曖昧さ回避
- 戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する本型のモンスターで、作中では「アポカリプス」と呼ばれる。
- 日本語で「もくしろく」と読み、終末論を記した一連の書物のこと。別表記でアポカリプス(Apocalypse)とも言われる。
- 黙示(もくし)とは、1.暗黙のうちに意思や考えを表すこと、2.隠された真理を示すこと。つまり「黙示録」とはこれらを記録した目録。
- ユダヤ教およびキリスト教では、神に選ばれた預言者へ与えられたとする「秘密の暴露」やそれを記録したもの。つまり人意を越えた真理や神意などが記されているとされる。
- 転じて、多くは『世界の終末』『文明の崩壊』もしくはそれに類する大規模な災厄等を意味する。
- 終末を連想する・関連がある存在に当てはめられる固有名詞の一つ。
本稿では1.について解説する。
概要
CV:杉田智和
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する古代遺物(アーティファクト)の一つ。本作の地球で最初に発見された物で、(辞書のような)本の形をしている。分類が「遺物」で『物』とされるも、自我を持ち喋るなど『めっちゃ生きてる感』があり異質な存在である。
特異なのは見た目だけでなく、超常的な能力を有しており、まさしく世界の命運を左右する重要事項(キーパーソン?)の一つ。
この黙示録(アポカリプス)にはUNION(ユニオン)の目標【創造主(神)】に通ずる道筋があると目されている。それを裏付けるように、創造主(神)の僕ともいえるUMAたちからも存在が(忌々しげに)認知されてる。
また組織(ユニオン)と敵対するUNDER(アンダー)が狙っている目標物の一つ。
現在の所在は組織の少年・トップが所持する形で、安易な接触は困難な状態にある(トップは高速で動ける否定者のため、不用意に近づけばすぐさま逃げられて見失うという意味で)。
姿形
血管のようなものが浮き出た背表紙側に、ギョロ目と大きく裂けた口がある。因みに鼻らしき部位は見当たらない。口には鋭い牙が生え、不快感のある長い舌もある。また口の中は継ぎ接ぎの地球儀やUMAを吐き出す事ができるなど、謎の異空間となっている。
頁側(ページ)の面が開くと、側面にあったギョロ目が正面にある位置となり、また違った化け物面の様相になる。
悪意のある本
とにかく口が悪く性格も悪い。相手を見下すような態度が目立ち、後述の課題関連には中立で相手を試すような発言をする。だが課題の成功に触れる、不用意な失言といった馬鹿(ポカ)をする時がある。
課題に関連する事や黙示録自体へ触れられる事を否定し、不用意な接触をする者へは鋭い牙で噛み付いたり、後述の「世界の記憶」を流し込む反撃をしてくる(取り扱い注意)。
世界の命運を左右する貴重さと、その存在自体が危険なため、組織(ユニオン)が所有している際、黙示録(アポカリプス)への面会は円卓の否定者(ひていしゃ:世界の理(ルール)を否定する超能力者)など一部だけに制限している。その為、存在は知っていても実際に見たことはない組織の構成員がいる。
アンダーとの抗争時には、黙示録専用に造られた不壊の檻へ入れられ、より厳重な管理がされている。これでは反撃もなにも出来ず、黙示録自身は不服の扱いで「ここから出せ」と、文句を吐いている。檻を繋いだ鎖を身に付ける組織の少年・トップが、大人しくさせようと鎖をブンブン振って黙示録をブン回したりなど、いっそう(物理的にも)不遇な立場にいるのだった…。
しかしながらクエストの進行に関しては一貫して公正な立場を見せており、否定者達に憎まれ口を叩きながらもクエストを達成して見せればしっかり報酬は与えるなどシステムに反故する事はしない。
月が生み出したアーティファクトという自負からクエストを神聖なものと考えているらしく、否定者側の勝利になりそうな状況でさえUMAムーブが「つまらん」と個人的な趣味でその妨害を行った際にはムーブの方に怒りを見せる程である。
