概要
テレビマガジンにて1978年12月号から1979年12月号まで連載された原作:永井豪とダイナミック企画、作画:石川賢(1978年12月号から1979年6月号)、桜多吾作(1979年7月号から12月号)の漫画。
玩具製品がタカラより発売され、『マグネモシリーズ』現時点での最終製品となった。また、イメージテーマソングがキングレコードより発売された。歌は『翔べ!ガンダム』の池田鴻である。
ストーリー
時は、197x年。地球に正体不明の遊星が接近。
その惑星は、進化の程度が地球の中生代に相当し、恐竜が我が物顔で暴れまわっていた。
これに目を付けた、悪の天才科学者・ゴルゴスは、その星に自らの名前を付け、惑星ゴルゴスと命名。
そして、ゴルゴスに棲息する恐竜「恐魔龍」を、己の手先として地球征服に乗り出す。
しかしそれを察知したのは、科学者・轟大地博士。
彼は息子の轟正義に命じ、完成したばかりのタイムマシンで、中生代までタイムジャンプする。
その使命は、過去に戻り恐竜を生きたまま捕獲する事。
ドラゴンキャッチャーで、最大級のティラノサウルスを捕獲した正義は、現代に帰還。轟博士は、そのティラノサウルスを改造し、恐竜サイボーグを作り出す。
ゴルゴスの恐魔龍に対抗するのは、同じ恐竜しかない。それも、直接それに乗り込み操縦できる、戦闘用のサイボーグ恐竜が必要だった。
ゴルゴスは、本格的に地球への攻撃を開始した。しかし恐魔龍への対抗手段、恐竜サイボーグ「マシンザウラー」も完成。
正義は、マシンザウラーに乗り込み、恐魔龍とゴルゴスに立ち向かう!
恐竜サイボーグ
- マシンザウラー
主役の、恐竜サイボーグ。轟博士により、タイムマシンで過去の地球より捕獲され、そのままサイボーグ化された。
恐竜としての種は『ティラノサウルスに似たケモノ竜』に似ているが、指が三本で、前肢がかなり逞しく大きめ(ものを掴む、引き裂くなどが可能)という相違点がある。サイボーグ化された後、自身の意思はほとんど有していないらしい。
頭部にコクピットがあり、正義はそこに乗り込んで操縦。
口から吐く数万度の火炎「ザウラーファイヤー」の他、どんなものも握りつぶす手の鉤爪「ザウラークロー」、ビルを倒せる威力の尻尾「クラッシャーテール」などで格闘戦を行う。
また、両肩に「ショルダーミサイル」、両腰に近距離用の「サイドミサイル」を装備。
オプション兵装として、ブースターを兼ねた大砲「ザウラーキャノン」、巨大な丸鋸「ジャイアントスピン」を、必要に応じて用いる。
ザウラーキャノンは、腰部および肩の、ミサイルを搭載したジョイント部に装着する事が可能。劇中では腰に装着していた。
また、ジャイアントスピンは手で持ち、回転させて敵を切り裂く。
他に、プテラノドン「プテラス」を背部に合体させ、翼を得て飛行可能になる。
タカラより玩具化された際には、マグネモの一環として発売された。詳細は下記「商品展開」を参照。
- プテラノドン、プテラス
タイムマシンで過去から連れてきた翼竜プテラノドンを、ザウラー同様にサイボーグ化したもの。頭部は完全なクリアパーツのメカニックになっている。
初登場時には、格納庫内で翼を(蝙蝠傘のように)折り畳んで下がっていたが、翼を広げその姿を現す。
マシンザウラーの飛行用ユニットであり、いわば「生体ジェットスクランダー」。コクピットは無く、自身の意思で動く。
合体時には、ザウラーの背中にプテラスの胴体部を合体させた後、クリアパーツの頭部を左右に分割させ、ザウラーの両肩に張り付くようにして合体する。
翼を得たザウラーは成層圏を突破し、宇宙へも行けるようになる。ちなみに翼は、翼竜というより蝙蝠のそれに形状が近い。
製品名は「プテラス」だが、漫画劇中では正式名称不明。また、マグネモでは製品化されなかった。
連載当時に、マシンザウラーと同じフォーマットで。「プテラス」の製品名でプラモデル化された。ただし合体ギミックはオミットされている。後年になるまで、このプラモデルが唯一の製品だった。
