「あのねー・・・しんでくれる?」
概要
『真・女神転生シリーズ』に登場する悪魔。
群青色のワンピースを着た金髪の幼い少女。
SFC版では作中の小さなドット絵しか存在しないためデザインの細部が曖昧であり、メガCD版では縦ロールになっていたりもしたが、PS版で登場人物や主要悪魔のデザインがリファインされたことによりアリスのイラストも描き下ろされ、容姿が固まった。
ストーリーに直接関わるのは『真・女神転生』だけだが、人気の高さから以降のシリーズでも度々登場し、概ね味方としては頼れる、敵としては非常に厄介な強キャラとして君臨する。
名前の由来は不思議の国のアリスからであると思われ、後年の作品でも同作のパロディが行われている。
『真・女神転生TCG』(No.G0099)によるとルイス・キャロルの憧れた「永遠の少女像」とされており、少女の持つ天使的あるいは小悪魔的な魅力が実体化した存在(要約すると不思議な国のアリスの着想元)という扱いになっており、ある種「ペルソナ」に近しい位置付けと言えよう。
『真・女神転生』
メシア教が行った東京へのICBMの投下によって幼くして死を迎えるが、赤伯爵こと魔王ベリアルと、黒男爵こと堕天使ネビロスに魂を拾われ、屍鬼として蘇らせられる。
アリスの幸せを願う赤伯爵と黒男爵によって死人が住む街となった六本木で平穏に暮らしていた。赤伯爵と黒男爵のことをそれぞれ赤おじさん、黒おじさんと呼ぶ。
年相応に無邪気で愛らしくも、自由奔放でワガママな性格をしており、永遠の友達(ゾンビ)になってくれる存在を求めている。ヒランヤを持ってきてほしいというお願いを聞いてくれた主人公をとても気に入り、早く死んで自分のお友達になってくれと駄々をこねだす。
これは悪気があって言っているのではなく、自分も周りの住人もみんなゾンビとして平和に過ごしている状況で形成された特殊な価値観によるものなので、アリス本人は良い提案をしているつもりでいる。
GBA版では追加要素の「記憶の欠片」によって赤伯爵・黒男爵との交流の一部を垣間見ることができる。
後の作品で彼女を合体で入手するには、上記の事からベリアルとネビロスによる特殊二身合体が必要になることもある。
元人間でありながらも非常に謎が多いキャラで、生前なども含めてその全体像は現在でも完全には明らかになっていない。
『真・女神転生Ⅱ』
前作では消滅してしまったが、数十年の時を経た今作で「魔人」としての再登場を果たす。
赤伯爵と黒男爵を模した人形を両腕に抱え、青い肌をした霊体で彷徨っている。
他の魔人が特定ポイントのみの出現に対して、アリスは満月の時に宝石箱を開けた場合でも出現するという特別扱いがされている。
『真・女神転生if...』
他の『真Ⅰ』キャラたちと共に魔人として登場。
アリスを味方として扱えるようになった初めての作品である。
グラフィックは『真Ⅱ』と同じ。ガーディアンとしても出現する一方で、PS版リメイクにて学校の物置に固定キャラとしても登場し、彼女と「遊ぶ」ことでガーディアンが付け替えられるようになった。
『女神異聞録ペルソナ』
御影遺跡B7F(セベク篇)と悪魔の山7F(雪の女王篇)で稀に出現するLv.99の悪魔。
PSP版で追加された御影遺跡B8以降でも出現する。
交渉は不可能のためスペルカードの入手は出来ず、倒すことで異教の偶像(DEVILベルゼブブ作成に必要)が一定確率で手に入る。
『ペルソナ2罪』
アルカナは「LOVERS」。廃工場の廃液処理場で低確率で出現。
倒すと菩提樹の守りを稀に落とす。
『ペルソナ2罰』
アルカナは「LOVERS」。春日山高校防空壕第八区画で低確率で出現し、カルマリングを装備した状態でコンタクトする事でマテリアルカードを得る事が出来る。
それを使用する事でペルソナとして作成可能。
マテリアルカード入手後はダークアリスが代わりに出現するようになる。
ちなみにそのマテリアルカードの名前は「チャンピオン」。元ネタは言わずもがな。
『デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団』
種族は「外法属」。今作で初めてアリスが3Dグラフィック化された。
鈴のような音を鳴らしながら楽しそうにスキップする歩行モーションが可愛らしい。
帝都各地の公衆電話を通してアリスと会話し、ライドウとベリアル、ネビロスが共にそれを追いかけるというイベントがある。
『ペルソナ3』
エリザベスからの依頼の中に「メギドを持つアリスを創造せよ」というものがある。
今作でアリスの印象的なセリフである「死んでくれる?」が固有スキルとなった。この技は強力な呪殺系スキルとして後のシリーズにも登場する。
