概要
ゲーム『ゼルダの伝説』シリーズの歴史的な時間軸のこと。
作品間の歴史的繋がりは、長年開発チームの方もあやふやにしていてはっきりとした定義が無かったが、公式ガイドブック「ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全」が発売された後、しばらく経って公式ポータルサイトにも掲載されるようになったことで、だいたいの時間軸は確定した。
ただし、公式ポータルサイトの内容が更新されたり、新たな公式ガイドブックが発売した場合には、これらのゼルダ史情報や設定に今後変更が生じる可能性があることも追記しておく(実際、2011年のハイラルヒストリア発売時に「今後も変更が生じる可能性」について既に同書内で言及されており、その後本当に一部のゼルダ史の内容が2020年に変更されている)。
公式ポータルサイトで振り返るゼルダ史
『ゼルダの伝説シリーズ』の主人公リンクの活躍と共にゼルダ史を振り返ってみよう。
なお、『時のオカリナ』から三つの歴史に分岐しているが、いずれも知恵、勇気、力のトライフォースのいずれかが大きく関わっている。
伝承の時代
後世において伝承として語り継がれた時代。この頃は神々やそれに比肩する超越存在の姿が見られた。
- 女神と邪悪な者との戦いの時代(スカイウォードソードの前世)
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※ハイラルの時系列で最初の勇者
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※時の勇者
この作品では子供時代と大人時代を行き来するため、以降のゼルダシリーズの時系列は分岐する。
さらに最終決戦での勝敗によっても分岐が生じる。
そのため時のオカリナの結末から3つの時系列が存在することになる。
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①時のオカリナでリンクが本来の時代に戻った後の世界(子供時代)
勇気のトライフォースを持つリンクがクーデターを未然防いだ時代。
未来から戻ったリンク(時の勇者)の尽力により、ガノンドロフの野望は未然に阻止される。
そしてリンクはエンディングで別れた相棒ナビィを探す旅に出る。
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※時の勇者
↓(数百年後)
※時の勇者の子孫
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元々は『4つの剣』の続編であったが、ハイラルヒストリアの正史ではここに置かれている。
ゼルダ史に組み込む上で両者とも正史に含むには難しい外伝的作品であったため、組み込むためには両者を引きはがして本作をここに置くしかなかったためだと思われる。
②時のオカリナでの最終決戦後の世界(大人時代)
知恵のトライフォースを持つゼルダが地上に残された時代。
『時のオカリナ』でガノンドロフを倒した後に、リンクが【時の勇者】と語り継がれた時代が神話になるほど時間のたった世界。時の勇者本人は7年前の世界へと帰ってしまうため、以降のこの時系列には存在しない。
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※風の勇者
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※風の勇者
↓(約100年後)
※風の勇者の生まれ変わりか子孫、もしくは赤の他人
③時のオカリナの最終決戦でリンクがガノンに敗れた後の世界
力のトライフォースを持つガノンドロフが勝利した時代。
時の勇者がガノンに敗れた場合、全てのトライフォースがガノンの手に落ちてしまう。
残されたゼルダ姫は六賢者と力を合わせ、最後の手段としてトライフォースごとガノンを聖地に封印する。
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↓「神々」での最終決戦後にリンクが旅立つ
※ただし、「古代の石盤」のみ光の勇者(プレイヤー)が主人公になる。リンクは登場しない。
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リンクが修行後の航海途中にあった不思議な体験談。
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※当初は「神トラ」のリンクと同一人物という設定だったが現在では別人になっている。
↓(数百年後)
「神トラ」より数百年後の世界。
↓(数年後)
神ト2と同一人物。
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ガノンを倒したリンクが謎の裂け目に飲み込まれ、ゼルダ姫がリンク救出のため冒険の旅に出る。