後年になり、レジンキットで製品化されている(後述)。
- トリケラドブス、トリプス
トリケラトプスを素体にしたと思しき、恐竜サイボーグ。
「トリプス」はプラモデルシリーズに、「トリケラドブス」は漫画版に登場した。
「トリケラドブス」は、漫画版後半部で登場した、正義の友人の番長が乗り込む恐竜サイボーグ。
角竜トリケラトプスを素体にしているらしく、後肢をキャタピラ化、顔面をマスク状の装甲が装着。前肢、胴体部にも装甲が装着されている。また、頭部の角はドリルにされている。
コクピットは頭部だが、キャノピーや屋根などが無く、むき出しの座席になっている。
マジンガーZのボスボロット枠であり、コミカルなコメディリリーフ的存在。明確に自らの意思が残っており、勝手に動くため番長の操縦をあまり受け付けない。そのため、戦力としては頼りないものの、ザウラーのピンチを救った事もある。
製品化は一切なかったが、後年に「トリプス」がレジンキット化された際、セットでキット化された。
「トリプス」の方はトリケラドブスと異なり、改造部は背中部分のみで、そこにパイロットが入るコックピットおよび、三連装の巨大なミサイルを搭載した砲塔を装備している。
パッケージイラスト一枚のみで、設定の詳細は不明。しかしこちらにはコミカルなテイストは無く、プテラス同様に意志も無い様子。やはりこちらも、後年になるまでプラモデルが唯一の製品だった。
後年にレジンキット化された際には、頭部のヒレ部分は、トリケラトプスというよりカスモサウルスの様な、角ばった形状をしている。
登場キャラ
轟研究所
- 轟正義
主人公。好奇心と行動力に溢れており、正義感も強い。ザウラーのパイロットだが、ザウラーが改造された恐竜である事から、その傷の痛みに想いを馳せるなど、感傷的な一面も有する。
大東学園の生徒で、通学にはポケバイを使用。
デスクロスに一度殺害されるが、プライドを傷つけられたゴルゴスの手により蘇生される。
- 轟大地
正義の父で、轟研究所の所長。タイムマシンを製造し、運用している。ゴルゴスとは旧知の仲。
- 轟信吾
正義の弟。おばあちゃんとともにトラブルメーカー扱いされている。
- おばあちゃん
正義の祖母で大地の母。信吾とともに問題児扱いされている。
- 秋吉カオル
大東学園の女生徒で新聞部員。
- 番長
本名は不明。マジンガーZのボスと同じポジションで、正義とは喧嘩仲間。
後に自分も恐竜サイボーグを欲しがり、動物園から大トカゲを盗み、生ごみの残飯を餌にしてこっそり飼育。このまま成長させ、改造してもらおうとしていた(後に大トカゲは体調不良になり、動物園に返される)。
この事が元で、恐魔龍との戦いに巻き込まれる。が、ここから後にトリケラドブスを与えられてそのパイロットになる。
ゴルゴス
- ゴルゴス将軍
元地球人の科学者。研究者だった劇中の10年前に惑星ゴルゴスを発見し、有効活用を目論む。しかし周囲の理解を得られず孤立。単身で惑星ゴルゴスに向かうも、隕石事故で死亡。デスクロスに蘇生され、ゴルゴス将軍と化す。
正義をデスクロスに殺害され、その事に傷ついたプライドを取り戻すべく、独自に正義を蘇生。改めてマシンザウラーと決闘する。
敗北した後、正義に救いの手を差し伸べられるも、デスクロスに処刑された。
ゴルゴス将軍と化した後、日本の戦国武将のような甲冑に身を包んでいる。普段は地球人と同じ身長で、蘇生されたシーンなどではそのように描かれている。
しかしマシンザウラーとの決闘時には、マシンザウラーと同様の巨体で登場している。
- ノア博士
脳が肥大化した、白衣を着た人物。多くの事が不明。
- デスクロス
惑星ゴルゴスの支配者。
当初はその姿を隠し、隕石事故で死亡したゴルゴスを蘇生。彼を矢面に立たせて、地球征服を行わせていた。後に黒幕としてその姿を現し、その存在が知られた為に自身が直接指揮を取るようになる。
