概要
説明書とエンディングのみに登場。前作のゼルダ姫とは別人である。
大昔の時代。
初代は亡き父王から勇気のトライフォースの在り処を知らされていたが誰にも話そうとしなかった。王位を継いだ王子(兄)にも黙っていたため怒りを買い、鞭を振るわれたり、王子の側近の魔術師から「永遠に眠り続ける魔法をかけるぞ」と脅されてしまう。それでも頑として口を割らなかった。
その態度にしびれを切らせた魔術師は本当に魔法をかけようとする。王子は止めようとしたが魔術師に弾き飛ばされ、こうして初代は長い眠りにつくこととなった。魔術師も魔法の発動と引き換えに絶命してしまった。
自分の行いを後悔した王子は嘆き悲しみ、この悲劇を忘れぬようにと歴代の姫には『ゼルダ』という名前を付ける習わしとした。
その後、初代が眠りについた部屋(北の城)は開かずの間とされ、王家に代々仕えるインパの一族によって密かに管理されて来た。この伝承がゼルダの伝説である。
説明書にもある通り、この時代には「トライフォースを扱える才能」「優れた人格者」という資格を持つ者がおらず、当時の王は悪の手にトライフォースが渡ることを恐れ勇気の分だけ大神殿に秘匿したというのが真相。
リンクは左手の甲にアザができた際、これらの事情をインパから聞かされる(アザを持ったリンクこそ勇気のトライフォースを手にできる資格を持つと言い伝えられたため。なお、アザが出来た理由は、当時の王がハイラル全土に掛けた魔法の影響)。
伝承通りアザを持ったリンクは古文書の内容を解読し、かつて王が秘匿した「勇気のトライフォース」を得る冒険に出る。
リンクは守護者たちを倒し、最後の試練として立ちはだかった自分自身にも打ち勝ったことで勇気のトライフォースを手にする。
完全な形となったトライフォースの力により、初代は目覚めの時を迎えるのだった。
エンディングでは幕が下ろされた後、その向こう側でリンクにキスを示唆するシーンがあるなどゼルダ姫の中でも珍しい描写がされている(リンクとゼルダ姫はあまり恋愛関係にはならない)。
ちなみに設定上、初代ゼルダの伝説とリンクの冒険は同一世界であり、ゼルダ姫も前作でガノンから救出したゼルダ姫がいるはずなのだが、ややこしくなる為かこちらは本作には登場していない。
ちなみに当代ゼルダ姫との血縁は不明。説明書に描かれた初代ゼルダ姫は少女なので子を成しているとは考え難く、直系ではない可能性がある。
メディアミックスでは
当時発売されたメディアミックスでは多数の独自設定が施されている。
しかしながらやはり初代『ゼルダの伝説』のゼルダ姫の方がヒロインに据えられていることが多く、初代ゼルダは登場せず当代ゼルダがメインを張ることが多かった。
新・ゼルダの伝説
本編よりはるか昔を描いたゲームブック漫画。トゥルーエンドでは本作のゼルダ姫の本名が「初代ハイラル王女ゼルダI世」と判明する。“インパ”が王家に仕えるようになった経緯やトライフォースを手にする経緯が描かれている。
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魔界からの逆襲(ゲームブック)
ガノンが魔界の支配者として君臨していた過去の世界のハイラルが舞台。リンクと当代ゼルダ(5代目)は、ガノンの怨念によってこの時代に引き寄せられてしまう。初代は存在が示唆されているが登場はしない。
エピローグではハイラル王(兄)が「妹のゼルダは理由があって出て来れない」とリンクと当代ゼルダに言うが、リンクから「初代ゼルダはいずれ目を覚ます」と言われポカンとしていた(どうやらリンクの冒険の後日談のようだ)。
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漫画版リンクの冒険(乱丸)
数百年前、魔法使いによって永遠の眠りにつかされてしまった美少女。城の地下室にて眠りについている。ただし王子(兄)は妹の尋問には反対しており、魔法使いが勝手にやったとされている。
魔法使いは初代ゼルダを眠らせたものの死亡しておらず、なんとガノンを使役していた真の黒幕として登場する。