能力
課題(クエスト)の提示
『円卓』にある全ての席へ否定者たちが着席する事で、黙示録(アポカリプス)が「課題(クエスト)」を提示する。これには世界へ3ヶ月毎に1回追加される「理(ルール)」の「罰(ペナルティ)」が課せられており、これを防ぐ事が「課題(クエスト)」を受ける目的の一つとなる。
提示の仕方は、黙示録(アポカリプス)にある頁(ページ)が空中へ舞い、何かの言語で「課題(クエスト)」についての記載、後に受注した否定者の名前が刻印される。その手続き完了後から課題開始(クエストスタート)となる。
課題(クエスト)の結果(リザルト)
『円卓』にある全ての席へ否定者たちが着席する事で、黙示録(アポカリプス)が課題(クエスト)の「結果(リザルト)」を提示する。これは課題(クエスト)を受けた否定者たちが全員着席しないと提示されない。
課題(クエスト)の報酬
課題(クエスト)が「成功(サクセス)」した報酬を否定者たちへ与える。例えば、「新たな否定者・UMA・古代遺物の所在」では、黙示録(アポカリプス)の口内から継ぎ接ぎの地球儀(明らかに体積よりも大きな物)を空中へ吐き出し、世界の何処にあるかを開示する。「理(ルール)の改変」では、世界へ追加された「理(ルール)」を変更する。これは否定者以外が受ける世界改変であり、場合により悲劇が起きることもある。
罰(ペナルティ)の発生
課題(クエスト)を否定者たちが一つでも失敗した場合、世界へ「罰(ペナルティ)」の「理(ルール)」が追加される。これも否定者以外が受ける世界改変であり、人類滅亡の危機を招くほどの事態を引き起こす場合もある。もし新たに「理(ルール)」が追加され、人類滅亡の危機が迫った際、組織(ユニオン)が人知れずにそれを回避する事へあたる。
「罰(ペナルティ)」の発生は「理(ルール)」を司るUMAが、黙示録(アポカリプス)の口内から召喚される事で行われる。それは黙示録(アポカリプス)の体積よりも大きなUMAでも現れる(前述の地球儀といい、口の中がどうなっているのか不明である)。
膨大な世界の記憶
古代遺物(アーティファクト)には、断片的に「世界の記憶」が付与されている場合がある。古代遺物である黙示録(アポカリプス)が持つ「世界の記憶」は膨大であり、他とは比較にならないほど。更に黙示録(アポカリプス)は任意で、開示する「世界の記憶」を選択する事ができる。
その為、人が不用意に黙示録(アポカリプス)へ触れた時は、例え数秒の接触でも膨大な「世界の記憶」を流され、脳はその負荷へ耐えられず発狂寸前に追い込まれる。黙示録(アポカリプス)は相手が身に付けている衣服・装備越しで「世界の記憶」を流せるが、そもそも古代遺物(アーティファクト)の精神負荷に耐性がある者、物を使って間接的な接触、といった場合だと「世界の記憶」を流す精神攻撃は出来ない。
噛みつき
黙示録(アポカリプス)にある鋭い牙が生えた大きな口での噛みつき。容易く成人男性の両腕を欠損させる程の噛む力(咬合力)がある。また口内は謎の異空間になっているため、噛んだ物が飲まれれば何処に行くかは不明。
その他
黙示録(アポカリプス)と同時に古い石版が見つかっている。これには101個の穴が開いており、世界へ「理(ルール)」が足される度に埋まっていく。物語序盤では既に98個まで穴が埋まっており、後に(単行本3巻で)99個目が埋まってしまった。
101個目には最後の「罰(ペナルティ)」として、石板には不吉な雰囲気を感じさせる表記「RAGNARØK(ラグナロク)」が書かれている。
単行本6巻の特典として「黙示録風ミニノート」が登場した。
真っ黒な表紙に、黙示録(アポカリプス)のギョロ目・大きく裂けたギザ歯の口・血管のようなものが浮き出た様相と、コミックスに収まるミニサイズとは裏腹になかなか強烈。
これは店舗によって配布方法・配布時期が異なり、特典がなくなり次第配布を終了した。
関連項目
世界(アンデラ) 古代遺物(アンデラ) 否定者 UMA(アンデラ)