概要
気管支が些細な刺激、ストレスに耐えられず、発作によって気管支に違和感が生じ呼吸がしにくくなる事。
アレルギーなどで、気管支に慢性的な炎症が起こることで発症するとされる。炎症により過敏になった気管支が腫れ上がったり、痰を分泌して呼吸をしようと喉の筋肉が収縮することで気管支が狭くなったりして発作が起こる。
病因は複雑かつ難解で、個人差も大きく解明されていない部分も大きい。症状の強さも時期により異なるケースも多い。
タバコ、花火や工場のばい煙、ハウスダストやダニなどのアレルゲンが引き金になる者も多く、IgE型の免疫不全症説もある。また、風邪(上気道感染症)などの感染症や、激しい運動による息切れ、季節や天候の変化の影響もある。
農村部などで行われる野焼きも大いに影響すると考えられており、実際に秋田県では野焼きの時期に喘息患者が増加するという調査結果が存在する。
症状
発作が起こると、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音で表現される喘鳴が呼吸のたびに鳴る人がほとんどである。咳喘息のように、咳だけが続き喘鳴は出ないという人もいる。
喘鳴に加え、咳や痰、喉や胸の痛み、息切れ(呼吸困難)、背中の張りや腹筋の痛み、動悸などの症状が起こる。
発作が重症化すると酸素を体に取り入れることができなくなり、最悪死に至る。
発作が起こっているとき、背中を丸めて床に手をついた状態(ちょうどorzやOTLのようなポーズ)をとっていると息がしやすいという人もいる。実際には腕や膝に負担がかかるため、椅子に座って机の上にうつ伏せになったり、頭を高くして座るような形で仰向けに寝たりといった姿勢が推奨される。
治療など
喘息は「コントロール」という部分が重視されており、季節や環境の変化でいかに症状を抑え、日常生活を普通に送っていくための(長期的な)治療が行われている。
治療にあたっては、ステロイドのような炎症を抑える薬が使われることが多い。ただし、ステロイドは非常に有効な一方で、適切な管理がなされなければ有害な副作用が発生するため、十分に注意した上で用いられる。
これに加え、特に発作時には気管支拡張剤が用いられる。
また、発作の原因となるアレルギーを抑える抗アレルギー剤や、痰を切って呼吸をしやすくさせる去痰剤、咳を抑える、痰を切る作用がある漢方薬などが用いられる。
かつては「甘やかされて育ったからだ」などという迷信や偏見に晒されることも多く、「水泳をすれば治る」などとも言われていたがこれも個人差が非常に大きいので素人判断は禁物である。
他の紛らわしい病気と間違えないためにも、専門の医者に判断を仰ぐべきである。
また、小児喘息の印象が強いためか「成人はかからない」と思っている人も少なくない。実際には成人しても発症する可能性は十分にあり、小児喘息が成人喘息に移行することもままある。小児喘息の中にもごく小さい時期に発症し、完治した人もいれば、10歳以上になって発症し、完治しないまま成人喘息に移行する人もいる。
適切なケアを続ければ仕事や学業と両立することも可能で、スポーツ選手の中にもこの病と付き合いながら実績を出している者も少なくない。
しかし、後述の紅音ほたるのように発作が原因で命を落とした有名人もおり、インフルエンザやCOVID-19など他の呼吸器系感染症と重なると、普通の(喘息でない)人以上に症状が悪化する危険性がある。著名人でも広田レオナが肺がん罹患後にCOVID-19に罹患したため喘息がひどくなったことを明かしている。
決して楽観視はできない病である。
喘息患者であることを公表している著名人
- 乙葉
- 小林よしのり
- 高山善廣
- 羽生結弦
- 藤川球児
- 吉田拓郎
- 竹内択
- 島崎遥香
- 辻希美 長女と長男も喘息患者であることを公表している。
- 紅音ほたる (2016年に急性喘息発作で死去)
- 清水宏保
- チェ・ゲバラ
- 糸井重里
- 加藤浩次 めちゃイケでは「喘息持ちの狂犬」のキャッチコピーが付けられていた
- 長谷川初範
- 森川智之 小児時代の喘息が40代になり再発したと語っている
- 広田レオナコロナ後遺症により喘息が悪化。
- 竹中雄大(Novelbright)
- テレサ・テン (1995年に気管支喘息発作で死去)
喘息のキャラクター
- 芥川龍之介(文豪ストレイドッグス)
- 旭那由多(from_Argonavis)
- 佐々木杏奈(思い出のマーニー)
- シエル・ファントムハイヴ(黒執事)
- ニンテン(MOTHER)
- パチュリー・ノーレッジ(東方紅魔郷)
- 海凪小春(スローループ)