概要
『新約』終盤からずっと裏で暗躍するアンナ=シュプレンゲルに反撃するため、クロウリーが用意した秘策。
『黄金』の創設者メイザースやウェストコットの恩師にして、アンナ=シュプレンゲルの原型の一つと噂される女性の魔術師。
既に死亡しており、その遺体は聖者の永続的な保存を目的とした『彼ら』と呼ばれる組織に隠され定期的に所在を移されていた。
作中では渋谷の大型商業施設・ミヤシタアークの業務用冷凍庫に保管されていた所をアレイスターらが発見した。
作中の行動
「アンナ=キングスフォードッッッ!!!??? 軽く見積もって一〇〇年前には確定で死亡しているはずのあなたが、今になって一体どうして!?」
「んふ☆ ではなんて言って欲しいノでしてよ、アンナ=シュプレンゲル。アナタニお仕置きしたくて悪魔ヲ〆て引きずり回し、地獄ノ門ヲ蹴破ったぜー的ナ? いえーい!!」
創約6巻で復活を果たした。
どうやら彼女は生身の肉体ではなく、所謂アンドロイドのような身体をしており、シュプレンゲル嬢と激突する前にクロウリーが『中身』を弄っていた。
言葉遣いが丁寧な大人の女性の雰囲気を感じさせるが、実際に台詞を書き起こしてみれば歴代で一番難解でややこしい口調をしている事が分かる。
軽く例を挙げてみると、
- 「年齢ヤ♂♀(だんじょ)ノ区別×(なく)万人へ平等ニ配給すべし」
- 「人質作戦ハ使わせ〼×(ません)わよ」
- 「真ニ◎(すぐれた)魔術ニ、特別ナ道具ヤ建造物などハ×(ふよう)」
アンドロイドと言ってもあくまでも身体の話で、自我はおそらく本物(かつてクロウリーやコロンゾンが行った「特定の個人を再現した人格」ではなく)、つまりキングスフォード女史のものだと思われる。
無線式の充電で動くが、これはクロウリーが「遺体を運ぶの面倒だし、ものを飲食して栄養補給するよりエコだから」という理由で取り付けたもの。
さらに左右の肩甲骨の間には、最終安全装置として『機能遮断用物理スライドスイッチ』もあり、上に押し上げればキングスフォード女史の身体は機能停止する。
ただしアレイスター=クロウリーが、アンナ=キングスフォードを必要以上に利用するものなら「『◎(ぜったい)安全』という前提ヲ容易く崩しても即座ニ×(はんき)ヲ翻す」と忠告している。
その実力は伝説の名に恥じず、あのアンナ=シュプレンゲルが手も足も出せずに圧倒され続け、しまいには大きな円盤状のフィルム缶に顔を除き全て封印されるまで追い詰められる。
キングスフォード女史と対峙したシュプレンゲル嬢は、それだけで狼狽えて顔が恐怖で染まっており、まさに『天敵』と呼ぶに相応しい存在であった。