マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス
まなけっこんみらいにつなぐきぼうのどれす
概要
7月頃に公式サイトが設置され正式タイトルである事が判明。それ以前にも6月中旬にはすでにタイトルが発表されていたが、6月22日時点では再び映画 ドキドキ!プリキュア(仮)となってしまっていた。その後ニュースサイトで改めてこのタイトルが正式なものであることが確実のものとなった。
プリキュア映画恒例となった主人公格プリキュアのスーパープリキュア化もあり、今作ではキュアハートがキュアハート・エンゲージモードになる。
TVシリーズ21話終盤より登場した5人目のプリキュア・キュアエースも登場するが、登場初期のように突然現れるサポートメンバーのような立ち位置になっている(これについては関連リンクの伊藤監督インタビューを参照)
例年通り本編上映前にはキャラクターたちによるミラクルライトの説明が行われる。
中心となるテーマは「子ども時代の思い出」であり、マナたちの小学生時代が再現されるストーリーである。「マナ結婚」というタイトルから受けるイメージとはかなり乖離しているが、これについては柴田プロヂューサーや伊藤監督などの主要スタッフも認めている点である。
作中で思い出として描かれる「子ども時代」はメイン視聴者である女児たちにとっては現在進行形の時代である。これを郷愁と扱うだけでは違和感を覚えるだろうという懸念により、「過去の思い出」に対比させる「未来の希望」というテーマを加えたということ。そして、女児にとって理解しやすい未来の憧れイメージとして結婚式とウェディングドレスというものが採用された。
児童受けが悪いことを自覚しながらも「思い出」というテーマに拘っているのは、プリキュアシリーズは親子が一緒に楽しめるものを目指すという意気込みからであり、つまりは映画を一緒に見に来る親世代へのメッセージの色合いが強い。そして、ウェディングドレスが三世代に受け継がれるという設定は過去と未来という二つのテーマを繋げるものであり、映画を見ている親子の双方に向けた絆のテーマとなる。
過去の世界がメインテーマになることは初期から様々なメディアで紹介されているため、タイトル詐欺というべき鑑賞者に対するサプライズなどの意図はない。ただ、上述のように6月頃に発表された映画タイトルがその直後に未定に戻っており、タイトルに関する多様な議論があっただろうことが窺わせる。
監督を務めた伊藤尚往は『ふたりはプリキュア』『ふたりはプリキュアMax Heart』の各話演出を経て『デジモンセイバーズ』のシリーズディレクターを務めており、同作のプロデューサーだった柴田宏明、シリーズ構成の山口亮太と約6年半ぶりにトリオを組む事となった。
あらすじ
祖母・母と受け継がれてきたウエディングドレスを見てキュンキュンしていたマナ。親子三代で思い出を受け継ぐと意気込み、いつか着ることを夢見て眠りに就く。その夜、大貝町では家具をはじめとする様々な物が宙を舞う事件が発生。犯人はマシューを名乗り、人々に忘れ去られ過去の物となったガラクタの恨みを吐きながら町の人たちを「オモイデの世界」へと閉じ込めてしまう。更にマナの名を呼び、何故か執心するマシュー。圧倒的なパワーでエースを除く4人のプリキュアを破った後、マナたちもオモイデの世界へと閉じ込めてしまった。過去を再現したオモイデの世界でマナは、今は亡き祖母や昔飼っていた愛犬と再会するが六花やありすがいないことに気づく。楽しかった過去の中でずっと生きたいという思いと、仲間たちと過ごす筈の未来への希望にジレンマを感じながら、プリキュアたちは大切な思い出と未来のためにマシューたちに立ち向かっていく。
登場キャラクター(レギュラー)
※各キャラクターの動向も表記する※
プリキュア
なぜかマシューに名指しで狙われ、楽しかった過去を再現した「オモイデの世界」に閉じ込められてしまう。4年前の小学校時代が再現されたそこで、愛犬のマロや亡くなった祖母のいすずと再会する。過去を完全に再現しているが、幸せな記憶に関することだけが増幅された変化のない不自然な世界。マシューが完全にコントロールしており、彼が干渉することで逆にトラウマとなった不幸なオモイデも再現できる。また、ありすや六花の存在は「現在」につながるために消されてしまっていて、はじめからいなかったことになっている。マナは始めは現実世界に帰ろうとあがいて日々を過ごすが、序々にマロやいすずとの幻想との別れを惜しむようになり、現実世界への帰還をためらってしまう。
「忙しい両親が揃って見に来てくれるピアノコンクールの日」を再現したオモイデの世界に閉じ込められてしまう。こちらではマナの存在が消されている。幸福な日々に溺れる中で中学生だった本当の自分の記憶が薄れていきマナたちのことを忘れていたが、そこで同じく閉じ込められていたありすと会い、妖精たちとの再会もあって現実世界の事を思い出す。そして、マナを救うためにキュアロゼッタとともにマシューが差し向けた刺客と激闘を繰り広げる。
