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シャルリー・エブドの編集履歴

2024/10/26 16:33:13 版

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シャルリー・エブド

しゃるりーえぶど

シャルリー・エブド (Charlie Hebdo)とは、フランスの新聞である。掲載される風刺画により色んな意味で世界的に有名になった。

概要

政治的には左派リベラルであるが、LGBTへの侮辱的表現も多い。また、強烈な反宗教でもあり、イスラム教開祖・預言者ムハンマドを描いた「風刺画」を発表する。

これにより、ムスリム・非イスラム教徒問わず批判の的となり、さらには過激派から狙われ、襲撃事件が発生した。

反宗教の態度はイスラム教以外にも及んでおり、イエス・キリスト聖母マリアローマ教皇もネタにされている。

主な風刺画・イラスト

  • ムハンマドらしき男が、天国にやってきたテロリストに対し、「もう処女はいない」というイラスト

イスラム教の天国においては、敬虔な男性信者にフールフーリー)という天女が現れ、性交の相手となる。性について厳格な規律で律しはするが、同時に性そのものを肯定しているというイスラムの姿勢が現れたものであるが、この天国の情景については他宗教信者から批判・非難の対象となることもあり、扱いについてかなりナーバスでもある。

  • 睾丸のようなターバンをし、ペニスのような鼻をしたムハンマド絵

ゴミ。わざわざ「私はシャルリー」と書かれたプラカードを持たせたものもある。ムハンマドについてはこのほか全裸でこちらにを向け(肛門は☆で隠されている)てるゴミもある。

  • 「コーランでは銃弾を防げない」

コーラン(クルアーン)を掲げて銃弾を防ごうとするも、弾丸はコーランを貫通し、持っていた男性の胸に当たる。襲撃事件後、これをもじって「シャルリー・エブドでは弾丸を防げない」というネタにした16歳の男子高校生が「テロ支持」のかどで当局に拘束されている。

事故により損壊し煙をあげる原発の前に怪獣並みに巨大な鳥の足跡があるというもの。実際のところ鳥などの生物の巨大化や奇形化といった事実は確認されていない。

  • シリア難民児童の遺体をネタにしたもの

ISILの脅威から逃れるために難民となった人々のひとりで、難民を乗せたボートの転覆後、トルコの岸辺に打ち上げられたシリア系クルド人男児アイラン・クルディ君をネタにするもの。

マクドナルドの看板の前の砂浜で打ち上げられた男児の上に「ゴールまであと少しだったのに」と書いたもの。茨の冠をした長髪の「クリスチャン」が水上に立つ隣で、がに股を水面に出しながら逆さまに溺れるムスリムの絵の脇に「キリスト教徒は水の上を歩き、イスラム教徒の子供は溺れる」の文。

シャルリー・エブドからは欧米が難民を見捨てている状況を風刺したものだと発表されている。

ちなみに後者の絵には「ヨーロッパがキリスト教の国である証拠」というタイトルがついているが、ローマ教皇フランシスコ聖公会・英国国教会のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは難民を受け入れない西洋人を批判し、信徒に受け入れを呼びかける声明を行っている。

その他の様々なキリスト教支援団体も難民の支援のために動いている。

地中海に島を買ってそこで難民を受け入れる計画を発表したエジプト人実業家ナギーブ・サウィリスもコプト正教会のクリスチャンである。

その他の風刺画については「襲撃されたシャルリー・エブドの風刺画まとめ」等を参照。

襲撃事件

ムハンマドを散々ネタにした後、フランスではまだ襲撃がない、とイスラム過激派を挑発する2015年1月7日号発刊の日に起こった襲撃事件。

過激派からの脅迫はすでに起こっており、2011年には火炎瓶投げ込みにより編集部が全焼もしている。

政府が自粛を呼びかけようが大統領が批判しようが止めずムハンマド風刺画を乗せ続けたシャルリー・エブドはとうとう銃器を用いた襲撃に遭い、死者が出る事態となった。

犠牲者にはシャルリー・エブドの関係者だけでなく、部外者であるムスリム警察官もいた。

事件後

事件後、イスラム諸国を含む世界各国から事件を痛み、襲撃を非難する声明が出された。

一方過激派テロ組織タリバンISILは襲撃を英雄的行為として讃えた。「アラビア半島アルカイダ」は自分たちによる襲撃であると主張した。

犠牲者への連帯と「表現の自由」「報道の自由」の擁護のメッセージを込めて「私はシャルリー」というメッセージが生まれ、多くの人々に共有された。

シャルリー・エブドの表現を受け入れられない人々は亡くなったムスリム警官の名をとって「私はアフメド」を共有した。

「私はシャルリー」運動の中でも最大の動員数をほこったパリ大行進には各国の要人も参加した。

事件で露になった社会のねじれ

襲撃事件の実行犯はアルジェリア系移民だった。イスラム教は強固な聖典と教義体系、そして生活の隅々にまで密着する宗教実践という特徴を持ち、公の場では宗教色を限りなく脱色しようとするフランス社会に対し、中には同化や折り合いができない人も現れる。

不況による社会不安により、安い労働力の担い手である移民を全ての責任とする極右勢力が現れると、イスラム教を自由と民主主義の敵と煽り、フランス人側にも敵愾心を煽り立てた。

これはフランスだけでなく移民を受け入れているヨーロッパ各国で起こっている事態である。社会から疎外さた移民二世、三世が過激思想を蓄積し、過激派の「細胞」や同調者となってテロを起こす。

この襲撃事件もその一つである。

パリ大行進には、イスラエルトルコロシアのようにジャーナリストを投獄する国の要人も参加した。肌の色、国籍、宗教の違う要人たちが表現と報道の自由のため手をとりあう画面は感動的にも見えるが、その実「高度に政治的」なものでもあった。

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