「私は6年前 “偉大なる航路”のジャヤという島で 巨大な黄金都市を見た 黄金郷は存在する」
「お前達の古い戒律こそ悪霊じゃないのか!!!! そんなに神が恐いのか!!!!」
「……また来てもいいのか…? …戻るとも… …必ず戻る!!! またいつか 必ず会おう!!!!」
概要
本編の約400年前に生きていた人物で、空島編のキーワードとなった「うそつきノーランド」その人にしてモンブラン・クリケットの先祖。北の海・ルブニール王国出身。
本職は植物学者だが、ルブニール王国の探検船提督として幾度も偉大なる航路へ繰り出し、度重なる困難を乗り越えてきた冒険家であり、その活躍ぶりは「うそつきノーランド」にも「彼が語るのは嘘か本当か分からないような大冒険の話」と書かれている。
プロフィール
本名 | モンブラン・ノーランド |
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通称 | うそつきノーランド (没後) |
年齢 | 享年39歳 |
身長 | 220cm |
所属 | ルブニール王国探検船提督 |
所属船 | ノースハイム号 |
出身地 | 北の海 ルブニール王国 |
誕生日 | 10月9日 (提督=10,9) |
星座 | てんびん座 |
血液型 | S型 |
好物 | モンブラン、カボチャのケーキ |
初登場 | 単行本31巻 第286話『シャンドラの魔物』 |
CV | 大塚芳忠 |
人物
人相
丸刈りに近い短髪、大きな鼻にパッチリした目つき、粗いあごひげ……と、(400年分の世代差もあるのか)あまり子孫とは似ていないが、なぜか頭のてっぺんに立派な栗がついているという特徴はクリケットにも受け継がれている。
性格
非常に道徳的かつ礼儀正しく、部下や国の者から慕われていた。
後述の経緯から、現在に至るまで「うそつきノーランド」と呼ばれ、絵本にも「死ぬまでウソをつくことをやめなかった」と書かれているが、むしろ類い稀な正直者であったという。
宗教を否定するわけではないが、偉大な“進歩”を否定してまで無意味に人の命を失うような事態は看過できず、その性格によってシャンディアが"神"と崇める大蛇を殺し、彼らと初期は対立していた。
戦闘能力
穏やかな雰囲気の人物ながら、海王類や数十m級の大蛇を一刀のもとに斬り殺し、歴戦の戦士であるカルガラとも互角に剣を交えるなどかなりの腕前。胸にあるバツ字の傷跡もそれを窺わせる。
またかなりのタフガイでもあったようで、大きな地割れに飲み込まれていても意識を保っているどころか、地盤ごと大地を動かしたほど。
活躍
約400年前、ノーランドらが遠方の地ジャヤにたどり着いた時、そこでは「樹熱」と呼ばれる奇病が流行っていた。
そこに住む部族シャンディアは神に奇病の蔓延を抑えてもらうために儀式を行っていたが、その供物が人間であることに納得できないノーランドは彼らの宗教儀式に乱入し、シャンディアが神と信じる大蛇を殺す。一触即発の状況に思われたが、酋長(アニメ版では村長)が彼の真剣さを見抜き、奇病を治すための一日の猶予を与えた。
そこで数々のトラブルに見舞われながらも、蔓延していた疫病「樹熱」を食い止め、シャンディアの戦士カルガラと親友となる。
共に宴をし、狩りをし、夕日を見ながら酒を酌み交わす。それどころか、カルガラは一人娘のムースを嫁にやってもいいと言うほどに心を開いていた(ノーランドは妻子ある身だったことから断っているが、彼の子供もムースと同年代らしい)。
しかしノーランドたちが、シャンディアの祖先の魂が宿るとされる神木「身縒木」を切り倒したことで状況は一変。祖霊信仰が強く、先祖を神のように考えるシャンディアは自分たちの思いや歴史を踏みにじるノーランドの蛮行を、樹熱を癒した功績のために不問に付し責めもしなかったが、許すことはできず冷たく当たるようになり、親友であったはずのカルガラも顔を合わせれば殺してしまうとして接触を避けるようになった。
ノーランドたちはこの変化に戸惑ったが、カルガラの娘ムースから理由を聞かされ納得し、遺跡シャンドラから持ち出すことを許可されていた黄金や財宝のすべてを置いて出航することを決める。
出航の間際、カルガラたちはムースからノーランドらが神木を切り倒した理由が植物にまで感染する樹熱を止めるためのやむを得ない予防措置であったことを聞かされる。カルガラは黄金の鐘を鳴らして海岸へと走り、出航していくノーランドらと再会の約束を交わした。
その後、故郷に戻ったノーランドは、その旅で訪れたジャヤの話を国王に報告する。