再現されたオモイデの世界は「父親との初めての外出(社交デビュー)の日」。六花と同じく封じられていた記憶を取り戻し、キュアダイヤモンドと共に戦う。なお、初期の脚本ではありすとマナの初めての出会いに関わる事件をオモイデの鍵とする予定だったが、尺の関係で割愛したとのこと。ただしそのプロットはTV本編の第33話に流用された。
再現されたオモイデの世界は「初めてプリキュアとして認められアン王女からラビーズを貰った式典の日」。アン王女や王国が偽物だと気付いていたが、平和だったトランプ王国をまた見れたことで心が揺らいでいた。しかし、仲間との絆を思い返して立ち上がり、未来のためにマシューが差し向けた刺客と死闘を繰り広げる。
概要あるよう、TV本編でキュアエースが登場したばかりの頃の「神出鬼没の助っ人」という立ち位置がそのまま再現されており、上述のキュアソードのオモイデの世界まで登場しない。キュアソードのピンチに突如乱入し、キュアソードに助力する。この時、王女の幻想が居た場所付近に現れて王女の台詞を引き継ぐようにキュアソードを叱咤するという演出がある。登場時点で既に変身しており、変身前の姿での登場もごくわずか。変身及び単独必殺技のバンクシーンもない。
妖精
マナを現実世界に連れ戻すために自らマナのオモイデの世界へと飛び込む。マナを現実世界に戻そうとするが、過去を思い出して悲しい表情を見せるマナに何も言えなくなってしまう。
六花を連れ戻すため、ランスと共にオモイデの世界へと飛び込み、六花の記憶が戻る決め手となった。
ラケルと共にオモイデの世界へ飛び込み、ありすの記憶が戻る決め手となった。
真琴たちを助けるために他の妖精を連れてマシューの飛行船に侵入した。DBの姿では飛行船へ侵入するためにグライダースーツを使った滑空を見せ、船内では追手に対して格闘シーンも披露した。オモイデの世界に飛び込んだ時は、悩むキュアソードに対して絆を思い出すように叱咤した。
キュアエースと同じタイミングで登場。
その他のレギュラーキャラクター
ピンチに陥ったありす達のもとへ車で駆けつけるが、逆に車を破壊されてオモイデの世界に吸収されてしまう。
マナのクラスメイト。結婚に夢を馳せるマナをからかうも、その後のやり取りで赤面してしまいマナの事が好きなのかと逆にからかわれる。
マナが閉じ込められたオモイデの世界でも小学生の姿で登場。
- 百田(声・桜井翼)
二階堂といつもつるんでいる男子学生。二階堂と共にオモイデの世界にも登場。
小学生の頃、捨てられていたマロを拾い、里親を探すためにマナに相談していた。
本編での登場はないが、マナの未来のイメージを描いたOP映像に登場する。なんとマナの結婚相手がイーラだったという衝撃の展開……と思いきや夢オチ。台詞も全くないまま、夢の中でプリキュアたちにやられてしまった。
登場キャラクター(オリジナルゲスト)
※独立項目があるキャラクターの詳細は各リンク先の項目へ※
主要なゲストキャラクター
本作の敵キャラ。何故かマナを狙う謎の青年。街の人間たちを「オモイデの世界」に閉じ込める。
- ベベル(声・?)
パートナーが「オモイデの世界」へと浚われて呆然となっていたシャルルたちの前に現れた正体不明の妖精。マナたちをオモイデから取り戻す方法を教えてくれた。
相田マナの祖母。本来は故人で、マナのオモイデの世界に登場。
かつて相田家で飼われていた犬。マナに非常に懐いていたが現在は飼われていない。それについてマナは「色々あって」と言葉を濁している。
その他の敵キャラクター
- パープルバギー(声・江川央生)
マシューが仕向ける刺客の一人。両手足にタイヤを装備したガラクタ。手足のタイヤをローラースーツを使うようにして高速移動が可能。手のタイヤは投擲武器として使える。オモイデの世界を拒否した六花とありすを始末するべくシルバークロックとともに現れる。
- シルバークロック(声・稲葉実)
マシューが仕向ける刺客の一人。壁掛け時計に手足が生えた姿をしたガラクタ。伸縮自在な蛇腹状の手足が武器。
- マネキンカーマイン(声・浅野まゆみ)
マシューが仕向ける刺客の一人。洋紅色の衣装を着たマネキンのようなガラクタ。腕に巻き付けた帯を操って攻撃するほか、相手の攻撃を瞬時に読んで反撃するなど高い格闘能力を持つ。オモイデの世界を拒否した真琴を始末すべくあらわれる。
イベントetc.
東京国際映画祭
第26回東京国際映画祭(開催期間2013年10月17日~25日)の特別招待作品に選ばれ、同月26日からのロードショー公開に先駆けワールド・プレミア上映されたほか、声優陣・プリキュアが同映画祭のオープニングを飾るグリーンカーペットにも登場した。