概要
低解像度で生成(レンダリング)した静止画や動画を高解像度にすること。超解像(Super-resolution)ともいう。
近年のコンピュータゲームに広く用いられる技術で、GPUが低解像度でレンダリングした映像を4Kなどの高解像度にアップスケールしてから表示している。pixivの投稿作品では主にAIイラストに付けられている。
どうしていったん低解像度でレンダリングを行うのかというと、最初から高解像度のグラフィックを生成すると大量のVRAMを食うためである。また、レンダリング時間と消費電力の節約にもなる。レイトレーシングなど極端に負荷がかかる描画の場合は事実上超解像技術は必須である。低解像度で生成したAIイラストにアップスケーリングを施すのも同じ理由である。
詳細
GPUメーカーのNVIDIAは「DLSS」(Deep Learning Super Sampling)、AMDは「FSR」(FidelityFX Super Resolution)という超解像技術を投入した。FSRはオープンソース(MITライセンス)なため他社ハードウェアでも勝手に改変して利用でき、IntelのXeSS(Xe Super Sampling)、AppleのMetal FX UpscalingもFSRがベースである。
VHSやDVDなどの低解像度で作られたコンテンツをフルHDや4Kなどの高解像度に変換するアップコンバートに似ているが、アップコンバートは解像度補間のみを行うのに対し、超解像は人工知能などが色深度やオブジェクトの動き情報など他の情報も加味して補完を行う手法を指すことが多い。
…このため、真の超解像と言えるのは人工知能を活用したDLSSだけで、FSRやその派生技術は(色深度やモーションベクトルも加味して補完を行うものの)従来のアップコンバートの延長線上でしかないのでは?という意見もある。もっとも、DLSSは専用のTensorコアを搭載したGPUがないと使えないのに対し、FSRとその派生技術は従来のハードウェアでも利用可能という強みはある。