全宇宙支配の野望を抱いており、ゴルゴス将軍の事も手駒の一つとして操っていた。
一度は正義を自らの手で殺害。しかしゴルゴスにより蘇生され、勝負に負けたゴルゴスを自らの手で粛清した。
その姿は、一見するとヒーローのように見える宇宙人、もしくは巨大なサイボーグか、巨大ロボットである。鳥型に変形可能。
マントを着用した姿と、翼のある天使のような姿をした、二つのタイプがある。
また、当初はその身体にメカニック要素がない、生身の巨大宇宙人といった姿をしていた。後に登場した時には、メカニカルな巨体のサイボーグやロボットのように描かれている。
後のエピソードでは人間に変装し、「出須久」という偽名を書いた名刺も差し出したりもした。
漫画の最終回で、正義が乗ったマシンザウラーと対決。敗北したが死亡せず、再戦を宣言しマシンザウラーの元から撤退した。
- 恐魔龍
惑星ゴルゴスに棲息する巨大生物。地球の恐竜に似ているが、別の系統の生物であるらしく、様々な特殊能力を有する。
ドドロ、ガガラといった、カタカナ三文字の名称が多い。
他に、人類同様に会話可能な兵士「恐魔龍兵」も存在。
当初は、巨大な要塞「恐魔要塞ガルガン」に搭載され、大気圏内に突入。地球に送り込まれていた(ガルガンは後に、デスクロスが登場してからは出番が無くなる)。
商品展開
マグネボーグ
- マシンザウラー
マグネモの一環として発売された。しかし、マグネモジョイントは頭部と両肩のみで、両足は普通の一軸差込ジョイントに。
ザウラーキャノンとジャイアントスピンも装備。他にそれらを搭載可能な玩具オリジナルの砲台を有し、ザウラーの両足をキャタピラと換装が可能。キャタピラは背中に装着する事もできる。
両腕をマグネモにより、ザウラーキャノンやジャイアントスピンと交換可能。ザウラーキャノンは、吸盤付きのミサイルを発射できる。
また、腹部には透明パーツを開き、内部に内蔵されたミサイル発射口にショルダーミサイルとサイドミサイルを差し込み、発射するギミックを有する。
頭部は、顔面部がクリアパーツになっており、漫画およびグラビアのイラストと異なる。この部分を前方に倒して開き、内部に正義を乗り込ませる事が可能。
後に「ダイアクロン」の製品に流用され、「改造恐竜マシンドラゴン」の名で発売された。
ザウラーとの変更点は、体色が緑から青に変更した程度で、ギミックおよび付属品は全てそのまま。ザウラーキャノンにジャイアントスピンも付属しているが、名称はそれぞれ「ドラゴンキャノン」「サークルカッター」に変更。色も変更されている。
色以外は変更点は無く、マシンザウラーと互いのパーツ交換なども可能。
設定は、敵勢力「ブルースター軍団」の兵器で、ダイアクロン「恐竜ロボ(後のトランスフォーマー、G1ダイノボットの前身)」への対抗勢力として作り上げたというもの。量産されているらしく、複数の姿がパッケージに描かれている。
また、漫画劇中でマシンザウラーは「ザウラーキャノンは腰」「ジャイアントスピンは手に持っている」のに対し、
マシンドラゴンは「ドラゴンキャノンは肩」「サークルカッターは腰」に、それぞれ装着するのがデフォルトらしい(パッケージ写真ではそのように装備されている。もちろんそれぞれ肩や腰、腕に装着も可能)。
- 銀河帝王デスクロス
こちらもマグネモとして発売。頭部と両腕・両足にマグネモジョイントを搭載し、手足の交換が可能。マシンザウラーのみならず、他作品のマグネモとも互換性がある。
付属の剣を拳に持たせる事が可能。また、手首はロケットパンチのギミックで飛ばすのみならず、剣の柄を手首の発射口に直接装着し、同じく飛ばすギミックを持つ。
オプションパーツとして、「ファイアーイーグル」が付属。後部エンジンと両翼部にマグネモジョイントが内蔵され、手足を外したデスクロスの胴体部との合体が可能。また、ファイアーイーグル自体も分解し、翼のみ、エンジンのみを合体させるなども可能。