『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王』
種族は「魔人属」。「少女A」名義で「わたしのおねがい・・・」という別件依頼を二度行う(依頼内容は一度目がヒランヤ、二度目がパール)。
上記依頼をこなすと赤伯爵と黒男爵から「あの子の幸せをねがって・・・」という別件依頼が入り、弓月の君高等師範学校の女学生に取り憑いていたところをライドウに突き止められ交戦する。
本作では女神転生世界のアリスという存在の一端がほのめかされる。
アリスはかつて神の定めた運命によって幼くして死を迎えた少女だったが、ベリアルとネビロスはそれを見て神の理不尽さに憤り、魂を奪ってアリスを復活させた。
しかしアリスは悪魔としての肉体を維持できず、魂のみが様々な時空へと散ってしまったという。
その為にアリスは過去の世界(if...&葛葉ライドウ)や本来繋がりのない世界(真・女神転生SJなど)に存在できるのである。
『デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト』
ライドウを異界に引きずり込み無邪気さゆえの残忍な悪戯心で翻弄する。
ネクロマンサーとして強力な力を持っており、自分と似た容姿の悪魔(マッドアリス)を多数使役する。
2話丸ごとメイン回、原作には無い不思議の国のアリスになぞらえた戦闘方法でライドウを追い詰めるなど明らかに優遇されていた。
最終的には赤伯爵と黒男爵に見つかり彼らに回収されていった。
『ペルソナ4』
ネビロスとベリアルによる特殊合体で生み出せる。
アッパーバージョンである『ペルソナ4ザ・ゴールデン』ではスキルカードシステムに代表される、お手軽になったペルソナ育成システムによって誰もが最強のアリスを作ることも夢ではなくなった。
また、仲間であるクマが文化祭で行った女装の外見がアリスそのまんまであるほか、その姿での歩行時の動きも葛葉ライドウシリーズ等のアリスの移動モーションに酷似している。
クマのこの女装姿は白鐘直斗プロデュースによるものだが、直斗が魔人アリスのことを知っていたが故のこの女装姿なのか、はたまた偶然の一致なのかは不明。
クマの女装姿についてはペルソナ4ザ・ゴールデンにて戦闘でも使用することができる衣装として、文化祭以降使用することができるようになった。
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』
アリス自身が依頼するEXミッション「ウサギをつかまえて!」で登場。
主人公がアリスのお願いに従って、セクター・フォルナクス内で逃げ回るイナバノシロウサギを追いかけるという『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる内容。
だが、アリスは「カワハギの刑」と称してイナバノシロウサギを殺そうとする。
シュバルツバースにおけるアリスは「悪魔に愛された少女の記憶」がフォルナクスの力で具現化したものと説明されている。
『真・女神転生Ⅳ』&『真・女神転生ⅣFINAL』
種族が魔人から屍鬼に変更された。初登場の『真Ⅰ』ではゾンビなので原点に還ったとも言える。
魔人になる以前、無邪気に「永遠の友達」を求める『真Ⅰ』の頃の性格が強く、主人公が早く死んで友達になることを望む発言をする。
基本は女の子口調だが、合体時と迷子からの帰還、すれ違い通信専用の台詞が用意されている。
なお、初期スキルの構成が前述のSJと同じである。
特殊合体でしか生み出せないが特にイベントはない。
スキルを覚えさせずにキャンセルすると「死んでくれる?」という台詞を言う。
『真・女神転生 SYNCHRONICITY PROLOGUE』
貪欲エリアのボスとして登場。
ジャックフロストとジャックランタンに一緒に遊ぶようせがみ、戦闘に突入する。
なお、本作の舞台はシュバルツバースであることから、「悪魔に愛された少女の記憶」とジャックランタンが言及するシーンがある。
『ペルソナ5』
アルカナは死神。
即死系スキルのSPを踏み倒す特性『はやくしんでよ』の習得により、これまでのシリーズより格段に扱いやすくなっており、固有スキル「死んでくれる?」も健在。
アニメ版にもとあるシーンにて登場する。
『真・女神転生Ⅴ』
『真Ⅳ』『真ⅣF』では「屍鬼」だったが、種族が「魔人」に戻った。
凶鳥モー・ショボー、幽鬼ポルターガイスト、妖獣バグス、妖精ジャックランタンの4体を素材とした特殊合体で仲魔にすることが可能。
DLCサブクエスト「人修羅と九人の魔人」を購入しなければ、『真Ⅴ』に登場する魔人はアリスだけとなる(「神造魔人」という種族が登場するが「魔人」とは違う)。