エル・トポ
えるとぽ
カルト映画の話題になると必ずタイトルが挙げられる伝説的な作品であり、アレハンドロ・ホドロフスキーの代表作。エル・トポとは、モグラの意。
ガンマンを主人公とした西部劇として幕を挙げるが、衝撃的な展開で世界中の度肝を抜いた。深夜興行のみの上映ながら、口コミでカルト化しロングラン。「もしフェリーニが西部劇を、クロサワがキリスト映画を撮ったらこうなったであろう」と評された。感激したジョン・レノンが興行権を45万ドルで買い取り、日本では寺山修司が推薦した。
エル・トポ役はアレハンドロ・ホドロフスキー監督自身で、前半部に登場するエル・トポの子供はアレハンドロの実子ブロンティスである。
砂漠を馬に乗って旅する親子がいた。ガンマンのエル・トポとその息子だ。
通りかかったとある町は山賊に襲われて血と暴力が吹き荒れていた。エル・トポは山賊の部下を倒し、連中が根城にしていた修道院を襲撃する。山賊の頭だった大佐が去勢され、民衆は救われる。エル・トポは大佐の女に見初められ、息子を町に預け、新たな旅を始める。
エル・トポは女に「この砂漠に4人いる達人を倒し最強の男になってほしい」と言われる。達人たちに一人ずつ勝負を挑んでいくが、銃の腕では明らかに達人に分があった。そこでエル・トポは卑怯な手を使って達人たちから勝利をもぎ取っていく。
しかし、仙人の域に達している4人目の達人が死んだとき、エル・トポに残ったのは絶望だけだった。挙句に、道先案内についてきたもう一人の女に裏切られ、女も寝取られてしまう。亡骸になったエル・トポはフリークスたちに弔われ、どこかへ運ばれる。
何十年かが経過し、エル・トポは復活した。エル・トポは暗い洞窟の中で、フリークスたちから神のごとく崇められていた。フリークスたちは脱出困難な洞窟に閉じ込められ、近親相姦で代を重ねていた。彼らのために外へと繋がるトンネルを掘ると約束し、エル・トポは小人の女を背負って岩肌をよじ登った。
監督・脚本・音楽 - アレハンドロ・ホドロフスキー
撮影 - ラファエル・コルキディ
公開 - 1971年4月15日(メキシコ) / 1987年3月25日(日本)
上映時間 - 123分
製作国 - メキシコ
言語 - スペイン語