概要
2000年10月にアーケード版『がんばれ運転士!!』が稼働開始。『電車でGO!』を冠さない新規タイトルだが、UIは持ち時間がライフゲージになっていることを除けば共通で鉄ちゃんも登場していた。
2002年7月25日にプレイステーション版『電車でGO!旅情編』として発売。2003年6月5日にはWindows版も発売された。
『電車でGO!名古屋鉄道編』の美濃町線以来の路面電車をフィーチャーした作品。過去作品のシステムをそのまま路面電車に持ち込んだ美濃町線の反省を活かしたかのような独自システムが特徴。
アーケード版シリーズでは唯一の公営・私鉄路線のみを収録した作品で、旧作シリーズとしては最後にアーケード版が稼働した作品でもある。
移植版では鉄ちゃんに代わって各路線ごとのキャラクターが登場し沿線の観光案内を行う。
伊予鉄道:白石葉子(CV:彩木香里)
江ノ島電鉄:七海ひかる(CV:桃井はるこ)
京福電気鉄道:西園寺美月(CV:吉田美保)
函館市交通局:山口風花(CV:徳光由禾)
運行速度が低く停止しやすい(美濃町線にあった低速運転のペナルティもない)、複雑な操作のON・OFFが可能で難易度調節が容易であることからシリーズで最も万人向けとの声も。
本作独自のシステム
一部の操作は「のんびり運転」モードでは省略され初心者でも楽しめる。
『がんばれ運転士!!』では「のんびり運転」に相当するモードはイージー・ノーマル、「ほんもの運転」に相当するモードはハード・ベリーハードに組み込まれていた。
- ライフ制
アーケード版『がんばれ運転士!!』はライフ制を採用していた。清算は停留所到着時に行う。
移植版ではシリーズと同様の持ち点制に変更されているが、清算を停留所到着時に行うのは共通する。
- 手動加速制御・直通空気ブレーキ
旧型の直接制御や間接手動加速制御の車両が多く在籍する路面電車を反映し、1段ずつノッチ(マスコン)を進めて加速する。
ブレーキも空気圧を調整する直通空気ブレーキで操作する。
実際にはVVVFインバータ制御や電気指令式ブレーキを採用している車両でも同様の操作を行う。
- ワンマン運転
過去作品のワンマン運転の路線とは異なり扉開閉やアナウンスを手動で行う必要があり、開閉ミスやアナウンス忘れで減点される。
このためアーケード版は全くの新規筐体が開発された。
実際には車掌が乗務している江ノ島電鉄や「箱館ハイカラ號」でもワンマン運転が行え、手動扉の「箱館ハイカラ號」や「坊っちゃん列車」でも扉は自動で開閉する。
- 早着・遅延
交通状況によって遅延が発生しやすい路面電車であることから、遅延は1分以内なら減点にならず、早着は一切減点されない。定時ボーナスは誤差15秒まで。
ただし道路上の安全地帯に停車するため停止位置についてはシビアであり、停止位置を1cmでも越えると減点になる。
- トロリーコンダクター
分岐点や信号機などではトロリーコンダクターを操作する必要がある。
- 信号ゲージ
道路用信号の変化がゲージ方式で予告されるようになった。
- 一旦停止
函館市電に登場。谷地頭付近の下り勾配のカーブで一旦停止すると加点される。
ちなみにシリーズ恒例の隠し警笛も多く存在し、専用軌道での踏切の手前や坊っちゃん列車では発車時・停留所到着時に多く存在する。
収録路線
路線 | 区間 | プレイ可能車両 |
---|---|---|
函館市交通局(函館市電) | 全線 | 30形(箱館ハイカラ號)・500形・710形・800形・1000形・3000形・8000形 |
江ノ島電鉄線 | 全線 | 10形・100形・300形・500形(初代)・1000形・2000形 |
京福電気鉄道(嵐電) | 全線 | モボ21形・モボ101形・モボ301形・モボ501形・モボ611形・モボ2001形 |
伊予鉄道市内線 | 全線 | モハ50形・モハ2000形・1形機関車(坊っちゃん列車) |
各路線は四季をイメージしており、伊予鉄道は春、江ノ島電鉄は夏、京福電気鉄道は秋、函館市電は冬。
『がんばれ運転士!!』では江ノ島電鉄線藤沢駅→鎌倉駅(100形・300形)・伊予鉄道市内線JR松山駅前駅→道後温泉駅(モハ50形)のみプレイできた。
江ノ島電鉄の併用軌道では自動車が現れることがないため、比較的過去作品に近い感覚でプレイ可能。
函館市電ではシリーズ初の入出庫も可能。ほぼ確実に雪が降っており減速には細心の注意が必要。実際には「箱館ハイカラ號」は冬季は運休する。
余談
運転士・車掌の声としてシリーズおなじみの立川真司のほか里内信夫が出演している。
アーケード版『がんばれ運転士!!』の稼働時に伊予鉄道の宣伝キャラクター「路面ライダー」が本作に挑戦する動画が公開された。
本職の運転士に挑戦するという触れ込みで路面ライダーが特訓を重ね本作をプレイするが、ゲームの練習をしなかったことが災いし散々な結果に終わるという内容だった。
函館市電では「保田圭祭」の看板が登場する場所がある。
関連動画
TVCMにはイメージキャラクターとして氷川きよしが起用された。