「キーワード!F・I・N・A・L!ファイナルダンクーガ!!やってやるぜ!!」
概要
「ファイナルダンクーガ」とは、1985年に放送された『超獣機神ダンクーガ』でロボットアニメ史上初のグレート合体の偉業を成し遂げた………“はず”だったスーパーロボットである。
ダンクーガに2号ロボポジションであるブラックウイングが合体した強化形態で作中で合体する予定だったがアニメの打ち切り、玩具の超合金も発売が中止される等があり、それによってシナリオ改変がなされストーリー中でブラックウイングが搭乗者のアラン・イゴール諸とも失われた事となりTV版はもちろん、続編のOVAでも失われたままなので作中には一度も登場する事はなかった。
と、諸々の事情で実現は出来なかったが、もし本来の予定通りなら“ロボットアニメ史上初のグレート合体をしていた伝説のスーパーロボットになっていた”だろう、しかし、その偉業は本作の3年後の1988年放送の『トランスフォーマー 超神マスターフォース』に登場したゴッドジンライに譲る事となり、それに対しダンクーガの方は設定上は存在するもののユーザーに対しての公開はなく、噂話にさえ出てこないような状態が長く続く事になる。
そんな中で2001年に突如として“ブラックウイングと合体したダンクーガ”のイラストが初めて公開された。(下記の「初出」を参照)
しかし、この時は「オリジナルコンセプトの“大張版ダンクーガ”です。このバージョンで次回作に参戦希望!(笑)」(『スーパーロボット大戦α外伝』限定版のイラストボードのコメントより)と“まだ名前は無かった”。
そして、2004年12月16日発売の『スーパーロボット大戦GC』で、設定とデザインがブラッシュアップされ、さらに「ファイナルダンクーガ」の名前を与えられ、放送から19年の歳月をかけて、ついに合体をする事が出来た。
この後もスパロボシリーズに参戦する際には、ダンクーガの最強形態として位置付けされている。
と、このような流れで「ファイナルダンクーガは(マジンカイザーのような)スパロボオリジナルのダンクーガ」と思われていたりもするが『蒼き流星SPTレイズナー』のレイズナーMARK Ⅱと同じく“原作には設定が存在していたが、打ち切りや玩具の都合で登場しなかっただけ”なので「あくまでスパロボで有名になり定番となっただけの、いわゆるスパロボ補正ではあるが、スパロボオリジナルではない」のでご注意を。
だが、後年には完全スパロボオリジナルの究極形態のダンクーガが登場する事になる。
合体システム自体は背中に合体するだけの単純なものだが、後年に後継者が登場しており、奇しくもアランと同じ中の人が演じた『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV』の総司令官ビクトリーセイバーや2001年に放送された『電脳冒険記ウェブダイバー』の主役ロボビクトリーグラディオンなど同じタイプのグレート合体ロボが複数登場している。
武装
基本的な武装はダンクーガと同じ。
断空砲フォーメーション:発射する際にはブラックウイング部分がスライドして、可動部分が干渉しないようにしている。
ファイナル断空砲:本機独自の武装としてブラックウイングの頭部が左右に展開して発射する。色々無理がある気もするが気にしないように。
ファイナル断空光牙剣:断空光牙剣を強化した必殺技、本機はOVA版の設定基準なので小型ガンドール砲はブラックウイングに搭載されていて、それを発射してファイナル断空光牙剣に使用している。
初出について
2001年1月25日発売の『超獣機神ダンクーガ DVD-BOX COMPLETE BOX 2』のパッケージイラストで初出説。
と
同年の2001年3月29日発売の『スーパーロボット大戦α外伝』の限定版のイラストで初出説。
の二つがある。
客観的に発売日から考えればDVD-BOXの『COMPLETE BOX 2』が初出だとは思われる、のだが「ファイナルダンクーガは『α外伝』が初出で、その後に逆輸入でDVD-BOXのパッケージになった」が定説となっている。
では、なぜそう思われているのか?