「黄金郷」の話に目がくらんだ時の国王アルユータヤン五世は、兵団とノーランドを引き連れ、共にジャヤに渡ることにを決める。ノーランドは、航海に慣れた部下達を故郷に残し、航海とは無縁であった国王やその軍を率いれてジャヤに向かうという厳しい旅を見事にやり遂げた。
5年の歳月を経て、再びジャヤへ上陸したノーランドだったが、そこにいたはずのカルガラたちはおろか、国王の目当てであった黄金郷すらも姿を消していた。
当時のノーランドらが知る由もなかったが、ジャヤの島のうち、シャンディアの住まう村や黄金郷シャンドラを含む半分以上が「突き上げる海流(ノックアップ・ストリーム)」によって空に打ち上げられてしまっていたからである。
国王は激怒し、ノーランドを虚言の罪で逮捕。国に帰るなり彼の公開処刑を決行した。
処刑当日には、ノーランドの部下を偽る者が証言台に立ち、彼の航海の話がすべて「嘘だった」と断言。部下たちの必死の弁護の声もむなしく、国民は完全にその言葉を信じ込み、ノーランドに「うそつき」と罵声を浴びせる。ノーランドは、消えてしまったシャンディアや親友カルガラの身を案じながら、無念のうちに処刑された。
死後
以後、彼の一族は同じく“うそつき”の烙印を押され国を追われることになるが、それでも類まれな正直者であったノーランドを憎む者はいなかった。彼の無実を証明しようと探索に旅立った者もいたがことごとく消息を絶ったという。
本編の時代のシャンディア達の間でも、死病から部族を救ってくれた英雄という認識は変わっておらず、むしろ彼が“うそつき”と呼ばれてなおシャンディアの故郷、黄金郷シャンドラの存在を否定することなく処刑されたその勇姿が北の海の船乗りにより伝えられたことで、さらにノーランドへの尊敬は高まっている。それゆえカルガラとノーランド、再会が叶わなかった彼らの無念を晴らす事がシャンディア達の闘う理由の一つである。
彼の子孫モンブラン・クリケットもまた、他のモンブラン一族と同じくノーランドの存在により、幼いころからあざ笑われ虐げられる環境に置かれた。それに反発して海に出て海賊となったが、いつしか「うそつきノーランド」で黄金郷があったとされたジャヤへとたどり着いた。クリケットはそのとき船長だったが、ノーランドの言葉の真偽を確かめるべく船を降りてジャヤにとどまり、黄金郷があると考えられる海底捜索に体を壊してしまうほど打ち込んだ。
クリケットと邂逅しジャヤの伝説を聞いたロビンは、空島スカイピアに住むカルガラの子孫ワイパーにその事実を伝えた。
「先祖の名は ノーランドか」
ルフィの助けもあって、ワイパーはカルガラが果たせたなかった無念、約束の鐘を鳴らすことに成功。
その鐘の音はノーランドの子孫であるクリケットに確かに届き、数百年越しに鐘の音に託された思いは成就することとなった。
「おれ達は ここにいる」
余談
英雄
ノーランドは生前、ドレスローザのグリーンビットにあるトンタッタ王国にも訪れており、当時悪辣な密猟者達に島を荒らされていた彼らを助けている。その為、トンタッタ族からはヒーローとして讃えられ、銅像が建てられている。
銅像を見たウソップは彼らの警戒を解くために「自分はノーランドの子孫で、仲間達はヒーローチーム『ウソランダーズ』のメンバー」だとごまかしていた。
ウソップ→「ウソランド」
ニコ・ロビン→「ロビランド」
ルフィ→「ルフィランド」
ロロノア・ゾロ→「ゾロランド」
ナミ→「ナミランド」
サンジ→「サンランド」
トニートニー・チョッパー→「チョパランド」
フランキー→「フラランド」
ブルック→「ホネランド」
カボチャの伝道師
植物学者としての知識を活かし、探検の道中立ち寄った島で仲良くなった人々には、生育条件が島の環境に合致する有用な植物をプレゼントとして種付けしていた。
その代表格がシャンディアに伝来したカボチャ。これはトンタッタ族から教えてもらったもので、それが後に空島に伝来してガン・フォールの好物となった。
もし黄金郷が空に行かなかったら
作中では「突き上げる海流」により黄金郷は空に行ってしまい、ノーランドは嘘つき呼ばわりされ、カルガラとも再会できない結末となった。
しかし、黄金郷がそのままあった場合、同行していた国王アルユータヤン五世が黄金を奪うために何をしでかすか分かったものではなく、仲違いすることになったかも知れない。
※コミック未収録のネタバレ注意
第1115話にて、赤い土の大陸以外の大陸が空白の100年の間に沈んでしまった事が判明し、ワンピース世界では一部の地域が海に沈んでしまう事が起こり得る事が明らかになった。また国王を怒らせたとはいえ、彼の主張を頭から信じず、偽の船員まで用意して彼を処刑する流れはかなり性急かつ不自然であり、国王より上に立つ存在の意向が働いた疑いが強くなった。