概要
オオクワガタ属・コクワガタ亜属に分類されるコクワガタの一種。
学名は「Dorcus amamianus」。
学名・標準名共に原名亜種が奄美大島に生息することに由来する。
体長は大型個体で35mm程度となる。
オスの大顎は細短く「くの字」状に湾曲し、中央に内歯が上向きに生え、オオクワガタのような形状となる。但し、頭部は小さく体型もコクワガタのように細身なため、オオクワガタよりもヒメオオクワガタに似た外観となる。
メスは上翅に縦筋が入る。
脚は本土のコクワガタと比較し長めであるため、樹洞よりも樹上での生活に適しているとされる。
成虫はドルクス属の例に漏れず長寿であり、1〜3年生きる。
コクワガタよりもヒメオオクワガタに近縁とされている。
標高150m以上の広葉樹林に生息しており、本土のコクワガタのように個体数は多くない。
活動時期は4月下旬〜10月とされ、6月〜8月にピークとなる。
分布域は亜熱帯気候であるが、冬眠が可能である。
亜種
4亜種に分類される。
原名亜種(ssp.amamianus)
体色は黒〜黒褐色となる。
トクノシマコクワガタ(ssp.kubotai)
徳之島に分布している。
体色は褐色寄りになる。
リュウキュウコクワガタ(ssp.nomurai)
沖縄本島北部に分布している。
オキナワコクワガタとも呼ばれる。
体色は黒くなり艶が入る。
ヤエヤマコクワガタ(ssp.yaeyamaensis)
西表島に分布している。
体色は暗い赤褐色となる。また、前胸の幅が狭くなり、頭楯の形状にも他亜種との違いが見られる。
希少な亜種であるため、本種の中では最も高額となる。