概要
刀剣の売買で財を成した豪商・塚山由左衛門の息子で、裕福な家庭に生まれ育つが、「武士の魂」である刀を売りさばく父に反感を抱いており、父の由左衛門もまたそんな自分に負い目を感じており、周囲の成功と言う評価とそれが本当に正しかったと思えない矛盾を抱え、武士ならば強くあらねばならないと息子にその思いを託している苦悩を抱えている。
一見、少年らしい生意気さや強さへの憧憬を抱いているが、一方で自分は子どもとして自分に関わる大人の手を患わせてはいけないと言う弁えた一面を持つ。それ故に、父の仕事に反感を抱きながらも愚痴をぶつけてはいない。
以前、強盗に襲われたところを雷十太に助けられた事があり、一睨みしただけで強盗を撃退した彼の強さに惚れ込んで弟子入りした。
雷十太を師と仰ぎ尊敬しているものの彼からは全く稽古をつけてもらっておらず、最初は竹刀の握り方すら知らないほどの素人だったが、剣術のセンス自体はかなりのもので、神谷薫のもとで剣術の稽古を始めてからは瞬く間に上達し、明神弥彦とは良いライバル関係となっていった。
しかし、本性を現した雷十太と剣心の戦いに巻き込まれ、雷十太の飛飯綱(かまいたち)を右腕に受けて筋を斬られてしまい、医師から剣術は二度と出来ないと診断されてしまう。尊敬していた師に裏切られた上に大好きな剣術も出来なくなって意気消沈してしまい、父の提案でドイツへ渡って右腕の治療に専念すると同時に剣術も忘れるつもりだったが、出発の日に駅で弥彦に叱咤された事で元気と剣術への情熱を取り戻し、旅立っていった(メイン画像で右腕を包帯で吊っているのはその為)。
その後は直接登場していないが、人誅編終了後のエピローグでは帰国して弥彦と共に神谷活心流道場の師範代になっている(とされていたが、実際は旅立ちの際に掛けられた門人札がそのままなだけで、後に北海道編にて由太郎本人が否定している)。
原作者によるとプレイボーイになっており、弥彦とは剣術だけでなく三条燕を巡って争う恋のライバルにもなっているらしい。
番外編「明日郎前科アリ」にも登場。すっかりイケメンに成長しており、由左衛門の後を継いで刀剣屋の若旦那として大成している。無限刃を売るために脚色をした井上阿爛に対しては「偽り事は必ず他人と自分の人生に取り返しの利かない傷を負わせる」と過去の過ちを踏まえたような口調で叱責している。
また、剣の目利きは確からしく、無限刃の危うさを感じ取り、神谷道場に連絡を取るべきと判断する。
直後、店に殴り込んできた志々雄一派の残党軍に対し、剣心を呼んだことで悪太郎と阿欄を(二重の意味で)救うこととなる。
その後北海道編で再登場し、燕をナンパしたため弥彦に成敗されそうになった。その時、健在な左腕でカバンを用いて弥彦の一撃をガードしており、弥彦からは「片腕でも剣はできる」と神谷道場への復帰を誘われた。その際には呆れたように「お前が先生になるのはイヤだな…俺はつくづく師に恵まれない」と冗談を言い、弥彦に「アレと一緒にすんじゃねえ」とぼやかれた。
ちなみに右腕は治療の甲斐もあって生活に支障をきたさない程度にまで動かせるようになったものの、後述の旧アニメ版と違って完治とまではいかなかったために剣客になる事を諦めている模様(ギプスのようなものが右腕に覆われていた)。
原作と旧アニメ版の差異
旧アニメ版では設定が異なり、東京ではなく伊豆の富豪の御曹司で、父は「伊豆の雷神」と謳われた剣豪だったが、既に故人となっている。父を超える剣豪になるために腕の立つ剣客を自分の師匠にしようとしていた。
原作では雷十太編以降登場していないが、アニメ版では黒騎士団編で主治医のハンス博士を伴って帰国する形で再登場した。
右腕の怪我は完治しており、医学にも興味を持つようになっている。
黒騎士団の襲撃で重傷を負った博士を救うために聖なる霊薬を求めて剣心達の旅に同行し、その道中で洩矢御沙薙が率いる真田忍群の動きを探っていた巻町操と知り合っている。
霊薬を手に入れて博士を救った後、彼のもとで本格的に医学を学ぶために再びドイツへと旅立った。
関連タグ
サガ(ONEPIECE):右腕が不自由になりながらも師範代となったジャンプ作品の剣客。