概要
素晴らしい艦船に対する賛辞である。文として完結しているため、正しくは末尾に「.(ピリオド)」が付く。また文頭は正確には大文字の「N」であるが、余り用いられない。
ましてや桂言葉とかSchoolDaysとかヤンデレなんて全然関係ない。
……すまん嘘ついた。真面目に話そう。
詳細
アニメ版『SchoolDays』(以下「スクイズ」)の最終回放送が間近に迫った2007年9月16日、京都府で少女が父親を殺害するという事件が発生(発生地と被害者の職業から「京田辺警察官殺害事件」と呼ばれる)。犯行の手口は首を斧で切りつけるというものだった。
翌17日、スクイズ最終回の最速放送局であるテレビ神奈川(tvk)は予告なしで放送を中止。代替番組も放送されないままに、約30分間に渡って環境映像(ノルウェー名物フィヨルドを往く観光船)を流し続けた。
それを見た外国人が思わずネット掲示板「4chan」で書き込んだ言葉が"nice boat."である(全文は冒頭に掲示)。
他局もtvkに追随したため、最終回は地上波では幻となり、9月27日に衛星波のAT-Xで初放送されたが、そのラストは「精神を病んだメインヒロインがサブヒロインを菜切りで殺害。その前にサブヒロインに出刃包丁で刺殺されていた主人公の首を抱え、ヨットに乗ってあてもなく流されていく」という文字通りの「niceboat.」というもので、全くシャレになっていないばかりか、件の事件を予見したと言われても仕方がない内容だった。
視聴者やスクイズファンは、事件から1日足らずで放送中止の決断を下したtvk(及び後続放送各局)をフルボッコにしていたが、AT-Xでの放送後には態度が一転。「この内容では京都の事件がなくても放送中止は当然」「ガキみたいなこと言って申し訳ありませんでした」「tvkよ、disって正直スマンカッタ」という悲鳴に近いものとなった。
放送中止になったまでの経緯や、その後の公式側の対応もあって、「SchoolDays=niceboat.」とまで定着するようになり、それ以外にも、ニコニコ動画や実況板などで単に船が流れるだけの映像に対してコメントされたり、スクイズ以外の作品でも陰惨なエンディングになることを「niceboat.」とも呼ぶようにもなった。
『SchoolDays L×H』の予約特典テレホンカードにも、この環境映像に登場した船を模したケーキが描かれていた(そのケーキの上には伊藤誠と澤永泰介の人形が載っている)。
ちなみにこの船は実在する(だから映像になっているのだが)。
ノルウェーの海運会社「フィヨルド1」(Fjord1)が所有する観光用客船「スカーガストル」号(MS «Skagastøl»)である。詳しくはこちら。
ノルウェー最大のフィヨルドとして有名な「ソグネ・フィヨルド」に就航しているとの事。
なお、2015年頃より同型の退役が始まっており、そう長くは乗れないと考えられる(同船は船齢50年近い)。
見る人によってBGMが変わるらしい(例:G線上のアリア、ファイナルファンタジーのプレリュードなど)。
余談
この最終回は2016年にフジテレビ放送のバラエティ番組「とっておきランキング!」にて「ラストが切なすぎるアニメランキング」」として市川紗椰によって紹介されている。
当然ながらこの壮絶な内容にスタジオ内は騒然となり、加藤浩次は誠が世界に殺害されるシーンを見て悲鳴を上げている。
なお、niceboatは2位であり、1位は伝説巨神イデオンの最終回で、登場人物が皆イデの突然の発現によって因果地平の彼方へ飛ばされるイデエンドが紹介されたのだが、インパクト的に完全に食ってしまった形になった。
pixivでの用法
ニコニコ動画や各掲示板サイトの実況板同様、二通りの用法がある。
一つはスクイズ関係、もしくは陰惨なエンディングを持つ作品関係の投稿に対して。
もう一つは船舶を題材にとった投稿に対してである。
後者は軍艦や客船など、boatというよりはshipと呼ぶべき大型船に使われることが多い。まあアイオワ級戦艦の一斉砲撃などは、沈められた方が「niceboat.」と言えるが。
パロディ
2018年放送のアニメ『ポプテピピック』第5話冒頭にて、「このコーナーは大人の事情により、急遽映像が差し替えになりました。」というテロップとともに、海を航行する船の映像が放映された(なお、テロップの表示位置も、ネタ元の映像と同じく「画面上部中央に配置」されていた)。
元ネタを知っている層はSNS等で「niceboat.」とツッコミを入れていたが、知らない層は「?」となるという現象が起こったことも付け加えておく(元ネタから約90年が経過しているので、こればかりは致し方ないだろう)。
2020年放送のアニメ『異種族レビュアーズ』第4話ではサラマンダーのティアプレートで焼き肉をした際、上下の口でソーセージを焼くなど下ネタがきつくなってきたところでメイドリーの水浴びに差し替えられ、その横にボートが配置されていたので「Nice boat.」のコメントが多くみられた。
…これだけならただのパロディだったが、その後TOKYOMXでの第5話以降の放送が中止され『洋上の楽園クルーズ』に差し替えとなり、本当にNice boat.されるオチまでついてしまった。
同じく2020年放送のアニメ『へんたつ』第11話は、冒頭で「都合により、内容を変更してお送りしています???」というテロップとともに、海を航行する船の映像が放映された後、本題に入るという流れであった(?マークは最初表示されず、1つずつ表示されていた)。テロップの表示位置が「画面上部中央」であったことに加えて、(船の進行方向は逆だが)構図がよく見かけるキャプチャのものに揃えてあったり、BGMが「G線上のアリア」になっていたりと、かなり拘ったパロディとなっている。
ちなみにこの船の元ネタは東京都観光汽船の「いりす」で、東京ビッグサイトから日の出桟橋に向かうルートであると推察されている(第10話の舞台が東京ビッグサイトであったことから)。
本編中で鬼(たつき)は「irodori作品の11話はびっくりすることが起こるらしいから」「ケムリクサやらもたまたまお話がそうなっただけ」と発言し、猫(平安)は「落とし(て総集編になっ)たのかと思ってびっくりした」と返している(別話で「落としたら総集編でつなぐ」という発言があったことも含んでいると思われる)。