最終盤ではリンクが集めた三つのトライフォースによって目覚めの時を迎え、なぜかリンクを見るなり「お兄様」と呼んでいたがすぐに間違いに気づいた。この際、リンクの仲間のビリーから一目惚れされたようだ。
直後にガノンが襲来してトライフォースを奪われてしまい、リンクはガノンと空を舞台に最後の戦いを繰り広げる。そこへガノン配下の魔物たちがビリーと初代ゼルダに襲い掛かるが、ビリーの奮闘により援軍が来るまで持ち堪えられた。
ガノンが倒れた後は城に迎えられたが、本当にハイラルを愛して守ったのは当代ゼルダだと独白した(当代ゼルダは魔法使いの配下たちに殺されてしまったが、死後も彼女の遺志がリンクを助けていたと思われる描写がある)。
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漫画版リンクの冒険(しごと大介&みなづき由宇)
初代ゼルダがメインヒロインとして登場した数少ない作品。当時の王が掛けた魔法によって精神が実体化しているようで、リンクに様々なアドバイスをして導いてくれる。
第1巻はしごとが作画したが病欠のため、2巻と3巻(最終巻)はみなづき由宇が担当した。
しごと版は美女として描かれているが顔芸が凄まじい暴君になっている。たまに出て来ると言って凄まじい頻度で登場した。リンクを無理やり戦わせたりもしたが、体力がなくなった時は頬にキスをして回復させるなど好意も窺える。
みなづき版は美少女として描かれ、可愛らしい雰囲気だがちゃっかりしていてやや腹黒い。こちらは本当に出番が減ってしまった。
エンディングでは当代ゼルダと一緒に「あたしがリンクと結婚するんです!」とリンクの腕を引いて取り合っていた。
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漫画版リンクの冒険(未将崎雄)
太い眉をした妙齢の美女。常に敬語でおっとりしているように見えるが実は気も押しも強い。本作ではトライフォースを生み出した存在とされている(今で言う女神ハイリアのポジションが近い)。当代ゼルダ姫は彼女の直系の子孫に当たる。
400年前にガノンと戦い、魔界の大神殿に封印する。封印術を維持するために肉体をその場に残し、魂を力と知恵のトライフォースに移植した。更に2つのトライフォースによって魔界の扉も封印。子孫たちには魔界の扉の封印の維持を託した。
前作ではゼルダ姫の母親が二つのトライフォースを継承していたが、心が弱く体も病弱だったため魔界の封印が解けてしまっていた。同じ封印を施すことはできないので、初代が再び肉体を取り戻して新たなトライフォースを生み出す必要がある。
そこで霊体となってリンク、ゼルダ姫に接触し自分を魔界まで連れて行ってほしいとお願いした。リンクに承諾させた後は、近くにいた子犬に憑依して冒険に同行する。
最終局面ではゼルダ姫が離脱してしまうため初代ゼルダがパートナーとしてリンクをサポートした。
実は初代の肉体はガノンに取り込まれてしまっており、ラストバトルでは凄まじい超巨体の魔獣となったガノンとリンクの一騎討ちとなる。初代の肉体がガノンの一部になっていたためか、子犬の初代はガノンの弱点の位置をリンクに伝えて勝利に導いた。
エンディングではついに肉体を取り戻し、リンクが生み出した勇気のトライフォースによって魔界を再封印する。そしてリンクと初代と子犬は、仲間たちの下へ帰還を果たした。
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ゼルダの伝説 ゼルダの伝説のキャラクター一覧 リンクの冒険 ゼルダ姫(歴代ゼルダ姫)
ゼルダ姫(蜃気楼城の戦い):ゼルダ初のゲームブック小説のゼルダ姫。「リンクとは恋人同士」「魔導士に呪いを掛けられる」「その呪いを解くために戦う物語」「エンディングではリンクからキスをされる」と初代ゼルダのモチーフになったと思われる部分が多い。発売されたのもリンクの冒険の前となる。
ソニア(ティアーズオブザキングダム):『ティアーズオブザキングダム』に登場する初代ハイラル王妃。神々の遺物・秘石を巡って王の臣下が悲劇を起こし犠牲となってしまった。