原作
英国のジョーン・ロビンソン作の児童文学作品で、英語での原題は『When Marnie Was There』。
1967年にコリンズ社より出版。
ピクシブ及び現在の日本ではこれを原作としたスタジオジブリ制作のアニメ映画版の知名度が高く、本項では後者を中心に取り上げる。
アニメ映画版
2014年7月19日公開。
監督は米林宏昌。
キャッチコピーは、「あなたのことが、大すき。」
最大の特徴として舞台を現代日本の北海道に変更しており、作中で札幌市と道東地方が登場する。
原作のアンナに該当するヒロインは日本人の佐々木杏奈となり、マーニーも日本語の堪能なハーフという設定になっている。
背景資料の取材は札幌市、釧路市、根室市、厚岸町、浜中町などで行われ、冒頭で杏奈はJR北海道の特急スーパーおおぞら号と根室本線の普通列車に乗車している。
また北海道出身の有名タレントで、ジブリやその関係者の過去作にも出演していたなどの縁もあった演劇ユニット(ミニ劇団)「TEAM NACS」のメンバー全員が出演している。
ストーリー
(※一部ネタバレ注意)
札幌市に住む中学生の杏奈は乳幼児期に両親と祖母を相次いで亡くしており、里親として自分を引き取ってくれた養父母と仲良く暮らしていたがある事をきっかけに一方的なわだかまりを作ってしまう。
さらに持病である喘息が悪化した事をきっかけに、夏休みの間は道東に住む養母頼子の親戚の家で静養する事になった。
滞在地の集落には「湿っ地屋敷」と呼ばれる空家となった古い豪邸があり、その屋敷に杏奈は不思議な直感を抱く。
その直後に住人だと名乗るマーニーという少女と出会い、杏奈はつかの間の摩訶不思議な時空の世界の中に置かれるがその交流を楽しむようになっていった。
しかしある頃から境にマーニーに会えない日々が続くようになり、杏奈は彼女と自分にかかわる重大な秘密に気づき始める。
主な登場人物
(CV:高月彩良)
(CV:有村架純)
(CV:松嶋菜々子)
杏奈の養母で、現在夫は長期の出張中。
セツからも注意されるほどの心配性で、里子である杏奈の養育に関する自治体からの給付金を受けている事を知った彼女が急にふさぎ込むようになったとして気に病んでいる。
(CV:寺島進)
怪談好きのお茶目な性格で、十一を高く評価する理解者の一人。
(CV:根岸季衣)
頼子の親戚で、おおらかな肝っ玉母さんタイプの主婦。
娘はすでに独立して東京都に移住した事もあって、夫と共に杏奈をあたたかく迎え入れる。
(CV:杉咲花)
杏奈の静養滞在の後半に、家族と共に東京都から湿っ地屋敷に引っ越してきた年下の少女。
赤い眼鏡が特徴的で、好奇心旺盛。
屋敷で見つけたマーニーの痕跡をきっかけに杏奈と親しい友人同士となる。
武
(CV:石井マーク)
彩香の兄。
(CV:頼経明子)
しっかり者で集落の子供達のリーダー格。
山下医師
(CV:大泉洋)
杏奈の主治医。
彼女の喘息と心のケアを兼ねて空気が澄んだ地域での静養を頼子に薦める。
美術教師
(CV:森崎博之)
杏奈の中学校の教師。
冒頭で校外での絵を描く授業を引率していた。
十一
(CV:安田顕)
滞在先の集落に住む白髭を蓄えた老人で、よく入江でボートを漕いでは釣りをしている。
強面でほとんど喋らないがアイコンタクトやジェスチャーで受け答えをし、満潮に取り残された杏奈を送迎するなど親切な人物である。
実は湿っ地屋敷のマーニーの事も知っていた。
紳士
(CV:戸次重幸)
マーニーの父親で湿っ地屋敷の主である欧米人男性。
マーニーの話によると普段は仕事で帰って来ない日が多い模様。
実は杏奈にとっても関係の深い人物であった。
町内会役員
(CV:音尾琢真)
子供達の清掃活動を指導。
その後マーニーとの交流後で道端に倒れていた杏奈を保護し、大岩家まで車で送り届けた。
マーニーの母親
(CV:甲斐田裕子)
モダンできらびやかな日本人女性。
夫と同じく杏奈とも関係の深い人物であった。
ばあや
(CV:吉行和子)
湿っ地屋敷の老家政婦。
厳格で、時にはマーニーを手荒く世話をしていた。
和彦
(CV:平野潤也)
マーニーの幼馴染。
後半で杏奈は彼女との会話から、彩香は残されていた彼女の日記からその名が増えていく事に気づいていく。
終盤で杏奈にとっても関係深い人物である事が明かされた。
久子
(CV:黒木瞳)
「湿っ地屋敷が好き」だと話す地元の老婦人で、絵描きという共通の趣味で杏奈と親しくなる。
実はマーニーをよく知る人物であった。
(CV:森山良子)
久子が杏奈と彩香に語った昔の話に登場。
その正体は杏奈が度々夢の中で部分的に回想する、ある人物本人であった。
主題歌
『Fine On The Outside』
歌:プリシラ・アーン
関連イラスト
外部リンク
岩波少年文庫版日本語訳
角川書店版日本語訳
新潮文庫版日本語訳
アニメ映画