「想像してみたまえ。未開の野蛮な種族が、ガーディムの一員となれる事の栄誉を」
プロフィール
概要
ガーディム第8艦隊司令官。愛機は戦艦「スリニバーサ」。
人物像
容姿
白い髪をオールバックにした屈強な初老の男性で、劇中におけるガーディムの支配者として君臨する。
性格
「指導と教育と啓蒙は我々の義務」と語り他者と接するなど一見理知的で落ち着いた指導者然とした雰囲気だが、実際はガーディム人以外の種族を「猿」「劣等種族」と呼んで露骨に見下し他種族と分かり合うという発想そのものを持たない、傲慢で尊大な慇懃無礼極まりない性格。
おまけに他種族が喋ることすら「猿が人語を介するのには相応の時間が必要」とまで言うなど、そもそも他種族を同じ知的生命体として認めていない節まである筋金入りを通り越した差別意識の塊。
このような思考はガーディム人の為政者や指導者には共通したもので、アールフォルツだけがガーディム人の中でとことん傲慢で外道な存在という訳ではない。
逆を返せば、ガーディムではこんな性格や思考の為政者や指導者がデフォルトということである。
ガーディム人以外の全てを心底見下し切っているため、ガーディム人以外へ向ける感情は希薄で冷淡。
相手に罵倒されようと「ペットに吠えられたくらいで人は感情的になるような事はない」と何の感慨も示さず、戦争や虐殺行為を「作業」とまで言い切る。
生きたテロン(地球)人は、生きた人間の絶無なガーディムにおける「希少なデータサンプル」として見ており観察対象にしている。
なおかつて自分達のテリトリーであった大マゼランで版図を広げるガミラス帝国には内心敵意を向けており、
デスラーが帝都に第二バレラスを落とす蛮行に走った場面に遭遇した際は、
「指導者に見捨てられるような民ならば消去も当然」「そしてそれは超文明ガーディムが行わなければならない」という理由で、第二バレラス直撃の瞬間まで帝都に住むガミラス人を率先して虐殺しようとした。
3000年前のイスカンダルとの戦争風景を見せてあたかもイスカンダルが今も攻撃的な文明であると誤解させる卑劣な策を仕掛けており、そのことについても「嘘は言っていない」「勝手に誤解した方が悪い」と開き直る悪辣な一面も覗かせる。
但し他人を見下し切っているとはいえ自軍の面々に罵倒されればしっかり苛立つ。
要は自尊心・プライド・選民思想が異常なまでに高く凝り固まっているだけである。
作中での活躍
主力艦スリニバーサを本拠地とし、部下のジェイミーやグーリー、エージェント達を使ってガーディム再建の為のデータ収集を行っており、あまり自ら姿を現すことはない。だが物語終盤、ガーディムの存在した大マゼランで版図を広げる大ガミラス帝星を「矯正」すべく、ガミラス本星の帝都バレラスに向かう。
デスラーが帝都に向けて、第二バレラスの633工区を落下させる瞬間に出現。「指導者に見捨てられるような民ならば消去も当然」とし、633工区直撃の瞬間まで帝都に住むガミラス人を皆殺しにしようとする。更に、地球をガーディムの新たな母星にする野望と、その為にヤマトを狙っていた事を明かす。バレラスやガミラス人を守ろうとする地球艦隊・天駆と激突するが敗れ、スリニバーサ諸共撃沈される。
だが、バレラスの戦いで死亡したと思われたが生き延びており、地球艦隊・天駆を追って地球近海に再び現れる。だが、アールフォルツの顔半分からは機械部分が露出しており、彼自身もアンドロイドだった事が判明。これによりガーディム第8艦隊は生きたガーディム人は存在しないアンドロイドのみの集団だった事が判明する。彼の正式名称は「アールフォルツ:A0012M」というアドミラルタイプのアンドロイドで、過去に存在していたオリジナルのアールフォルツのデータから製造された。
アールフォルツ:A0012Mはアンドロイドとしては非常によく出来ており、これは「本物と寸分違わぬアンドロイドを作り出せる」というガーディムの技術力の高さを物語っているように見えるが、見方を変えれば「ロボット(機械)で再現できてしまう程に人間性の欠如が末期的である」とも捉える事ができる。
アールフォルツ(オリジナル)
3000年前、当時のイスカンダルと大マゼラン銀河の支配を賭けて争っていたアールフォルツ本人。旗艦バースカルで指揮を執っていた。
自身を模したアールフォルツ:A0012M(以下A0012Mと表記)が、ナデシコのボソンジャンプ関連の解析データや、ヤマトの波動エンジンと次元制御技術の解析データを用いてタイムホールを開き、それを通って現代の地球近海に出現する。A0012Mからこれまでの戦闘データを受け取るが、「自分と同じ顔のアンドロイドが存在するなど許されない」という理由だけで用済みとなったA0012Mをスリニバーサ諸共破壊した。その傲慢さとエゴは、自身を模したA0012M以上に酷く醜く歪んでいる。A0012M達が起動しようとしたシステム・ネバンリンナの存在も不要としており、自らが生きてさえいればガーディムの再建も簡単だと豪語している。
次元融合で滅びかけている地球をガーディム再建のために「使ってやる」べく侵略を開始し、地球艦隊・天駆と対決(この時は人員が貴重なため、無人機を繰り出している)。彼等の戦力に押し止められるが、更なる戦力増強の為にタイムホールから第8艦隊の本隊を呼び出す。その戦力で地球艦隊・天駆を圧倒しようとするが、この瞬間に旧ガーディム人を「害悪」と判断したシステム・ネバンリンナが起動(正確には、最初のタイムホールが開いた時点でエージェントを本隊側に送り込んでいた)。第8艦隊の人員はネバンリンナの端末であるエージェント達の手で皆殺しにされ、その際にネバンリンナによってガーディム人の遺伝子を採取される。最後に生き残ったアールフォルツは、もはやネバンリンナにとって用済みの存在であり、バースカルの動力炉を欲したネバンリンナの手でバースカルを破壊されて死亡した。
余談
名前の元ネタはフィンランドの数学者「ラース・ヴァレリアン・アールフォルス」と思われる。
関連タグ
エンリコ・プッチ:中の人繋がりの外道。ただしこちらは外道に堕ちた背景には幾分か同情の余地がある。
ラグナヤル・ディンハーリッシュ:バンプレストオリジナルの指導者系キャラ、準ラスボス、艦隊司令、劇中における組織のトップなど共通点が多いキャラ。ただしこちらは力ある者に対しては女子供であっても侮辱したり差別することなく、種族の垣根を超えて公平な評価を下すことが可能で大将という自覚や責任も重く、艦が大ダメージを受ければ自分以外の乗員を退艦させて独りで戦うことも辞さない、部下想いで器の大きな誇り高い熱血漢である。