概要
1991年にセガよりメガドライブ版「アドバンスド大戦略 ドイツ電撃作戦」が発売されている。システムの元となったのはシステムソフトの大戦略シリーズ。なお当時、勝手に「大戦略」と名付けられた同社と無関係なソフトも他社から販売されたこともあるが、本作はれっきとしたライセンス作品である。
第二次世界大戦のドイツ第三帝国の戦いを題材としており、プレイヤーはドイツ軍を操って、数々の新兵器を開発しながら、ソ連などの連合国を相手に戦い勝利に導くのが目的である。
・・・と書けば簡単な話だが、キャンペーンシナリオの難易度は「第二次世界大戦時のドイツ帝国の興亡を極限までシミュレート」というコンセプトに寸分の狂いも無いガチの無理ゲーである。
序盤は性能の差で周辺諸国を圧倒できるものの中盤以降ソビエトやアメリカが出てくるとこれでもかとばかりの物量作戦にジリ貧になる事必須で、セガは真面目なプレイでクリアできるようにする意図は無いのだろう。
一方、自軍フェイズだけ不利なルールをOFFに出来る、マップエディッタによる地形の書き換え、CPUユニットを操作可能にするなどの公式チートが充実しており、これらを利用してようやくゲームらしく遊べるという凄まじいゲームバランスである。
ドイツが敗北した史実を見ればこの結果は明らかであり、真の目的は文字通りの第三帝国の栄枯盛衰を味わうことである、とまで言われた(この点は光栄の「提督の決断」における大日本帝国軍にも通じるものがある)。
主に欧州戦線が舞台となったので、同盟国の日本軍は登場しないが、イタリア軍は一応登場する。CPU担当のイタリア軍が前線近くの空港や都市を延々と占拠し自軍の補充の邪魔になる様もファンの語り草である。
同世代の家庭用機種と比較してCPUの処理速度の速さには定評のあったメガドライブもってしても、処理速度の遅さには定評があり、敵ターンにおいて「風呂から上がってもまだ思考中だった」と公式HPでも書かれる程である。なお対人対戦プレイの場合は過剰な難易度もCPUの遅さも問題になることはなく、モデムを利用した対戦プレイも可能であった。
現在までに、続編ソフトは数多く制作されているが、題材が題材だけに(オープニングはヒトラーの演説で始まる)ドイツでは販売されていない(イスラエルもだが、ナチスを好意的に扱った作品を出すだけでも両国では法律に触れるくらいなので、今後も正規販売は不可能だろう)。
続編など
改良版としてセガサターン向けにワールドアドバンスド大戦略が発売。
1998年に「ADVANCED大戦略'98」としてPC向けにリメイクされ、以降はPC版を中心に展開。マニアック度はさらに進行、「2001」にて日本軍も参戦を果たした。
また2006年にはPS2版にMD版ベースにリメイク移植されているが、メガドライブ版もそのまま収録されており、処理速度も改善され、敵行動1ターン20分のところを3分で終わらせている。
余談
- タイトルは「アドバンスド」だが、正確な英語の発音は「アドバンスト」が正しい。
- 侵略!イカ娘(TVアニメ)の作中にこのゲームで遊んでいると見受けられるシーンがある。