概要
古代ベルカに生きた放浪の一族「エレミア」の出身者でジークリンデ・エレミアの先祖。
愛称は『リッド』。後に友人となったクロゼルグからは「ミア」と呼ばれていた。
学問を修めるべくベルカを旅しており、その最中で聖王の一族の一つ「ゼーゲブレヒト」家の生まれであるオリヴィエ・ゼーゲブレヒトに出会って彼女の友人となり、学士として城への食客という形で扱われて滞在していた。
オリヴィエが同盟国シュトゥラに留学生(という名目で王位継承権を持たなかった事から半ば人質という立ち位置だった)として滞在するようになると同じく招かれて同国の王子であるクラウス・G・S・イングヴァルトおよび彼の友人である魔女の一族の少女クロゼルグとも交友を結ぶようになった。
歴史上の人物であるので『vivid』本編においては回想シーンのみの登場である(アニメ版プロローグであるイメージ映像に当人らしき人物がオリヴィエの傍にいる場面がある。
以下若干多めのネタバレ注意
人物像
学問を深めるだけあって知識や技術が豊富で生まれてすぐ両腕が欠損していたオリヴィエに魔力で稼働させる事で五指でこそないが、非常に器用に動く義腕を作り与え、生涯愛用してもらう程気に入られていた。
エレミアは武術の技能も多く研鑽していて自身も一人旅の護身のため高い技能を身につけており、クラウスと互角以上の実力を誇り、彼との組手は年相応に心踊るものだったと語っている。一方でクロゼルグとは何故か反りが合わずやたら喧嘩していたという。
実は女性なのだが男っぽい格好、女性と分かりづらい容姿、一人称が「僕」であったため鈍感であったクラウスからは気づかれることはなかった(オリヴィエ曰く気づいていればまともに拳を振るえる筈がない)。風呂に誘われるのも湯は苦手であるのを口実に断っていつも水浴びで済ませており混浴にしないのが一番の理由だったのに気づかないクラウスを周りは笑いを堪えていた。また、放浪気質も持っておりふといなくなっては半年近く姿を見せない事もあったが(この性分は子孫にも受け継がれている)クラウス達が力を貸してほしい時は何時だって傍に現れていたという。
二人との別れ
しかしシュトゥラで過ごすようになってから4年。聖王家は激化する戦乱の終止符を打つためとして最終兵器「聖王のゆりかご」の使用を決定。それの起動に必要な生体核には適合検査の結果オリヴィエが選ばれた。
この検査にリッドもオリヴィエに同行したのだが、オリヴィエがクラウスにもう一度会いに一度シュトゥラへ戻った際、聖王家に彼女がオリヴィエの心変わりや枷になるの危惧されて軟禁されてしまう。このせいでオリヴィエにもクラウスにも会いに行けず、クラウスが止めるのを押し切ってオリヴィエはゆりかごへ搭乗、起動させたゆりかごの力で戦乱を終結へ導くもその反動により数年ゆりかごで飛び続けたまま亡くなってしまう。
ゆりかご起動後もリッドの軟禁は長きに渡って解かれず、クラウスはオリヴィエを止められなかった力不足から来る無念、そしてリッドに対して彼女がオリヴィエが強くなるのを手助けしたのがゆりかご搭乗を決意させた要因にしてしまった事、このような事態にありながら姿を消していた事(実際は上記の通り会わせてもらえなかったため)に不信感にも近い感情を抱くようになり、戦国の世を完全に終わらせるため戦い続け「覇王」と呼ばれるようになるも戦死。クロゼルグとその一族もどこかへと姿を消し、二度と四人の再会は叶わなかった。
ゆりかご起動直後リッドはオリヴィエが残していた手紙を見つけており、彼女も内心別離が辛かった、しかしいくつものハンデを背負った自分の命の使い道は戦いを終わらせる事くらいにしか選べなかったと考えていた事を知りそういった心境を打ち明けさせられる強さが自分達に持ち合わせられてなかった事を心から後悔したという。
その後のリッドがどういう生涯を過ごしたのかは不明だが、これらの体験談を記録した手記を残しており、無限書庫にて現代まで眠っていたそれが発見されたことでジークリンデ、クラウスの子孫アインハルト、聖王の血筋を復活させるため生み出されたオリヴィエのクローンヴィヴィオが真実を知り、それがクロゼルグの子孫ファビア・クロゼルグにも伝わり、四つの一族の数百年のすれ違いはようやく解消されることとなった。