概要
NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)ウェスタン・カンファレンスのチーム。愛称はYotes(ヨーティーズ)。
2021-22シーズンからセントラルディヴィジョンの所属となっている。
2022年後半から2024年前半までアメリカのアリゾナ州テンピに在るマレット・アリーナ(アリゾナ州立大学の屋内アリーナ)を暫定的な本拠地として使用した。
創設時はカナダのマニトバ州ウィニペグを本拠地として『ウィニペグ・ジェッツ』を名乗っていたが、現在の同名チームと繋がりは無い(初代ジェッツの歴史はコヨーテズに繋がっている)。
歴史
創設~初代ウィニペグ・ジェッツ
1972年に初代ウィニペグ・ジェッツとして創設され、NHLに対抗するリーグとして設立されたWHA(ワールド・ホッケー・アソシエーション)に加盟した。
WHA時代はアヴコカップ(NHLのスタンレーカップに相当)の決勝戦に5回出場し、3度優勝した。出場回数・優勝回数ともにWHA最多であった。
1979年を以てWHAは活動を停止し、NHLに吸収される形で統合され、チームはエドモントン・オイラーズ、ニューイングランド・ホエーラーズ(現:カロライナ・ハリケーンズ)、ケベック・ノルディックス(現:コロラド・アバランチ)の3球団と共にNHLへ参入した。
NHL加盟後、アリゾナへ移転する迄にディヴィジョン優勝は無かったが、17シーズンのうち11シーズンでプレイオフへ進出した。しかし初戦突破は2回だけであり、どちらも第2ラウンドでオイラーズに敗れている。
フェニックス・コヨーテズ
1996年、市場規模の大きい本拠地を求めて当時のNHLの本拠地で最小規模の都市圏だったウィニペグからの移転を計画。ノーススターズを失ってNHLの空白地域となっていたミネソタ州(マニトバ州の南隣に位置する)が有力な移転先と見られていたが、チームはアリゾナ州を新たな本拠地として『フェニックス・コヨーテズ』になった。
当時の本拠地であったアメリカ・ウェスト・アリーナの使用料金で不利な契約をしていたことで球団の経済的損失はホームアリーナを変更した後も解消出来ない額に膨れ上がり、2008年にはNHL機構が球団の支払いを肩代わりしていることが明るみに出てしまう。結局、球団は2009年にはNHL機構の運営下に入り負債も機構が背負うことになった。
アリゾナ・コヨーテズ
球団をウィニペグへ戻そうとするグループや、ワシントン州シアトルへ移転させようとするグループが球団の買い取りに名乗りを挙げたが、負債の回収を求めるグレンデール市が移転させないことを条件として譲らなかったことから何れも決裂した(なお、現在ウィニペグとシアトルにはそれぞれ他のチームが本拠地を置いている)。
2013年、漸く新たなオーナーが決まり球団は売却され、2014年からは現在の『アリゾナ・コヨーテズ』に改名した。
2019-20シーズンまではパシフィックディヴィジョンに属していたが、COVID-19の感染拡大対策で2020-21シーズンは西地区(ホンダ・ウェスト)に割り振られ、2021-22シーズンからはシアトル・クラーケンの参入による地区割り再編でセントラルディヴィジョンへ編入された。
2022年に当時のホームだったグレンデールのヒラリバー・アリーナ(後のデザートダイアモンド・アリーナ)との使用契約交渉が決裂した後、州内のテンピ若しくはメサに新たなホームアリーナの建設を計画して、同市内に在るマレット・アリーナ(アリゾナ州立大学の多目的アリーナ)を暫定本拠地として活動していたが、これらの建設計画が何れも否決されたため、2023-24シーズン終了後にチームは売却されユタ州ソルトレイクシティへ移転することになった。
但し『アリゾナ・コヨーテズ』としての歴史と記録は将来(2029年までに)アリゾナ州に創設されるであろうチームへ受け継がれるものとしており、ユタ州のチームは新球団創設扱いとなる。
1979年のNHL参入以来45年間スタンレーカップファイナルへ進出することは遂に無く、決勝戦未進出のチームの中では最長ワーストとなっている。
アリゾナへ時代の地区優勝は1回。
チーム名変遷
- ウィニペグ・ジェッツ (1972-1996)
- フェニックス・コヨーテズ (1996-2014)
- アリゾナ・コヨーテズ (2014-2024)
永久欠番
19 シェーン・ドーン
99 ウェイン・グレツキー(NHL全球団共通の永久欠番)※
※グレツキーは選手としての在籍は無いが、2005年から4シーズンの間コヨーテズでヘッドコーチを務めた。
関連項目
アリゾナ州を本拠地にしているチーム
- コロラド・アバランチ(NHL、元ケベック・ノルディックス)
- メンフィス・グリズリーズ(NBA、元バンクーバー・グリズリーズ)
- ワシントン・ナショナルズ(MLB、元モントリオール・エクスポズ)