「さーてねぇ……俺には……なぁんにも聞こえねェよ……」
「なめんじゃねぇぞ……若造が!!」
登場話:第6話「風鈴」
演:松方弘樹
概要
息子・テツヤの交通事故死を受け入れられない風鈴職人・シマダの陰我に付け込んで憑依した、風鈴を思わせる丸い頭部・両肩を持つ騎士といった姿の陰我ホラーで、棒術を得意とする。
自身の分身が宿った美人画が描かれた風鈴を売り回り、実体化した分身の美人画(演:椿かおり)を介して購入者を喰らっていた。
生前のシマダはかつて子供の頃の冴島雷牙と出会っており、共に風鈴を作った思い出がある。
活躍
風鈴売りの姿で風鈴を売り回り、多くの人間を襲ってきたがついに雷牙に居場所を特定され戦闘、人間態のままでも竹棒を使った棒術で彼と互角に渡り合う。
ホラー態としての姿を顕して戦うものの、最後は迷いを捨てた雷牙に両断され、かつての思い出に浸りながらガラスのように砕け散り、消滅した……。
余談
名前の由来は「エゴ」+「セイレーン」+「サイレント」からか。
終盤の戦闘における、竹林のある夜の神社をバックにガラスの破片が白い花弁のように舞う中、雷牙とシマダの姿で竹の鳴る音が静謐に鳴り響くおごそかな殺陣は必見。
ちなみにこの殺陣では当たっても大丈夫なように偽物の竹を使用し、アクション映画を思わせる大胆なものが想定されていたが、松方氏の「絶対当てないから本物を使った殺陣をやらせてほしい」という願いで、本物の竹を使用した力強いアクションとなった。
本話は雨宮慶太監督曰く「日本の偉大な技術を支える職人たちへのリスペクトが失われる現代社会の哀しみの匂いを取り入れた」とのことであり、哀しくもどこか懐かしい情緒の溢れた、味わい深い一話となっている。