概要
特殊な方法でしか入る事が出来ず、普通にプレイしていれば存在に気付く事すらないだろう。
アンドルフの実験によって存在が示唆されている異空間。
このステージへの入り方は以下の通り。
- Lv.3ルートのアステロイドベルトのステージへ入る
- しばらく進むと右側に出現する大きな銀隕石を破壊する
- 破壊された隕石から巨大な鳥が飛来してくるので、その胴体に当たる
成功すれば目の前が真っ白になり、気づけばステージ選択画面になっている。
しかし、本来そこには無いはずの白い裂け目がマップに出現しており、その裂け目へと吸い込まれていくアーウィンの姿が。
以上の方法でステージに入る事ができるのだが、いざ入ってみると、そこにはそれまでのゲーム内容からは想像もつかない光景が広がっていた。
BGMはクラシック「春の声」のアレンジになっており、背景はまさに異空間といった感じに歪んでいるうえ、背景そのものも顔のついた不気味な惑星が浮かんでいるなど、常識ではありえない世界観となっている。
現れる敵機は2種類の「折り紙」であり、文字通り薄っぺらい紙が自動的に紙飛行機等に組み立てられて襲ってくるという現実離れしたものであり、まるで子供の持つ無邪気さと狂気を表したかのようなステージ構成となっている。
この紙飛行機自体も、そこらへんの敵戦闘機より単純に強いうえ、個体によってはトリッキーな反撃をしてくるので始末が悪い。
そんな精神衛生的に大変よろしくないこのステージを進んでいくとボスが現れるのだが、そのボスはなんと巨大なスロットマシーン。
BGMも童謡を中心とした「雪⇒聖者の行進⇒ちょうちょ⇒ハナマルキ」のアレンジループに変化する。
このボスは普通の方法では倒す事が出来ず、倒すためにはスロットマシーンだけに「当たり」、つまり777を揃える必要がある。
この時アンドルフの顔の絵柄を出してしまった場合、スロットが攻撃を行ってくる。
なぜか通常のミサイル・レーザー・プラズマボールといったアンドルフ軍の兵器なのだが、これもアンドルフ軍製なのだろうか?
ちなみにスロットの絵柄が揃うかどうかは運次第。引きが悪いと数十分粘ることになる。
たまにランダムで次の1回だけリールをホールドできるため、7の出目がホールド可能な時は迷わず利用しよう。
なんとか777を揃えると、スロットマシーンは大量のコインを吐き出して爆発する。
これでようやく背景のゆがみが消える。
すると、画面に表示されたのはまさかのスタッフクレジット。
アンドルフを倒していないのにクレジットが出てくる時点でもうおかしいのだが、それが終わると画面には1文字1文字が傾いた「THE END」の字面が登場する。
これをレーザーで撃つと文字が回転するので今度はこれを揃える事になるのだが、成功率はやっぱりランダムだし、どこからか現れる敵機が文字を揃えるのを邪魔してくる。
で、敵機の妨害にも負けずすべての文字を揃えると、ようやくこの不気味な空間ともお別れできる…
と思ったら、BGMがスロットマシーン戦のものに逆戻りし、「THE END」の文字が新たに現れて揃え直しである。
いくら文字を揃えようがまた新しい文字がやってくるだけであり、BGMも変わらない。
質の悪い事に、このステージはこれが仕様通りの終わり方である。
考えてみれば、スタッフクレジットとエンドクレジットを見ている時点で、これ以上続くはずが無いとわかるのだが、わかりたくなかった。
背景のゆがみが消えたということは、次元のゆがみがなくなった、つまり元の次元への道が完全に絶たれたことを意味する。
なので、このステージを抜けるにはゲームオーバーになるか電源を切るかリセットするしかない。
みんなのトラウマ
このステージは、その異様な雰囲気からみんなのトラウマと言われる事がある。
ステージ全体がさながら「狂気」を感じさせるつくりであり、その上クリアしても元の世界へは戻れないという終わり方が主な要因である。
また、このステージの終わり方をストーリーと照らし合わせて考えるとこれまた嫌な事実が浮かび上がってくる。
今作におけるアーウィンの設定は、「アンドルフに追い詰められたコーネリア軍が戦況打開のために投入した、いわば最終兵器」である。
しかし、このステージに入った時にペパー将軍は、
「フォックス君! フォックス! …アーウィン、一体どこへ消えてしまったのだ… コーネリアを守ってくれ!」
とうろたえており、このステージに入った時点で通信は途絶している。
アーウィンが異空間に閉じ込められ消息不明となってしまい、「切り札を失ったコーネリア軍がどんな末路を辿ったか」と考えると、非常に後味が悪い。
実際には、このステージ内では仲間からの通信が来ないため、異次元に迷い込んだのはフォックスだけだと思われるが、チームメイトが、それもチームの主力たるエースが戦線で行方不明になってしまったと考えると、アンドルフ軍との戦いは絶望的な戦況になることが予想される。
また、このステージの名称も、自分たちのいる次元から放り出されてしまったことを感じさせるネーミングとなっている(後述の外部リンク)。単に別次元であることのみを言い表すならば、たとえば星のカービィシリーズのアナザーディメンションみたいな言い方で十分伝わるはずであり、それを「アウトオブ」という言い回しを持ってくるあたりに、ここがどのような場所であるか、フォックスたちが置かれたシチュエーションがどういうものかを示している。
このステージは、スタッフがポリゴン制作の練習用に作り上げたオブジェクトを再利用して作られたもの。
だからこそお遊び要素や意味のなさそうな障害物などが浮遊しているのだが、それをストーリーに組み込んでプレイヤーを狂気と絶望のどん底に撃ち落とす辺り、さすがである。
動画
関連タグ
スターフォックスゼロ...「ベノム」への最短ルートである「セクターΩ」がこの空間ひいてはシリーズに登場した異空間を彷彿とさせる。「宇宙の墓場」という肩書きは初代のブラックホール、回転する柱や無数の隕石は64版のワープゾーン、そして中盤にとばされる謎の異空間にいたってはエースパイロットのファルコですら操縦不能の一歩手前、フォックスですらオールレンジモードでないと戦闘継続不能と言う有り様、天才メカニックのスリッピーからは機体の異常が報告されるため、ニコ動のプレイ動画では、この空間が映ると、"アウトオブディスディメンションズ" "777"など連想ワードコメと共にトラウマが蘇ってしまう視聴者がかなり居る模様。
パロディウスシリーズ……人面惑星などの世界観、ステージやボス戦曲が童謡やクラシックのアレンジを使用しているなどの共通点がある。