CV:米澤円
概要
彼女の聖骸布は聖王教会が保管しており、それに付着していた遺伝子情報を基にヴィヴィオが生み出されたとされる。
歴史上の人物であるので、『Vivid』本編においては回想シーンのみの登場である。
アインハルトの証言(と言うか彼女の内に宿る『覇王クラウス』の記憶)によると、幼少期の事故で両腕を失い『黒のエレミア(ヴィルフリッド・エレミア)』と呼称される人物が誂えた魔力で稼動する義手を生涯愛用していたらしい。
以下微妙なネタバレ注意
聖王家直系の王女だったが、その頃は埋め込まれた聖王核の力が弱いとされ、さらに幼い頃の魔導事故で両腕を失ったこともあり、王位継承権は与えられず当時の同盟国の一つだったシュトゥラに人質として送られた。
人質として送られたとは言え、シュトゥラでは同国の王子であるクラウスをはじめ、野盗に襲われた事件の際に知り合ったヴィルフリッドなどの友人達に囲まれて武術の腕を磨きつつ充実した毎日を送り、特にクラウスとは周りの者から「やがて結婚するのでは」とまで囁かれる程仲睦まじかったと言われていた。
しかし、戦争が始まってから状況が一変。周辺国家が泥沼の戦争状態に突入する中、敗北へ追い込まれた国は周囲を汚染する兵器「禁忌兵器(フェアレーター)」まで手を出した結果、ベルカの大地は荒廃、人々も苦境に追いやられる。
そこで聖王連合は一族が所有する史上最強の戦艦「聖王のゆりかご」の起動宣告で国々を抑え込もうと考えたが、国々は聖王連合のこの警告を威嚇による圧政としか捉えず暴走、聖王連合とその庇護者らへの襲撃を行うなど事態は更に深刻化し、聖王家は遂にその力を持って戦争を終わらせるという強硬策を実行に移す。ゆりかごの起動には王家の血筋の人間が核となる必要性があり、オリヴィエ自身も数年の修行で本来低かったゆりかごへの高い適合率を認められ、自身が生体コアとなって命を差し出すことになるのを承知でゆりかごの起動者となる事を決意する。
実はオリヴィエ以外にも聖王一族に適合検査の召集がかけられていたのだが一向に適合者は知らされておらず他の者達を生贄にするのを恐れられ敢えて搭乗者に任命せずオリヴィエのように聖王家にとっての価値が低い者が名乗り出て生贄にできるようになるのを待っていた可能性をオリヴィエは疑っていたが、彼女はリッド達が引き止めるのを自分から検査に出向くことを選んでいた。
そしてクラウスの制止を振り切ってゆりかごに乗り込み、ゆりかごの圧倒的戦力により戦争は間もなく終結したものの、これがクラウスおよびリッド達との今生の別れとなり、彼女自身もゆりかごのコアになった反動で若くして落命した。やがて聖王一族の血筋は途絶え他の三人の一族も再び縁を交えることなくイングヴァルトとエレミアの一族は自分達の関係を忘れていき、クロゼルグの末裔は彼らが最終的に助けてくれなかった事から見捨てられたと誤解、その恨みを子孫まで引き継がせていった。
それが覇王になる前のクラウスの悲しき記憶となっており、ある意味、vivid本編での通り魔事件の遠因でもある。
元より両腕が使えずとも足だけで賊を倒せるほどの実力を持ち、さらに義手を得てからは魔法の応用で自身の体を強化するという独自の技術を編み出している。