概要
国鉄とJR西日本・JR東海が1987年から1991年にかけて新製・投入した直流近郊形電車。国鉄最後の新形式車両である。
車体・機器等は211系、車内設備・扉及び窓配置等は117系100番台をそれぞれベースとして設計されている。特性は極力211系と合わせられており、これは勾配のためMT比が地上線よりも高く設定されるはずであった総武快速線(実現せず)で、1M車を投入するため(2M車を増やし過ぎると出力過剰になり電力消費が多くなってしまう)に開発されたとの事。「マリンライナー」において、211系の「ゆめじ」などと実際に行われているように、それぞれ混結も可能である。
0番台(JR西日本)
1987年3月より宇野線の快速「備讃ライナー」で運用を開始した。
1988年4月の瀬戸大橋線全線開業と同時に同線を経由する快速「マリンライナー」として運用されるようになり、JR西日本で独自に設計したパノラマ形グリーン車のクロ212形が連結された。
2003年9月末までに「マリンライナー」運用から撤退し、それ以降は岡山近郊区間の普通列車として活躍している。これによりパノラマ形グリーン車のクロ212形は「U@tech」用に改造された1両を除き全廃となり、ローカル運用で不足する先頭車を補うために、一部の中間車がグリーン車の運転台機器を使用して先頭車化改造を受けている。運用を外れ、余っていた一部の中間車は廃車となった。
先述のクロ212形のトップナンバー、そして中間車のサハ213形のトップナンバーの計2両が技術試験車「U@tech」に改造され(クヤ212形、サヤ213形へ変更)、2019年まで在籍した。
2012年より体質改善工事が開始された。対象車両は生き残っている全車両に行われている。
また、2016年に第4編成2両が岡山地区の観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」へ改造された。この編成はグリーン車扱いのため車号が「クモロ213-7004+クロ212-7004」となり、クロ212の形式が復活した。
5000番台(JR東海)
1989年に関西本線の名古屋側電化区間用として新製・投入された。
0番台との差異は、全車両2両編成であること、クハ212形に便所が設置されていないこと、運転席後部及び車端部の座席がロングシートになっていることである。
登場以来、関西本線・中央西線で運用されてきたが、2011年11月より、神領車両区から大垣車両区に転属し、飯田線で運用される119系を置き換えた。
なお、飯田線投入にあたり近畿車両にてクハ212への便所取り付け及び客ドアの半自動ドア化改造工事が行われた。
また、211系5000・6000番台の前面は213系と同形状である。
なお、2021年頃から新型の315系が投入されることが決定し、5000番台は2025年までに211系、311系ともども全廃される予定である。
朝の豊橋発大垣行特別快速の一部列車に大垣電車区入出庫を兼ねた飯田線用313系3000番台限定運用(0・300・5000番台との併結)が存在し、運用上の都合で当該スジに213系が特別快速の代走に回る事がある。
なお、新快速としての運用実績は皆無。
関連イラスト
0番台(マリンライナー時代)
5000番台