ゴメスを倒せ!
ごめすをたおせ
概要
視聴率32.2%
登場怪獣
・古代怪獣ゴメス(ゴメテウス):哺乳類。獰猛で肉食の凶暴な生物。
・原始怪鳥リトラ(リトラリア):鳥類と爬虫類の中間生物。姿は優しく美しいのだか、するどいくちばしから「シトロネラアシッド」という強力な溶解液を出す。
ストーリー
北山トンネル工事現場
「ここは、東京と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場です。中では、たくさんの人が一刻も早くトンネルを完成させようと働いています。
今夜は、このトンネルの奥で起こったある事件をお伝えしましょう。」(ナレーター(石坂浩二))
第三工区のトンネル工事が着々と進む中、地中を掘り進む地底怪獣ゴメス。卵のような形状の岩塊を掘り当てるがそこへトンネル掘削にあたっていたショベルカーが穴を開け鉢合わせてしまう。
連絡を受けた係長の中村たちが現場に駆けつけると、救助された作業員が「恐ろしくでっかい怪物を見た!」としきりに叫ぶも、アル中の幻覚症状と一顧だにされなかった。そこへトンネルの中から正体不明の岩石が運ばれてきた。あの洞窟と何か関係があるのか?
2名の学者に洞窟と岩石の調査を依頼したのだが、正体を掴むことはできなかった。トンネル現場で取材中の毎日新報記者新田は、「トンネル内の洞窟」の件を編集部に報告。
毎日新報社
現場の状況がさっぱり読めない編集長関デスクに、毎日新報カメラマン江戸川由利子が「現場の写真を撮れば、一目瞭然!」と進言。愛用のカメラを持ち、星川航空のパイロット万城目淳と助手の戸川一平と共に、北山市から西に25km弾丸道路の第三工区へ向かった。
北山トンネル工事現場
万丈目 一平 由利子の三人が謎の岩石を調べていると、古代生物が大好きな少年ジローが話に入ってきた。すると、トンネルの中から不気味な物音が響く。万丈目と由利子はトンネルの洞窟と怪物を確認するためにトンネルの中へ進む。
二人がトンネルに入った後、ジローは金峰山に謎の岩石と巨大怪物が関連してることを思い出す。金峰山には大洞窟があり、トンネルの洞窟と何か関係があると推測。一平 新田 ジローは、ヘリで工事現場から70km離れている金峰山へ飛んだ。
トンネルの中の洞窟
トンネルの洞窟の奥に進む万丈目と由利子。蝙蝠の死骸を発見したその直後、大地震が二人を襲った。
金峰山
その頃、金峰山洞仙寺へやって来た一平達。寺の住職から裏山の洞窟から発見した古文書を閲覧。ジローは古文書に書かれている原始怪鳥リトラ「学名リトラリア」と古代怪獣ゴメス「学名ゴメテウス」との関連性に思い当たる。
もし、この洞窟と工事現場の洞窟が繋がっているとしたら、あの岩石の正体はリトラの蛹で、アル中の作業員がトンネルの奥で目撃した恐ろしくでっかい怪物は、ゴメスに間違いない。しかも、生きていたと確信する新田。
トンネルの中の洞窟
洞窟の奥へ入りすぎたため、道に迷ってしまった万丈目と由利子。万丈目が何かの音に気ついた時、地響きと共に岩が崩れ、二人の目の前にゴメスが姿を現した。
北山トンネル工事現場
慌てて事務所へ駆け込んだ一平達は、トンネルに発生した土砂崩れで万丈目と由利子が洞窟に閉じ込められ、中で凶暴なゴメスが暴れまわっていることを中村に伝える。中村と作業員達は、万丈目と由利子の救出作業のためトンネルの洞窟へ向かった。
自分の言うことを誰も信じてくれないジローがリトラの蛹に耳を当てると心臓の鼓動が聞こえてきた。ジローはリトラを蛹から孵すため、周りに焚き火で囲んで暖めようと考えた。ゴメスを倒すためには、リトラが戦ってもらうしかない。
トンネルの中の洞窟
執拗に追跡するゴメスから必死に逃げる万丈目と由利子。岩の裂け目がある洞窟内に身を隠すが、尚もゴメスは迫ってくる。万丈目は由利子のカメラを持ち、フラッシュの光でゴメスの目をくらませた。
北山トンネル工事現場
リトラの蛹が光り始め、動き始める。ジローと一平が見守る中、ついにリトラが蛹から孵ったのだ。
ジローがリトラに「ゴメスをやっつけてくれ!」と叫ぶ。
しかし、リトラは戦おうとはせず、山の頂へ飛び上がりそのまま動かなくなった。
トンネルの中の洞窟
ゴメスの咆哮を耳にするなか、トンネル入口の土砂崩れを必死に取り除き、洞窟内へ進入する中村と作業員達。洞窟の奥から万丈目と由利子と合流し、迫るゴメスから急いで逃げ出す。
北山トンネル工事現場
ジローがリトラに呼びかけるがいまだに行動はしてくれない。その時、万丈目達が洞窟から脱出する姿が見えた。全員が物陰へ避難した後、ゴメスが地上に現れた。
台車を投げ飛ばし、尻尾で小屋を崩して、工事現場を荒らしまわるゴメス。
ゴメスとリトラがお互いの存在に気がつき、古代怪獣同士の戦いが始まった。
リトラのするどいくちばしがゴメスを突き、ゴメスの尻尾がリトラに叩きつけ牙で噛み付ける。咆哮が響きわたる二匹の壮絶な戦いはつづく。
万丈目達が見つめるなか、ジローは「シトロネラアシッドを使うんだ!早く!」と叫んだ。激しい攻防戦の末、リトラはゴメスの右目を突き、怯んだ隙に上空へ飛ぶ。そして、くちばしからゴメスにめかけて、強力溶解液シトロネラアシッドを数発浴びせる。
自分の弱点であるシトロネラ酸を喰らったゴメスは暴れ狂ったのち、横転して息絶えた。
古代怪獣ゴメスは倒されたのである。
リトラの勝利に喜ぶジロー。だが、その直後、リトラも命を落とし、ゴメスの亡骸に覆いかぶさる。シトロネラアシッドは自身の命を削る最後の武器でもあった。
後日。北山トンネルは無事に完成。ジローは入口付近に、勇敢に戦った原始怪鳥リトラの墓を立てた。
「東海弾丸道路の北山トンネルを抜けると、小さな墓標が立っています。それはジロー君が立てた勇敢なリトラの墓なのです。」(ナレーター)
この事件をきっかけに、万丈目淳、戸川一平、江戸川由利子の三人は、怪獣、宇宙人、怪人が起こす不可思議な怪事件に巻き込まれていくのであった・・・。
終