《それでは、こちらで失礼いたします》
機械音声:井上麻里奈
概要
お台場を拠点に活動している、パルクールを基にしたチームレースバトルゲーム「バトルクール」の参加チーム。
チームの全員が無個性なユニフォームと一つ目のマスクを身につけており、口を開く代わりに機械音声を使って会話するリーダーの姿と相まって、無機質で不気味な印象を受ける。
彼らは「壁泡」によって隔絶された都内の各地で行われているバトルクールの模様を撮影し、動画投稿サイトで配信することによって、都外の視聴者をはじめとするスポンサーたちから豊富な資金援助を受けている。そして、その収益をもとにジェットブーツをはじめとする最新鋭の装備品をそろえ、それらを用いたド派手な活躍ぶりを動画で配信することにより、さらに人気を得るといったサイクルを繰り返している。
金儲けのためにバトルクールを利用するアンダーテイカーは、あるとき渋谷を拠点に活動する強豪のバトルクールチーム「ブルーブレイズ」との対戦を控える。彼らはその機会を活用してインターネット上でさらなる注目を得ようと画策し、卑劣な手口のもとにヒビキやウタといった「ブルーブレイズ」の面々を戦いの舞台へと引きずり出すことになる。
ユニフォーム
黒と紫を基調とした無個性なユニフォームに一つ目をあしらった機械のマスクを被った、人間味を感じさせない無機質で不気味な格好をしている。また、チームを束ねるリーダーは会話の際に直接口を開かず、左手のグローブに内蔵されたスピーカーから女性の声を模した機械音声を流しており、それが不気味な印象に拍車をかけている。
チームの象徴にもなっている一つ目のマスクにはカメラレンズや交信用のインカムなどの機器が備え付けられており、「ブルーブレイズ」のメンバーであるヒビキは彼らのバトルを観戦していた折に「アンダーテイカーのメンバーからは嫌な音がした。人工的な、耳障りな機械音。耳の奥がツンとして、ざわめきが止まらない。うるさかった。騒がしかった」などと嫌悪感を抱いている。(小説版、149ページ)
なお、アンダーテイカーのリーダーのグローブから発せられる機械音声を担当した井上麻里奈は、収録にあたって「アンダーテイカーのリーダーは謎に包まれすぎていて、アフレコ現場に行くまで正解がわからなかった」と語っているほか、音声案内的なボイスによって異質な感じを生み出すために苦労していたことも明かしている。(『バブル』オフィシャルブック、70ページ)
戦術
リーダーの統率のもと、事前の入念な計画に基づいた作戦とインカムによるリアルタイムな情報共有を行っており、一分の隙もないプログラミングじみた動きを見せている(小説版、144ページ)。加えて、最新鋭の装備品であるジェットブーツを駆使することで、人力ではなしえない長距離の跳躍や高速での急襲も可能になっているため、ほかのチームとは一線を画す予測不可能なバトルスタイルを強みにできている。
それらの要素を織り交ぜたアンダーテイカーの戦い方は、相手チームを袋小路に誘い込んで行動不能に陥れたり、相手をわざとゴールの手前まで走らせて油断したところを一気に急襲して仕留めたりするなど、徹底的な容赦のなさやバトルの流れを掌握するエンターテインメント性がうかがえるようなものとなっている。(小説版、203~204ページ)
活動
お台場に拠点を置くアンダーテイカーは、都内各地で行われているバトルクールの模様を動画投稿サイトにアップロードして配信している。彼らが配信している動画は『東京デスゲーム』と称されたバトルクールの勝負のみならず、「ブルーブレイズ」や「関東マッドロブスター」をはじめとする他チームの勝手な解説、ジェットブーツやドローンの紹介など多岐にわたっており、それらの非現実的でエキサイティングな内容から、都外の視聴者から人気を集めて収益を得ることに成功している。(小説版、188ページ)
バトルクールに参加する意義を「金儲けのため」とする彼らは、他チームに対する慇懃(いんぎん)無礼な振る舞いが常態化しており、それらの態度やアンフェアな装備、そして他チームのプライドを平然と踏みにじるような動画配信活動などによって、たびたび他チームから強い不快感を抱かれている。(小説版、188~190ページ、『バブル』公式ファンブック、71ページ)
装備品
ジェットブーツ
アンダーテイカーのメンバーたちが履いている、バトルに特化した最新鋭の高性能ブーツ。キャッチコピーは『桁違いの推進力』(小説版、146ページ)。
靴底の部分に高圧のジェット水流を噴射する機構が備わっており、それを用いることで人力ではありえないほどの爆発的な加速力や跳躍力を手にすることができる。
作中においても、100メートルほど前方を走る相手に一瞬で肉薄したり、コース上の障害物をよじ登ることなくジャンプするだけで軽々と跳び越えたりするなど、その高性能ぶりが遺憾なく発揮されている。あわせて、ジェットの噴射力を用いて脆(もろ)くなった建物や道路を崩落させたり、相手チームをわざと袋小路に誘い込んで自分たちだけジェットブーツの跳躍力で脱出するといった、彼らの立てる策略の実践にも一役買っている。
なお、瞬発力に優れるという利点があるものの、空中での細かな軌道修正が利かないため、宙に浮く泡や人工物を伝っての移動、もしくはそれを行う相手への妨害や襲撃には不向きである。(小説版、217ページ)
ドローン
遠隔操作システムと動画撮影用のカメラを備えた、小型のマルチコプター型ドローン。機体にはアンダーテイカーのシンボルマークである悪魔の羽根がついた一つ目が描かれている。(小説版、193ページ)
上空からの動画撮影のほか、相手チームの活動に対する偵察にも用いられている。
潜水艇
数名が乗り込める大きさのポッド型の小型潜水艇。物資運搬用のモーターボートとは違い、海面下を気づかれることなく航行できる。
ひと目見ただけで高価であることがわかる代物であるが、裏を返せば彼らにそれだけ強力な資金源やスポンサーが存在する証ともいえる。
関連タグ
立体機動装置 - 個人で運用可能な機動用装備つながり。アニメの制作会社も同じである。
ポンプ(マリオシリーズ) - 水圧で跳躍する装備つながり。
参考文献
- 武田綾乃『小説 バブル』 集英社文庫 2022年4月30日発行 ISBN 978-4-08-744376-9
- 『バブル オフィシャルブック』 集英社 2022年4月28日発行 ISBN 978-4-08-102413-1