概要
史上最大の飛翔動物とされるケツァルコアトルスと同じ翼指竜亜目(プテロダクティルス類)アズダルコ科に分類される巨大な翼竜。約7600万年前(カンパニア期)のカナダ西部に棲息していた。
化石自体は1972年にアルバータ州で産出していたが、当初は部分骨格が発見された程度で研究者からも新種とは考えられておらず、同じく北米産の近縁種ケツァルコアトルスのものと見られていた。
だが2019年9月にイギリスのロンドン大学クイーンメアリー校の研究班によって精査された結果、ケツァルコアトルスとは別属と特定され、晴れて新種の翼竜として発表された。
学名の意味は「北風の凍れる竜」。当初は『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場する氷属性のドラゴン「ヴィゼリオン」に因んだ学名も検討されていた。
翼開長は最低でも5m、最大で10mに達したとされ、ケツァルコアトルスと同等の巨体を誇る。
近縁種と同様に小型恐竜を含む小動物を食べていたと考えられているが、ティラノサウルス科やドロマエオサウルス科といった肉食恐竜には敵わなかったとされている。事実、サウロルニトレステスの歯が食い込んだ化石も確認されている。