概要
翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)アズダルコ科に分類される。
名称(学名)の由来はペルシャ神話に出てくるシームルグの一つでフェニックスに似たアランカという怪物に由来する。
特徴
翼の差し渡しが4~6mにも及ぶ中型の翼竜である。アランカは前上顎骨と下顎骨の断片と恐らく頸椎とされる断片的な骨のみで知られる。模式種はA・サハリカ。これら二つの断片は1999年に分類不明のプテラノドン類としてビュフェトーらによって記載された 。それから、3つの追加の顎の標本(上顎骨はより良好な保存状態)が2010年にイブラヒムと学生たちによって記載された。嘴状の顎は真っ直ぐで尖っており、アズダルコ科のケツァルコアトルスやチェージャンゴプテルスに似ている。この顎を基に近縁の種のプロポーションから推定して、アランカ・サハリカの翼開長はおよそ4mと見積もられた。しかしイブラヒムと学生によると、脊椎はもっと大きい個体のものであることを示し、翼開長は約6mになったのではないかと指摘されている。新たな嘴の断片が2015年にcf. Alanqaとして記載された。この断片は、顎の開閉に関わる2つの骨突起を有し、以前からアランカとされていた顎の隆起と一致している。これらは、この翼竜における異常なほどの機能的特化を示唆する。考え得る機能には、ビジュアルディスプレイ、軟組織の付着部、そして硬い殻をもった獲物の粉砕が挙げられる。