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MacOSの編集履歴

2024/01/09 01:10:34 版

編集者:磯(湘南)

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MacOS

まっくおーえす

AppleのパーソナルコンピュータMacintoshのOS。オリジナル版の流れをくむシステム(Mac OS 9まで)と2001年以降の現行システム(macOS、旧称Mac OS X)は基本的に別物である。

Appleから出荷された、Mac OSの名を冠したオペレーティングシステムには次の3システムがある。

1.Classic Mac OS(1984年~2001年)

➝ System、漢字Talk(日本語版)、Mac OSなどと呼ばれたOS。基本的にMacintosh専用だが互換メーカーにライセンスされていた事がある。ClassicMacOSを参照。

2.Mac OS X Server 1.x(1999年~2000年)

→ Appleが買収したNeXT社の製品であるBSDUNIX、OPENSTEPの見た目をMac風に変更し、Classic Mac OS互換環境とサーバ機能を追加したもの。Mac OS X10.0のリリースに先駆けて暫定的に出荷されたものである。

3.macOS(2001年~)

➝ OPENSTEPの技術を中心にAppleが作ったBSD系UNIX。Classic Mac OSの後継システム。当初の呼称はMac OS X。のちOSXを経て現在のmacOSに呼称を変更された。

概要

macOS(マックオーエス)は、Apple Inc.Macintoshパソコン用の現行オペレーティングシステム (OS) である。最新バージョンはmacOS 14 Sonoma。10.7 LionまではMac OS X、10.8 Mountain Lionから10.11 El CapitanまではOSXと称した。

OSの系譜としてはUNIX系であり、BSDの子孫の一つである。正式な認証を受けたUNIXとしては最もユーザー数が多い。

v10.6まではサーバー版がMac OS X Serverとして販売されていた。ただし、Mac OS Xの発売前(1999年2001年)にアップルから販売されていたMac OS X Server1.xは基本的に全くの別システムである(後述)。

バージョンの変遷

v10.8までのOS Xにはネコ科猛獣のコードネームが当てられていたが、v10.9以降はカリフォルニア州の地名がコードネームとしてつけられている。v10.2 Jaguarから(日本ではv10.3 Pantherから)は商品名にもなっている。

v10.12以降はmacOSと名を改めたが、ピクシブ百科事典仕様大文字と小文字を区別できず、この項目名を作成できないため本項目で引き続き取り扱う。

バージョンコードネームバージョンの概要
Public BetaSiamベータ版だが開発者以外も有償で購入できた
Mac OS X v10.0Cheetah開発環境のCD-ROMが付属
Mac OS X v10.1Pumav10.0ユーザーには無料提供
Mac OS X v10.2Jaguarこのバージョン以降のコードネームは商品名でもある
Mac OS X v10.3PantherSafariが標準ブラウザに
Mac OS X v10.4Tigerこのバージョンの途中からIntelに対応した
Mac OS X v10.5LeopardPowerPC対応の最後のバージョン
Mac OS X v10.6Snow Leopard64ビットに本格対応。カーネルは32ビットのままである
OS X v10.7Lionダウンロード販売に移行
OS X v10.8Mountain Lionカーネルが64ビット化。32ビット機には対応しなくなった
OS X v10.9Mavericksダウンロード無償化
OS X v10.10Yosemiteことえり廃止、新たな日本語入力プログラムに移行
OS X v10.11El CapitanMetal搭載
macOS v10.12SierraSiri搭載
macOS v10.13High SierraAPFSを本格実装
macOS v10.14Mojave32ビットアプリを動かせる最後のバージョン
macOS v10.15CatalinaiTunes撤廃、Carbon API廃止、Sidecar(iPadを2台目のディスプレイとして使う)実装
macOS 11Big SurAppleシリコン対応、WebP対応、iOSに似た外見にリデザイン
macOS 12MontereyLive Text対応(英語のみ)、ユニバーサルコントロール実装(12.3から)
macOS 13VenturaLive Textが日本語対応、AVIF対応、ステージマネージャ実装
macOS 14Sonomaウィジェットのデスクトップ配置に対応

特徴

Macintosh専用のUNIX互換OS。このOSからiPhoneiPadなどAppleのモバイル製品に搭載されるiOSが派生している(後にiPad向けはiPadOSとして独立)。

1996年にアップルが買収したNeXT社の技術をベースに、バージョン9まで続いたそれまでのClassicMacOSの後継として開発され、2001年からリリースされている。

UNIXベースとなり、比較的容易な移植でBSDLinuxなど他のUNIX系OSで開発されたソフトウェア資産を使うことができる(Mac Portsというリポジトリサービスを使うのが一般的)。またWineという互換環境をインストールすれば制限はあるがWindows向けソフトウェアも一応使うことができる。IntelMacなら、Boot Campという機能を使ってWindowsそのものをインストールしてデュアルブートもできる。また、.net Frameworkランタイムmonoを導入すれば同FW準拠で書かれた大半のWindowsソフトは動作する。多言語対応に力を入れており、最初のバージョンから標準インストールで複数の言語がサポートされている。そのため、言語別パッケージという概念がなく、同じバージョンならばどの国で買っても同じパッケージである