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・(ハイラル王国が小国に分裂するほどの時間が経つ)
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※シリーズ最初の勇者。約12歳とのこと
↓(約4年後)
※「ゼルダの伝説」後で16歳になったリンク。ゼルダの伝説における最後の物語
関連が不明または①・②・③のいずれにも該当しない
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現段階では「ハイラルの歴史においては最後」としか発言がなく、「どのラインに続く最後なのか」については明言を避けている。これは「時系列考察」を含めて想像の余地を残すためにあえて明言はしていないようだ(ブレスオブザワイルドは自由度の高いオープンワールドの作品であり物語構築は基本的にはプレイヤーに委ねられるため、現段階では明言するわけにはいかないのだろう)。
作中に「厄災ガノン」が登場することから、プレイヤーの考察としては概ねガノンドロフが完全に封印された②以外のルートでないかという意見が多かった。
①の要素としては「空を舞い、時を廻り、黄昏に染まろうとも……」という作中のゼルダのセリフが存在する(ただその後のセリフはマスターソードが登場したゼルダ作品=重ならない歴史群についてのワードが散りばめられているため、考察材料には弱いファンサービスの一種と見る意見も少なくなかった)。
②の要素としては各地の岩を壊すと岩塩が手に入ったり巨大クジラの化石が点在する、そしてリト族やコログ族が存在することから「風のタクトで海に沈んだハイラルが浮上したのがブレスオブザワイルドのハイラルでは?」という声もあった。
③の要素としてはハイラル王の日記に「王家の習わしに従いゼルダと名付ける」との記述があり、王家の姫をゼルダと名づける風習は時の勇者敗北ルート後にしか確認されていないことから敗北ルート後ではないかという考察のほか、ガノンドロフがガノンとしてのみ活動している(初代ゼルダの伝説でガノンはハイラルで倒されている。リンクの冒険で復活には肉体を持った復活にはリンクの血が必要だったなどから、リンクの冒険以降に肉体をもった復活が出来ぬまま怨念になっていったと言う解釈もされる)、敗北ルートでのみ存在が確認できるライネルがいる等があった。
続編のティアーズオブザキングダムの発売前は、時の勇者敗北ルートにのみ確認される「封印戦争」という単語が出てきたことから③のルートの可能性がさらに高くなっていた。
しかしいざ発売すると、
- 作中の「封印戦争」が「神トラ」で述べられたのものとは明らかに異なる
- ガノンドロフが「時オカ」以降のガノンドロフと別人であるような描写が多い
といったように、「時の勇者が存在した世界(=時のオカリナのガノンドロフ)の時系列」と考えた場合辻褄が合わない事実が多数出てきたため、「スカイウォードソード後ふしぎのぼうし以前で分岐した第四の時系列ではないか」という説が浮上してきている。
- 空より地上に降り立った神の末裔を名乗るゾナウ族が存在しハイラル王国を建国する。トライフォース信仰はかつて存在していた。マスターソードは存在するがトライフォースは存在せず秘石が存在している。こう言った辺りからガノンが触れる以前にゾナウ族の始まりになった存在がスカイウォードソード以降でガノンよりも先にトライフォースに触れて、その力を秘石として所持し続けた世界なのかもしれない。
後に伝説として語られる物語。
時のオカリナ、トワイライトプリンセス、スカイウォードソードの物語が神話・伝説として語り継がれている。しかしこれらの世界はゼルダ無双の世界から見て異次元、もしくは過去の世界という不明慮な扱いになっている。
その為、どの時間軸に該当するかが全く不明であり、どの時間軸にも該当しない別の時間軸の世界、あるいは始まりの時点からして違う全く新しい世界という解釈すら可能である。
上記以外の各作品との関連性は不明。そもそもお祭り的側面が強い外伝作であり、時系列には含まれていないという見方もある。
余談
「時のオカリナ百科」の宮本のインタビューによれば、時のオカリナ→初代ゼルダの伝説→リンクの冒険→神々のトライフォースという風に繋がる構想だったとのこと。
ただし宮本自身も「謎」な部分が多く、「リンクの冒険に出て来るリンクの父親が時のオカリナのリンクなのか?」「じゃあ母親は誰? ゼルダ?」など疑問を呈している。
「いずれの作品もリンクは別人(血のつながりはあるかもしれない)」「ガノンはエピソードごとに蘇る」という部分は当時から決まっていた。
関連タグ
ハイラルヒストリア…2011年に発売された初のゼルダ史公式ガイドブック。