「人間はみんなライダーなんだよ!」
「一度ライダーになった者は、ライダーとしての宿命を負う。逃げる事は出来ない!」
演:黒田アーサー
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダー龍騎』本編には登場せず、TVSP『13RIDERS』のみに登場するキャラクターでTVSPにおけるメインヴィラン。
仮面ライダーベルデに変身する。38歳。
巨大企業・高見沢グループの総帥を務め、何の不自由もない生活をしていたが、それだけでは飽き足らず(実際に自分の会社なのに「こんなもんはな、屁みてえなもんだ」とまで言いきった)、もっと大きな力を手に入れる事に拘っている野心家。
人物
温厚な紳士に見えるが、その本性は他の参加者に漏れず狡猾で残忍、一緒に戦う協力を持ち掛けた城戸真司に対して「ガキ」と罵倒し、椅子に足をかけて脅迫するなどかなり横暴な人物。
一方で計算高い一面もあり、「人間はみんなライダーなんだよ」「生きるって事は他人を蹴落とす事なんだ」と発言する等、ライダーバトルの本質を見抜いていた。
また、本来敵同士である他のライダー達を纏め上げ、リーダーの様な振る舞いをしていた事からカリスマ性もあると推測出来る(まぁ、巨大企業の総帥ともなれば当たり前か)。
仮面ライダーの超人的な「力」しか見えておらず、その力だけを求め、ライダーバトルに身を投じている。何気にライダーバトルに参加して仮面ライダーという強大な力を手に入れる事が出来た、最初に願いが叶った人物でもある。
活躍
物語の開始前からライダーバトルに身を投じており、榊原耕一の遺したメモからライダーたちの協力を持ちかけようとした真司と初邂逅。
当初は暖かく出迎えるが、戦いを望まない真司の信念を知るや否や「おいコラガキ!」と一喝。先述の自分の理想を語るとマイクを投げつけ真司を脅迫し、部屋からつまみ出す。
その後もライダー同士の戦いを望まない手塚を[コピーベント]でナイトに扮して奇襲を仕掛け、彼を殺害する。
自らの更なる力を得る願いを成就する為に生き残ったライダーたちを集め、その障害となりうる城戸真司を秋山蓮に殺させようとするが、蓮が真司の殺害を躊躇った事で失敗し真司共々命を狙うべく追い回す。
強さを侮り、力に染まったカメレオン
ライダー軍団を引き連れてコアミラーのある地下駐車場まで2人を追い込むと、今度はライダーと戦う龍騎の隙をついてファイナルベントを繰り出す。しかしそれに気づいたナイトが龍騎を庇った事で失敗。
何とか彼に致命傷を負わせるが即死させるには至っておらず、致命傷を負いながらも反撃してきたナイトのファイナルベントで返り討ちにされて死亡した。
本来であれば彼の持つクリアーベントのカードで姿を消すなど逃亡には有利な局面にあったはずだが、反撃した蓮を侮っていたのかカードも使わず真っ先に逃げ出している様子から、まさに仮面ライダーの力しか見えておらず、蓮の「真司を守ろうとした人としての強さ」を全く見ていなかったが為の皮肉な最期と言える。
彼の場合は物語の分岐前に死亡するためどちらの選択を選んでも死亡することには変わりないが「戦いを止める」選択をした場合、日常に戻った真司が終わらない戦いと彼の言葉を思い出して発狂するというある意味では後味の悪い結果に一役買っている。
その他作品
TV版
ベルデも高見沢も登場しない。
ベルデ、ファム、リュウガは龍騎達とは別のところで散っていったライダーとされている。劇中に登場していない為、これ等のライダーの変身者は不明。
また、佐野商事の会議室の内装が高見沢の会社の会議室の内装と酷似しているが関連性は不明。
劇場版
DC版でのみ冒頭で、ベルデは既に脱落している事が示唆されている。どういった末路を迎えたのかは不明。
変身者が高見沢なのかどうかも不明。
漫画版
13RIDERSのコミカライズ版では終始落ち着いた雰囲気であり、テレビ版程荒っぽくない。
戦う場合はテレビ同様ナイトの飛翔斬を受け死亡するが、戦わない場合は生存しコアミラーの崩壊に巻き込まれ消滅。
ライダーもモンスターもいない世界では退屈そうに仕事の予定をこなしていたが、極僅かながらライダー関連の記憶が朧げに残っているのか、どこか意味深な顔ですれ違った真司の姿を見ていた。
余談
高見沢を演じた黒田アーサー氏はベルデのデザインを非常に気に入り、「深夜でも良いから高見沢を主役にしたドラマを製作してくれないか」とプロデューサーに持ちかけたらしい事をインタビューで語っている。また、黒田氏は変身ポーズの際のVバックルにデッキを装填するというシーンをリハーサルと本番全て1回で成功させた(通称「ホールインワン」)。カットを割らずに成功させたのは他にもTVシリーズ最後の変身シーンでホールインワンさせた城戸真司役の須賀貴匡氏がいるが、全ての変身でホールインワンに成功しているのは黒田アーサー氏が唯一である。
尚、この変身時には、デッキを装填後多くの龍騎系ライダーが腰の位置で両手を握り拳にして構える姿勢を取るのに対して、高見沢のみ手を開いた状態(クウガのそれに近い)で構えている。
漫画版では原作よりは落ち着いた人物でクールに振る舞っている。
「人間はみんなライダーなんだよ!」という台詞はとあるライダー映画で本当に実現してしまった。
上記の台詞を放つ真司に対しての説教シーン(in会社の会議室)は、途中で卓上マイクからワイヤレスマイクに持ち替えてゆっくり歩きながら語る、途中には無駄にどアップなアングルがある、最後にはマイクを思いっきり放り投げる、真司のマイクがずっとノイズが入るといった具合に、シリアスながら側から見れば腹筋にダメージが入る様なシーンに仕上がっている。もう内容が入ってこない。
関連タグ
令和ライダー:多くの登場人物がライダーになる為、上記の台詞が実現した。
現代社会:人はみな心に仮面をし偽り、世間の荒波に乗る。という、まさに高見沢の哲学そのものが反映された現実世界。
女の子は誰でもプリキュアになれる:似て非なる哲学。
浮世英寿/仮面ライダーギーツ:変身時にフィンガースナップをする仮面ライダーの後輩。こちらは主人公。