スペック
デザイナー | 形部一平 |
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型式番号 | MD-0064 |
全高 | 18.7m |
重量 | 72.8t |
パイロット | グエル・ジェターク |
製造 | ジェターク社 |
固定兵装 |
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携行兵装 |
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概要
ジェターク社が開発した赤いモビルスーツ。パイロットはグエル・ジェターク。
第5世代実証機としてドローン兵器のモビルスーツへの搭載が行われており、総じて次世代機として正統進化版のバージョンを確立しているといえる。
しかし革新的技術であるGUNDフォーマットは禁忌とされたためか採用されておらず、代わりに意思拡張AI(β版)を搭載したことでGUND-ARMとは対局にある位置づけがなされている。
機体解説
胸部と両肩、両脚にGUND-ARM同様にシェルユニットが埋め込まれており、意思拡張AI作動時は緑色に発光している。発光色の違いがGUNDフォーマットと意思拡張AIという制御システムの違いに起因するものなのかは現状明かされていない。
最大の特徴は意思拡張AIによって制御されるドローン兵器。操縦者との操作感覚の整合性を取るために、人体の部位に伴う箇所にその機能が与えられている。また、それ以外にも様々な兵装を搭載しており、通常戦闘にも抜かりはない。
スペックとしては最新鋭機であるため決して機動性は悪くなく、少なくともディランザよりは圧倒的である。
しかし、近接戦を重視したあまり牽制用の射撃兵装以外を持たない武装構成は相手に退かれると不利であり、意思拡張AIによるオート戦闘の方はエアリアルの囮攻撃に釣られるなど経験・対応力不足が目立ち、グエルの手動による操縦に切り替えて以降の方が動きが良いとスレッタにも評されている。AIの性能がまだ発展途上なのか、グエルのスタイルと相性が合わないのかは不明だが、機体性能の良し悪しをトップであるヴィムが把握できていない点でジェターク社には大きな課題を残してしまっている。
先述した通りGUND-ARMには該当しないものの明らかにそれらの特徴を持ち合わせているが、関連技術を持ち合わせていないジェターク単社でも御三家内では優れるAI技術を用いてドローンを制御し、完成度はともかく疑似的なGUND-ARMかつそれに迫れる機体を作り上げた実績は特筆すべき点であろう。
武装
固定武装
ビームバルカン
主に牽制等に使用される、ビームを連射する武装。ディランザの胸部に装備されていたものと同規格であり、本機では頭部に移設されている。そのため射角範囲が広がった。
ペレットマイン
膝部の突起、ニークラッシャーに内蔵されたマイクロ機雷。射出して展開することで弾幕を形成し、敵の足止めなどに使える。また爆発時に発生する煙幕は目眩ましとしても応用できる。8基搭載。
シャクルクロウ
足を射出する有線式の拘束兵器。敵機を掴むことで拘束し、振り回したり距離を詰めることも可能。電撃による攻撃も可能で、敵機の電子機器やパイロットにダメージを与えることもできる。ワイヤークロー系の兵装のため、射出時の勢いで物理的ダメージを与える質量武器や掴んだ相手を引き寄せる等の多種多様な機能を備える。
携行武装・ドローン兵器
ビームジャベリン(ビームアンカー/ビームクナイ)
分離・連結が可能な格闘兵装。分離時は錨形状のビームアンカーと爪形状のビームクナイの二刀流で、これらの柄尻から合体させた際には長柄・双刃のビームジャベリンとして運用する。
エネルギーは腕部を介して機体直結式で供給され、高い切断力を持つ。一方で後述のイーシュヴァラ・タイプAに持たせて分離しても問題なく使用可能。
イーシュヴァラ(タイプA/タイプB)
本機の特徴でもあるドローン兵器の一種で、本機の前腕に当たる部位にもなる。タイプAは通常のマニピュレーターを装備し、後者はマニピュレーターの代わりにビーム砲・ビームサーベル兼用のデバイスを内蔵する。
