「私は人類の敵だけど・・・ エレンの味方」
「お前は あの時オレを救ってくれた世界一悪い子なんだから」
概要
エレン・イェーガーとヒストリア・レイスのカップリング。このカップリングはエレクリと違い、エレン×無表情な死にたがりである。
エレンは無表情で愛想も何もないいい子ちゃんではないヒストリアを認めている。二人の境遇は何かと似ており、ヒストリアはエレンに共感したり、乱暴ながらも慰めたり……
最近の原作の展開で注目され始めたカップリングである。そして暗い絵が多い。
本編での動向
調査兵団は王政がエレンとヒストリアを狙っていることを察知すると、ジャンとアルミンを影武者に仕立てて敢えて攫わせ、黒幕を暴くという強硬策に出る。
その間、安全な場所で2人で待機していた際にヒストリアは「いい子のクリスタがいなくてがっかりしたでしょ」と自虐的に話すがエレンは「以前のお前(クリスタ)は笑顔が不自然で苦手だった」「今は不器用で普通のヤツだ」「今のお前は何かいいよな」と語るのだった。
エレンから巨人の力を取り返そうとするヒストリアの父、ロッド・レイスによって、二人は拉致され、驚きの事実を告げられる。かつてエレンの父親グリシャ・イェーガーがレイス家の者を殺してレイス家の受け継いできた巨人の力を奪い去りエレンに与えたこと、その力はレイス家の者でないと真価を発揮できないものであったことが明らかになる。
それを知ったエレンは深い自責の念に苛まれて絶望し、ロッド・レイスの目論見通りにヒストリアに自分を食わせて巨人の力を譲り渡そうとする。
「・・・とてもオレは償いきれない・・・」
「いらなかったんだよ あの訓練の日々も 壁の外への夢も」
「オレはいらなかったんだ」
ヒストリアはその言葉にかつての自分を重ね、最終的には父親の計画を拒否。拘束されていたエレンを解き放って救出する。
「私は人類の敵だけど・・・ エレンの味方」
「いい子にもなれないし神様にもなりたくない」
「でも・・・自分なんかいらないなんて言って泣いてる人がいたら・・・ そんなことないよ って伝えに行きたい」
とヒストリアはエレンに寄り添う言葉をかけるのだった。
その後、調査兵団によるクーデターでヒストリアが壁の王として即位。実質的な政権運営は兵団に任せ自身はレイス家の農場に孤児院を設立し、子供たちの世話をする「牛飼いの女神」と呼ばれるようになっていた。
牧場の手伝いに駆り出されていたエレンはヒストリアに立派になったと話すと、ヒストリアは照れるように顔を赤らめ…突如殺意を滲ませながら現れるミカサに慄くのであった。
クーデターから2年後。マーレから渡ってきた「反マーレ派義勇兵」の働きで港が整備されると、ヒィズル国のキヨミ・アズマビトを国賓として迎える。
キヨミはジークの秘策を伝えにやってきたが、その内容はヒストリアが「獣の巨人」を継ぎ、13年の寿命の中で可能な限り子供を産み、「地鳴らし」の脅威を維持し続けるというものであった。ヒストリアは苦悩の末、それを受け入れようとしたがエレンが立ち上がり
「家畜みてぇに子どもを産まされ殺されて、やっと生きられることを許されるっていうのなら…オレはジーク・イェーガーの計画は到底受け入れられません」
と強く反発。それを聞いたヒストリアは涙を滲ませていた。
それからさらに2年。ジークの提案を受け入れるか拒否して別の策を取るのか、決断を棚上げされたまま時間は流れ、ヒストリアはやはりジークの提案を受け入れると決意する。
だがエレンは
「お前に島の生贄になるためだけの子を産ませ、親子同士を食わせ続けるようなマネはオレがさせない」
と、ジークの提案を拒否する姿勢を強め、さらに「報復の連鎖を終わらせるため世界を地鳴らしで滅ぼす」と宣言。必死にヒストリアは思い直すよう説得するが
「お前はあの時オレを救ってくれた世界一悪い子なんだから」
と、かつてヒストリアが「人類なんか滅んでしまえ」と言った時の言葉を返され、なんらかの形でエレンに協力することになった。
進撃のスクールカースト
単行本の巻末で繰り広げられる嘘予告シリーズではヒストリアは学園の頂点に立つクイーンビーであるが日常を退屈に思い、面識はないもののエレンを同類であると勝手に思い込んでいた。
しかしエレンの周りに人だかりが出来ているのを目撃すると、彼の日常が変化していて退屈なのは自分だけだったと感じるとライナーら取り巻き達に「あいつにひどいことされた」と嘘をつく。
しかし、クイーンビーの影響力は自分が思っていた以上に絶大でエレンは周囲からいじめを受けるようになり、かなり焦ってしまう。身に覚えのないエレンはヒストリアに詰め寄り、ヒストリアも内心では素直に謝ろうと思うものの実際に口をついて出た言葉は全く別のものだった。
エレンに逆襲され、自分の嘘で周囲を扇動したことで逆に取り巻き達とともに嘲笑を受けることになったヒストリアだったが、エレンがみんなの前でヒストリアに謝罪するという演技をするアルミンの機転で騒動が静まり、ヒストリアはエレンの行動に感動するのであった。
その後、エレンが謎のカルト団体に拉致された際、助けを求めたアルミンとミカサに応じてライナーとユミルとともにアジトを襲撃してエレンを奪還する。だが、カルト団体の権力は絶大で、すぐに警察に居所がバレて包囲されて犯罪者扱いとなり、内定も取り消しとなったことで発狂して踊り狂ったあげく失神した。