を与える仕事をしている。
当初は家出したザグレウスに怒りを露わにしていたが、本質的には仲が良く、時々力を貸してくれる。
メガイラ
復讐の三女神の一柱。悪を犯した亡者を罰する統括官。
なお姉妹のアレクト、ティシポネは凶暴な為、館の出禁を喰らっている。
ザグレウスからの愛称は「メグ」。厳粛な性格で、過去においたをしたザグレウスをムチで罰した事が一度や二度ではない。
デューサとは親友。
デューサ
本作の癒し担当その2。
首だけの姿のゴルゴンで、ハデスの館の清掃を担当。蛇の髪で掃除道具を操るという器用さを見せる。
デフォルメ調で描かれており、とても可愛い。シャイだが生真面目で、自分の仕事にはとても忠実。
オルフェウス
(画像右)
冥界降りの神話で知られる吟遊詩人。見た目はヘビメタ系。
ある理由から歌が歌えないほど落ち込んでおり、仕事をしない事を怒ったハデスによって物語開始時にはタルタロスに幽閉されていた。見かねたザグレウスに救出され、言葉を交わすうちに少しずつ元気を取り戻していく。
死者
シシュポス
神を何度も謀った罪により、巨大な岩を坂の上まで運び続けるという永遠の罰を与えられた男。本作では岩に「イワコフ」と命名して相棒にしており、自身の罪についても全く意に介していない。
生前にタナトスをだました事から、タナトスには嫌われている。だが、自分は既に死んでいるので全く恐れていない。怖いのはムチでしばいてくるメガイラ達くらい。
エウリュディケ
(画像右の女性)
オルフェウスの妻にして歌乙女。原典では木の精霊であるためか、髪が植物と花になっている。
明るい性格の美人で、死後の現在は好きな歌と料理に専念できるのを楽しんでいる。オルフェウス涙拭けよ。
ザグレウスにも料理を振舞ってくれる。その味は絶品。
パトロクロス
(画像左)
エリュシオンで無気力に蹲る黒肌の戦士。かつてアキレウスとは幼馴染であり、親友であり、戦友であり、恋人であった。
アキレウスが自分を楽園へ送るのと引き換えにハデスの館に拘束され、離れ離れになってしまった事を悲しみ、今の状態になってしまった。
記憶を消去するレーテーの水を飲んでアキレウスを忘れるべきか迷うほどに追い詰められており、アキレウスもパトロクロスがそれを選んだのではないかと恐れている。
想いあう者達の行き違いをザグレウスが執り成した結果…
神々
ゼウス
白髪に白い髭を蓄えた最高神。雷を模った冠を被っている。ザグレウスから見ると叔父に当たる。
最高神としての威厳はもちろんあるが、美女に節操のない所は神話通り。そのせいかハデスからは辛辣に「白髪を振り乱し、私から自制心を取り払った神」と言われている。
ポセイドン
青髪に青いストレートの髭を蓄えた海洋神。タツノオトシゴを模った冠を被っている。ザグレウスから見ると叔父に当たる。
豪快な性格で、ザグレウスを「ザグ坊」と呼んで気に入っている。家族愛にあふれた好漢だが、神らしからぬ口の悪さで兄弟たるゼウスとハデスもこき下ろす事がある。
アフロディテ
ピンク髪の愛と美の女神。ザグレウスから見ると従姉妹に当たる。
情熱的かつ気まぐれな性格。押しの強さや逸話も手伝って、アキレウスからは「神々で最強なのは彼女かもしれない」とまで言われている。情人のアレスと節操なくいちゃつく一方、奥手の姉妹に恋愛アドバイスもするおねーさん。
ちなみに、腕輪等は身に付けているがほぼ全裸。
アルテミス
鹿の角と三日月を模した冠を被った狩猟の女神。ザグレウスから見ると従姉妹に当たる。
ややコミュ障の気があり、自分の配下であるニンフ達と狩猟する事を好む。無口で不愛想だが、会話を重ねるうちに少しずつ優しさを見せてくれるようになる。
アレス
鎧を纏った戦争の神。黒い肌だが、目元は白い。ザグレウスから見ると従兄弟に当たる。
紳士的で親しげな態度の、まさに王子様。ただし言ってる事はだいぶ物騒。司るものの本質から冥界に対しては親愛を示し、ザグレウスの事も好ましく思っている。
ディオニュソス
所々に葡萄を纏った酒と狂気の神。ザグレウスから見ると従兄弟に当たる。
万年酔っぱらいで上機嫌な神様。一方で感情の起伏が激しく、泣いたり怒ったり全部忘れたりと忙しい。
ザグレウスに対しては親しさを通り越してなれなれしい絡みを見せるが、彼の事は気に入っている。
ヘルメス
羽の生えた月桂冠を被った伝令神。ザグレウスから見ると従兄弟に当たる。
オリュンポスの神々の中では中立の立場を取るが、これは彼が冥界に魂を運ぶ役割を負う為。
とは言えザグレウスとは仲が良く、フランクに接する。またカロンとは賭け事仲間でもある。