本体から分離し、意思拡張AIによる操作で合計4つ刃で立体的な攻撃を行うことが可能。
通常本体の上腕に接続されているのはタイプAだがこれを失った際などには背部に2基搭載されたタイプBを接続することも可能。この際、ビームサーベルの出力を最大まで引き上げることが出来る。
アンビカー
肩部に装備された大型のシールド。こちらもドローン兵器の一種であり、意思拡張AIによって自律して防御行動を行うことが出来る。
劇中での活躍
ジェターク社周辺宙域でテストを行い、周囲を高速で周回するイーシュヴァラによって2機のディランザを瞬時に切り裂き、その性能を披露してみせた。
グエルとスレッタとの二度目の決闘では本体操作も意志拡張AIに委ねた自動操縦に加え、排熱用スプリンクラーを使ったビーム射撃を封じる妨害工作など、ヴィム・ジェタークの仕掛けた裏工作により序盤は不本意ながらも優位に立つ。
しかし、ミオリネが裏工作に勘づきスプリンクラーを止めてからは形勢逆転、エアリアルのビットによる集中砲火を受けて中破。
業を煮やしたヴィムの発言で遂に堪忍袋の尾が切れたグエルはコンソール上の生徒手帳を破壊し意思拡張AIが機能停止。再起動し自らの手による操縦でイーシュヴァラBタイプを自機の両腕に装着してサーベルによる直接戦闘を挑み、巴投げで投げ飛ばされても即座にシャクルクロウを射出して投げ返してみせたが、最後の一合ではビームサーベルを構えて突撃してきたエアリアルを同じくビームサーベルで迎え撃つものの、『サーベルは防御に使い、突撃した勢いに乗せたフライングボディプレスを直接頭部に叩き込む』という咄嗟の技を食らわされてブレードアンテナを破損、敗北した。
その後は修理等のためジェターク社に引き揚げられた。
ガンプラ
HG1/144スケールで2022年12月発売。価格は2090円(消費税込み)。
紫色のサーベルエフェクト・腕部の分離ギミックに加え、シャクルクロウ発射状態を再現するためのリード線と本体を浮かせて展示するためのスタンドが収録される。イーシュヴァラやアンビカーは本体から分離してディスプレイが可能であり、劇中同様の多彩なギミックを持つ。
その多様なプレイバリューに反して本体に関するランナー数はたったの3枚と少なめで組みやすく、キットとしての評価は高い。
余談
- ダリルバルデのスペルはDARILBALDEだが、ドイツ語でDarrylValdeに直すと、Darryl:男性に対しての最愛の人、Valde:選ばれた、強い、たくましいという意味となり、訳すると選ばれた最愛なる人となる。ヴィムのグエルに対する感情が見えるかもしれないと言われている。
- ドローン兵装につけられた「イーシュヴァラ(Isvara)」は世界を創造し支配する最高神、「アンビカー(Ambika)」は人々を悪魔から守る女神という具合にそれぞれインド神話に登場する高位の神性の名前から取られている。
- ペイル社がCEOの異様さとかけて黙示録の四騎士になぞらえられる事もあったが、本機を含む御三家のフラッグシップ機とエアリアルもカラーリングなどから四騎士モチーフではないかと思われる。
- 本機は赤い機体色から、「戦争」を意味する赤い馬「レッドライダー」に該当するのではないかと思われる。
- 第3話放送終了直後、ヤマザキビスケット社のスナック菓子製品『エアリアル』と水星の魔女のコラボが発表された。当モビルスーツとパイロットであるグエルは濃厚チェダーチーズ味を担当する。
- バトルスピリッツのコラボブースターではダリルバルデに搭載されたAIを「ダリルバルデに合体しているブレイヴのBPを全て同じにする」形で再現されている。ブレイヴはガンダムコラボにおいて武器ではなくパイロットに位置づけられるカードとなっておりかなり秀逸な再現となっている。
- スマホゲームモンストでは、ガンダムコラボの星5降臨モンスターとしてゲスト参戦しており、ガンダム・エアリアルのストライクショットで倒すと第3話のプロポーズシーンが見られる演出も付いた(ちなみに進化前はグエル専用機のディランザ)。
関連タグ
ALERT
見てない…。
ネタバレされたくない。
※Season2以降のさらなるネタバレ注意!!
俺は、続きに…。最新情報に進めていない!
ALERT
Season2以降の活躍(ネタバレ注意!)
