概要
新線の開業前や電化工事、新駅建設、架線柱などの建替など線路周辺に立っている構造物が大きく変化した時、それらが建築限界(線路周辺に立っている構造物が超えてはならない限界線の事)内にきちんと収まっているか確認するための車両。
オヤ31は車両の側面から矢羽根を広げ、建築限界からはみ出した建造物に矢羽根が触れて倒れるとケーブルまたは電気信号により伝達表示される仕組みで建築限界を測定する。非常に原始的だが信頼性の高い構造である。
矢羽根を広げてゆっくりと走行する様がかんざしをたくさん刺した花魁が歩く姿にも見えることから「オイラン車」とも呼ばれる。
改造種車となった車両は三等車、合造車、食堂車、救援車、連合軍専用車で三等車や合造車、救援車を除き、一般旅客用へ転用するには手間がかかる車両が多く選ばれている。
7両が制作され、5両がJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州へ引き継がれた。
- 東海に引き継がれた12号車は1995年に除籍され、佐久間レールパーク→リニア・鉄道館で保存。
- 九州に引き継がれた21号車は2005年に除籍され現存せず。種車であるスヘフ30 6は連合軍専用客車として接収された際に密閉式展望会議室や寝台設備を設ける改造を受け、接収解除後は復元されることなく1954年3月に建築限界測定車オヤ31 21に改造されていた。この為この形式で唯一、展望室を備えた建築限界測定車となった。
- 北海道に引き継がれた32号車は2018年に、東日本に引き継がれた13号車は2010年にそれぞれ除籍。
- 西日本に引き継がれた31号車は2023年、古い車両の保存に積極的なえちごトキめき鉄道へ譲渡された。