翼には直角に一軸ジョイントが付いており、これを用いてデスクロスの背中に装着。天使の翼のようにする事もできる。
ダウンサイジングされた、ミニマグネモシリーズも発売。こちらにも剣やファイアーイーグルが付属しており、手足の組み換えなどが可能。
後年の2017年になり、エヴォリューショントイ「ダイナマイトアクションシリーズ」より、マシンザウラーを差し置いて新規造形され発売された。ファイアーイーグルも付属し、マグネモのギミックを再現できる。
ミニチェンジ マシンザウラー シリーズ
マグネモではなく、一軸のジョイントで手足パーツ交換する玩具。それぞれの交換用パーツ以外にも、マシンザウラーの手足パーツが付属しており、通常のマシンザウラー形態にもできる。
サイズも縮小され、ミクロマンサイズにされている。また、マグネモ版よりもマシンザウラー自体のプロポーションは漫画版に近い。その顔もクリアパーツではなく、漫画版同様に色が付いた生体部分に。
ただし、両肩のミサイルは省略。両腰のサイドミサイルは大型化されている。これらは、マグネモのマシンザウラーとも互換性があり、互いに付け替えが可能。
それぞれのマシンザウラーは、色が異なっている以外は仕様は同じ。ただし、別パーツ化されている背びれおよび背部のベルト部分は、スカイとマリンは赤色に対し、アースは白い形成色になっている。
また、パーツ交換時には、マシンザウラーは四つん這いになるように前傾態勢を取る。
- スカイザウラー
体色は緑色。交換パーツはウイングで、四肢をウイングパーツと交換する事で飛行形態となる。後部ウイングにミサイルを装着できる。
- マリンザウラー
体色は青色。交換パーツは大型フロートで、四肢を外し両腰にフロートを装着して水上・水中形態になる。フロート部にミサイルを装着できる。
- アースザウラー
体色は茶色。交換パーツはキャタピラで、四つん這いの戦車形態となる。後肢大型キャタピラにミサイルを装着できる。
プラモデル
79年当時に、タカラよりマシンザウラー、プテラス、トリプスの三種がプラモデル化されている。
シュリンクタイプで、セット300円、ばら売り一個100円。箱サイズは15.4×7.4×4.5㎝。プテラス及びトリプスは、唯一の製品である。
ただし、プテラスはサイズの違いか、合体機能はオミットされている。
また、パッケージに描かれたトリプスのデザインは、漫画版のトリケラドプスと比較すると、かなり異なっている。
非常に流通数が少なかったらしく、現在では資料などでもほぼ言及される事はないらしい。
詳細はこちらを参照。
その他
後に、2000年にユージン『SRシリーズ 懐ロボミュージアム ダイナミックプロ パート4』でカプセルトイフィギュア、2007年にはマーミット『怪獣天国EX』でソフビフィギュア化されている。
2012年には、StudioNello×エム・イー・エフによりレジンキット化。漫画に寄せたデザインに、若干の現代的アレンジが施されている。
後に、同スケールのプテラス及び、合体用のウイングパーツも発売。マシンザウラー飛行形態を再現できる。
2024年には、「トリプス」および「トリケラドブス」が、セットでレジンキット化される予定。
映像・主題歌など。
映像化は行われなかったが、上述の通り池田鴻氏によるイメージソングが発売されている。
「おれのマシンザウラー」
他に、TV用の玩具CMでは。マシンザウラーとデスクロスの着ぐるみが作られ、撮影された。
関連タグ
永井豪 ダイナミックプロ タカラ マグネモ(マグネロボ) キングレコード 恐竜 池田鴻
:劇中に登場するデストロン恐竜戦隊の一体・ゴウリュウが持つ恐竜型シェル(※)のデザインは、マシンザウラーがモチーフ。
※恐竜戦隊はそれぞれに、内部に本体ロボットを収納する、サイボーグ恐竜型の外殻(シェル)を有している。