「プライドだけじゃスレッター・マーキュリーには勝てないさ。」
スペック
第1期においては第5話以降長らく姿を見せていなかったが、Season2のOPにこれまで持ち合わせていなかった射撃兵装を携えて登場(一応、牽制用の胸部バルカンは存在するが……)。
武装変更点
コンポジットアームズ(ビームライフル/ビームカタナ)
ビームジャベリンに代わって追加された装備。ビームライフルに折り畳み式の刀型ビーム格闘武器『ビームカタナ』をマウントした複合兵装。
ビームライフルは通常のビームに加え、その銃身の下には拡散ビームを発射出来る専用の銃口を備える。
近接戦向けの携行武装が多かったダリルバルデだが、この武装の導入によって遠距離からの攻撃が向上し、より汎用性が高いMSとなった。
グスサー・イーシュヴァラ
イーシュヴァラ・タイプBに代わって追加された装備。タイプBからの変更点は不明だが、先端のデバイス形状が変更されており、作中でサーベル運用のみされていることから、格闘戦に特化したモデルの可能性がある。
視認性の低下が図るためか赤色から黒色に変更され、装備数が2基から4基に増えており、より多様な攻撃が可能になっている。
なお、本装備の追加に伴いバックパックも大型のものに換装されている。
ダヤ・アンビカー
アンビカーに代わって追加された装備。アンビカーより大型になった、ドローン機能も持つシールド。シェルのモールドも十字模様となっていて十字架にも見える。
通常時のマウントポジションも下を向くようになっており、かつてのグエルが搭乗していた専用ディランザに近いものになっている。
Season2以降の劇中の活躍
紆余曲折の末に復学したグエルがエアリアル改修型と決闘を行うことになった際には一部兵装等を換装した本機が再登場。意思拡張AIはカミル・ケーシンクらジェターク寮生によって出来る限りの最適化を実施。それでも使うかグエルに確認したが、グエルはプライドだけでは勝てないと使用を決意した。
今度こそスレッタとグエル、エアリアルとダリルバルデによる真剣勝負……と思いきや、今回はグエルがトラウマによって本調子を出せず、いくつかの装備を失うなどやや劣勢で戦局が推移する。
エアリアルに詰め寄られ、グエルがまともに戦闘出来ずあわや敗北の危機といったその時、グエルの決意に呼応するかの様に自律操作で咄嗟に防御。そのままシャクルクロウで肉薄し左腕を切断するなど、まさに人機一体と言うべき挙動で反撃に転じる。
その後エアリアルによるオーバーライドで(影響を受けたガンダム・ファラクトやガンダム・ルブリス・ウルのパイロットがデータストームで苦しんだのとは異なりグエル本人は影響はなかった)グスサー・イーシュヴァラの一部を奪われた際には必死で応戦するも万事休す……と思いきや、まさかの干渉でエアリアルが機能停止。その隙を逃さずブレードアンテナを切断することで、ボロボロになりながらもグエルに勝利をもたらした。
………実はこの試合自体がスレッタからエアリアルを遠さげたいが為にミオリネの仕組んだ八百長であった。
全力を出した結果の勝利では無いためか、あるいは想い人を悲しませる事になった為なのか、グエルの顔に笑みはなく複雑な表情でモニターを見つめていた。
そして…。
第20話ではプラント・クエタから続く一連の事件の首謀者であるシャディクを捕らえるべく、ラウダの手によってグエルの元に届けられる。
その後シャディク達と交戦状態になった際には実戦仕様のミカエリスに対して学園仕様であることでの出力差などにより苦戦するものの、最終的にはミカエリスの援護に来たサビーナ・ファルディンのハインドリーを無力化したのち、ミカエリスの零距離射撃により胴体を撃ち抜かれ大破。しかしその直前にグスサー・イーシュヴァラの総攻撃でミカエリスの四肢を破壊して戦闘不能にし、グエルに勝利をもたらした。その後機体は大破により爆発喪失してしまった。(間一髪、グエルはコックピットから脱出しており、デミギャリソンに救出されている)
Season2以降の余談
- 先述のOPでは『理想』の歌詞に音ハメされる形で登場しており、グエルの心情をうたっているとも解釈出来るが……? その直前にはミカエリスが登場し、シャディクと対比されているようにも思える。
- 第17話終了後、改修された当機の設定画が公開された。改修と言っても外装は変わらず装備の変更程度だがアンビカーの大型化によってシルエットや印象が変わっているものの、名称自体は変更されてない。しかしファンから区分けのため便宜的に「ダリルバルデ(改修型)」や「ダリルバルデ(復学仕様)」と呼称される事も。
- Season2仕様の武装名はメカニカルコーディネーターの関西リョウジが名付けている。
- コンポジットアームズの「コンポジット(Composite)」の意味はそれぞれ違う性質を持つ素材を組み合わせることで、単独では得られない特性を得ようとする物を指す。
- 17話での決闘は仕組まれたものであったが、ミオリネはエアリアルのパーメットスコアが8になってから機能停止させるまで決闘に不干渉であり、それまで互角に渡り合っていたのは紛れもなくダリルバルデの性能とグエルの実力である。13話のオッズ9位のパイロットでさえエアリアルにあっけなく秒殺された事を踏まえるとグエルの卓越したパイロット能力と、ここまでしないと勝つ事が出来ないエアリアルの理不尽な強さがうかがえる。
- 元々の人気が高い機体だが、第17話での無敗のガンダム・エアリアルに対して非ガンダムタイプの本機で勝利をもぎ取る快挙と活躍もあり、更に人気が上昇しその反響で、本機のガンプラが多く売れたとか。
- 更にそのガンプラを**改修型に作成した猛者**も出現。
- そして「ガンダムナビアプリ」にて実施された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 モビルスーツ人気投票でもエアリアル系の次に第3位(得票数:4691)というTOP3に選ばれるほど。
- その人気の故、第20話で退場するのは惜しいという声も。とはいえ、間違いなく水星の魔女での名機MSとして語り繋がれることは確かである。