『α外伝』の場合、DVD-BOX(BOX1約3万円、BOX2約3万5千円)まで買う熱心なダンクーガのファンよりも、“ダンクーガ以外の別の作品のファン”もプレイしているので『α外伝』の方で知る人数は多いだろう、逆に言えば“DVD-BOXを知らない人が大半”なので多くの人に“『α外伝』で初めて見た=『α外伝』が初出”と記憶に残っている思われる。
また、2011年9月22日に『EMOTION the Best 超獣機神ダンクーガ DVD-BOX 2』の廉価版DVD-BOXが発売され、パッケージは上記の『COMPLETE BOX 2』と同じイラストが使われたのだが、この廉価版が発売されるまでに『XO』『α3』『J』『Z2』でファイナルダンクーガが参戦してスパロボファンにファイナルダンクーガという概念が定着し、以前の『COMPLETE BOX 2』を知っているファン以外には、初めて見るのがこの廉価版のパッケージとなり、“スパロボで有名になったから、逆輸入されて原作のパッケージにも使われた”という勘違いが起きたと思われる。
この二つの勘違いが重なって「ファイナルダンクーガは『α外伝』が初出で、その後に逆輸入でDVD-BOXのパッケージになった」となり、それが色々な人に伝わって行くうちに、様々な所で書かれて行くうちに定説となったのではないかと思われる。
また『COMPLETE BOX 2』と『α外伝』が絶妙に近い発売時期も記憶の齟齬に繋がった一因かもしれない。
設定について
「アニメの打ち切り、玩具の販売中止等によって、ストーリーが変更されて、本来ならロボットアニメ史上初のグレート合体をしていたはず」は、本記事でも書かれていて、色々な所でも書かれているので、これは定説となっている。
のだが、X(Twitter)の大張正己氏の過去に投稿したファイナルダンクーガに関するポスト(ツイート)では「DVD-BOXのジャケットを描く時に思い付きの捏造設定」や「(スーパーミニプラに対して)僕発案のファイナルダンクーガが公式立体化」等の発言をしている。
つまり“大張氏の思い付きで描かれるまでファイナルダンクーガの設定なんて無かった”となる、そうなると上記の「本来ならロボットアニメ史上初のグレート合体をしていたはず」関連の話がもし真実ならば、“なぜか大張氏は『超獣機神ダンクーガ』でメカニックデザインをしていたのにもかかわらずファイナルダンクーガの設定を知らなかった”という事になる…そこから考えれば、上記の話は「ファンによる憶測や噂話などの希望的観測が積み重なって形成された都市伝説」ではないか?と思われる、ただし、大張氏を含む関係者からの発言が無い限りは、あくまで推測の域を出ない。
カラーリングについて
実は『スーパーロボット大戦』に参戦しているファイナルダンクーガのブラックウイングは原作とカラーリングが違っている。
原作では、わりと派手なカラーリングだが、スパロボ仕様のファイナルダンクーガでは、ダンクーガと色合いを合わせて統一された落ち着いたカラーリングになっている。
全体は黒色、翼と尾翼は灰色、機首も灰色、が『α3』以降のスパロボ仕様のファイナルダンクーガの基本的なカラーリングになっている。
このカラーリングがあまりにマッチしているからか違和感を感じずにカラーリングが違う事に気が付かない人も一定数いる。
なので、後述の立体化したアイテムを見て「あれ?何かが違う?」と違和感を感じ、そこで初めてカラーリングが違う事に気付く人も多い。
『ギガブレイン』は、全体は黒色、翼と尾翼は灰色、機首も灰色、とほぼ完璧なスパロボ仕様のカラーリングになっている。
『超合金魂』は、原作カラーなので全てのカラーリングが違うので分かりやすい。
むしろ原作カラーなのでこれこそが正解のはず、なのだが、逆にスパロボ仕様とは一番カラーリングに齟齬があるという不思議な事が起こっている。
『千値練』のファイナルダンクーガ版は、全体は黒色、翼と尾翼は銀色に近い灰色、ただし機首が黒色になっているが、合体させると目立つのが機首よりも翼なので多くの人が想像するスパロボ仕様のイメージに近くなっている。
『スーパーミニプラ』は、全体は黒色になっているが、翼と尾翼は原作カラーの紺色になっている、しかし機首が灰色になっている、合体させると色違いの翼が目立ってしまうものの全体的に落ち着いた色合いになっているので統一感があり、違和感はそこまでないかもしれない。
立体化
ギガブレイン GIGA合金001 ファイナルダンクーガ
2006年にホームページにて1800個限定で販売され、2007年に発送された。
ダンクーガは合体分離はできなく単体で完成している、また以前に発売されていた物を改修している、ちなみにプロポーションはTV版ではなくOVA版なので佐野ってる。
超合金魂 GX-13R 超獣機神ダンクーガ(リニューアルバージョン)
2003年に超合金魂で発売された「GX-13」、当然ブラックウイングの発売とファイナルダンクーガへの合体を待ち望まれていた、のだが、一時はテストショットの記事なども出ていたが、結局は発売される事は無かった。
そして、2017年にリニューアル版「GX-13R」が発売され、再びブラックウイングが望まれるようになり、リニューアル版の発売から3年して、ようやくブラックウイングが発売される事になり待ち焦がれていたファイナルダンクーガへの合体がついに出来る事となる(正確には、発送は2021年1月なのでリニューアル版の発売から4年が経過する事になる)。
※合体対応はリニューアル版「GX-13R」のみで、残念ながら一部構造が違う初期版「GX-13」は合体が不可能である。
千値練 METAMOR-FORCE “BARI”ATION 超獣機神ダンクーガ ファイナルダンクーガ
元は別売りだったダンクーガとブラックウイングのセット商品。
カラーリングの変更のみならず関節の一部をダイキャストを採用したりキャノピーのクリアパーツ置き換えなど細かい変更がある。OVA版ウイングと断空光牙剣が付属、価格も個別時より抑えてのリリースとなる。
実は元々2機の合体機能は存在していたが非公式扱いとなっていたため、今回のセット売りがファイナルダンクーガ状態での公式発売となる。
スーパーミニプラ 超獣機神ダンクーガ ブラックカラーVer.
こちらは別売りのダンクーガとブラックウイングを購入してファイナルダンクーガへと合体が可能である。
最大の特徴は「ダンクーガ ブラックカラーVer.」という、いわゆるブラックバージョンで黒いダンクーガがある事。もちろんこちらもファイナルダンクーガへと合体可能であり、ブラックウイングそのものは通常カラーではあるが、普通のファイナルダンクーガとは違った「ファイナルダンクーガ ブラックカラーVer.」を楽しむ事が出来る。