また、OSの刷新に合わせて完全なプリエンプティブ・マルチタスクやメモリ保護を実装し、安定性は従来のClassic Mac OSとは比べものにならないほど向上した。ちなみにシステムエラー時に出てくる爆弾アイコンは廃止されている。

v10.4までのPowerPC版はClassic環境と呼ばれるClassic Mac OS互換機能を持っていた。

Mac OS Xの開発はNEXTSTEPに従来のMac OS(両者は全く異質なシステムである)を統合する形で進められた。1997~1998年ごろに開発されていたもの(コードネームRhapsody)は「Macっぽい見た目のNEXTSTEP」という具合だったが、開発者の支持を得られなかったため、実際に製品化されたMac OS Xは、両OSに由来するテクノロジーが深い部分まで密接に統合された全くの新システムとなった。

NEXTSTEPから受け継いだ機能

  • Darwinカーネル - Mach 3.0マイクロカーネルをハイブリッドカーネル化して実装。ドライバモデルはNEXTSTEPで採用されたObjective-CベースのDriverKitを機能限定版のC++で実装したI/OKitに置き換えている。
  • BSDサブシステム - OSXのUNIX互換機能を担う。FreeBSDと密接な関係がある。
  • Cocoaと開発環境 - Objective-Cベースのオブジェクト指向API。OSXのメインのAPIだが、従来のMacのToolbox APIとは全く異なる。iOSのAPIもこれである。JavaPythonなどとの言語ブリッジも用意されており、後に開発言語にSwiftが加わった。
  • Dock - 基本的に「Macらしさ」の色濃いOSXのGUIの中で、NeXT色を強く感じさせる部分。NEXTSTEPとMacOS Xに特有のGUI要素だったが、Windows7以降のWIndowsのタスクバーはこれに似た機能をそなえている。
  • レインボーカーソル - Macユーザーにはおなじみの、処理待ち中にカーソルが虹色の丸になってクルクル回るあれ。Classic Mac OS時代は「腕時計」だった。
  • プロパティリスト - オブジェクト直列化のためのプロトコル。ただし、フォーマットはNeXTと異なる。
  • NetInfo - ディレクトリサービス。v10.4で後継のOpen Directoryに置き換えられた。

Classic Mac OSから受け継いだ機能

  • Carbon - Classic Mac OSのToolbox API をOSX向けに再設計したもの。C/C++ベース。Cocoaの浸透により徐々にフェードアウトし、macOSの完全64ビット化に伴い廃された。
  • Finder - デスクトップシェル。macOSの「顔」の部分。Classic Mac OS由来なので初期はCarbonベースだったが、v10.6でCocoaベースに作りなおされた。
  • 画面上部固定のメニューバー - 初代Macから現在まで、Macのアイデンティティとして脈々と受け継がれている。
  • デスクトップ - NeXTにはデスクトップという概念が無く、Dockはこれを補うための要素であったと考えられる。
  • HFS+-Apple独自のファイルシステム(Mac OS拡張フォーマットともいう)。NEXTSTEP(というかUNIX)由来のファイルシステムであるUFSも初期バージョンからサポートしているがあまり使われず、v10.5でUFS でフォーマットされたボリュームにインストールできなくなった。v.10.13で後継のAPFSが実装された。
  • QuickTIme - Carbonベースのマルチメディア環境。v10.6のQuickTimeXを経て後継のAVFoundationに置き換えられた。
  • AppleScript - OS標準のマクロ言語。後にCocoaフレームワークとのブリッジも用意された。
  • ATSUI - テキストのレイアウトエンジン。後に後継のCore Textに置き換えられた。
  • ことえり - インプットメソッド。v10.10でiOSのインプットメソッド(固有の名前は与えられていない)に置き換えられた。

このほか、QuickDrawやリソースフォークなどもサポートされたが、基本的に従来のMacの機能を移植するために用意されたレガシーな機能であり、徐々に廃された。

完全に新規に開発された機能

  • Quartz -PDFベースの描画エンジン。機能的にはほぼNeXTのDisplay PostScriptの上位互換だが、Classic Mac OS由来のQuickDrawを効率的にサポートするために新規に開発された。

主要な付属アプリケーション

  • iPhoto→写真(v10.10から)
  • FaceTime(v10.13以降)
  • iTunes→ミュージック/Podcasts(v10.15から)
  • Mail
  • iBooks→ブック(v10.13以降)
  • Safari(v10.3以降、v10.2にも対応)
  • テキストエディット
  • アドレスブック
  • プレビュー
  • ターミナル

主要なユーティリティ

  • Automator(操作の自動化)
  • スクリプトエディタ
  • ColorSync
  • DigitalColor Meter
  • FileVault(ホームディレクトリを暗号化)
  • Grapher(グラフ計算機)
  • VoiceOverユーティリティ(音声認識)
  • アクティビティモニタ
  • キーチェーンアクセス
  • 移行アシスタント
  • Time Machine

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