概要
魔法少女リリカルなのはシリーズ初の「(TVシリーズのコミカライズでは無い)オリジナル作品」であり、なおかつ「TVアニメシリーズの続編」でもある。
2009年5月から2017年10月号まで『月刊コンプエース』で連載されていた。
キャッチフレーズは「次世代型”文系”魔法少女、頑張ってます」←文系って何だっけ?
本作の主人公「高町ヴィヴィオ」と本作からの新キャラクター「アインハルト・ストラトス」の2人の関係を軸に描く「今までのなのはシリーズよりももう少しゆるめで、もう少し魔法少女っぽい物語」である。
「重い展開の戦いでなくても、心のあり方、悲しみに立ち向かう強さを描くことはきっとできる」というコンセプトの関係上、前作までの「魔砲少女」ではなく「スポーツ格闘魔法少女まんが」と表現した方がいいほど、ほのぼのとした明るい日常をメインに描かれており、風呂や変身シーン等、ファンサービスが豊富であることも特徴である(特に単行本2巻掲載の第11話では、コンプエース連載作品としては珍しい乳首の描写があることで話題になったほど)。
特に本作では、なのは達の「休日」の描写、ストライクアーツ、模擬戦等、スポーツとしての格闘シーンが多く描かれている。
時間軸としては、前作『StrikerS』(厳密にはドラマCD『StrikerS サウンドステージX』)と『Force』の間で『Force』の2年前である(PSP版ゲームの2作目である『-THE GEARS OF DESTINY-』で登場するヴィヴィオとアインハルトはこの時間軸上から飛ばされてきている)。
『Force』の「長期休載(→後に事実上の打ち切り)」後も長らく連載されていたが、2017年10月をもって完結した。これにより「現在進行形で展開されるTVシリーズから連なる時系列」は(現時点では)全て途絶えた事になる。
原作・原案など:都築真紀
作画:藤真拓哉
ストーリー
「JS事件」から4年、高町なのはの娘となった高町ヴィヴィオは、ごく普通に学校に通い、クラスメイト達と一緒に魔法の勉強をしていた。
ある日「魔法の基礎もできてきた」と判断したなのはとフェイトは、ヴィヴィオに「いたずらに使わない」という条件で大人モード(聖王モード)になることが出来る専用のインテリジェントデバイス「セイクリッド・ハート(通称:クリス)を与えた。
一方その頃、ミッドチルダでは、覇王を自称するイングヴァルトという謎の人物が強い人物に試合を申し込み、徹底的に叩きのめす事件が頻発していた…
主な登場人物
本作の主人公。10歳の養女で幼女。
- アインハルト・ストラトス(CV:能登麻美子)
本作のもう一人の主人公。覇王「イングヴァルト」を自称するが…
ヴィヴィオ、コロナの同級生。電気と炎両方の属性を持つ変換資質である「炎雷」というレアスキルの持ち主。
ヴィヴィオ、リオの同級生。腕っぷしは弱いがゴーレム創成では誰にも負けないと自負する。キャンディを模した髪留めがチャームポイント。
元ナンバーズで、更正後はナカジマ家に養子に入り、スバルの義妹となった。ヴィヴィオに格闘技を教えた師匠的存在で、本編ではレギュラーキャラとしてヴィヴィオとアインハルトを全面的に支えている。
ヴィヴィオの母親。泣く子も黙る「管理局の白い魔王」だが、娘であるヴィヴィオとの絆は実の母娘と同じくらい強い。
- フェイト・T・ハラオウン(CV:水樹奈々)
ヴィヴィオのもう一人の母親(二次創作などで誤解されがちだが、本編での立ち位置は「高町家の養子縁組の法的後見人」である)。厳しい一面を見せる「なのはママ」の反動からか、ヴィヴィオに対しては過保護的に甘い。
なのは、フェイトの同い年の親友にして元・上司。たまたま「タヌキ」のお面を被っていたために、アインハルトから「たぬ…」と言われた人でもある。
- スバル・ナカジマ(CV:斎藤千和)
元機動六課メンバーで、現在は特別救助隊の隊長として活躍している。ノーヴェと並んでヴィヴィオに格闘技の基礎を教えた師匠の一人でもある。
- ティアナ・ランスター(CV:中原麻衣)
元機動六課メンバーで、現在はクロノやフェイトと同じく管理局執務官となっている。
- エリオ・モンディアル(CV:井上麻里奈)
元機動六課メンバー。現在は辺境世界の自然保護員として働いている。
元機動六課メンバー。エリオと同じく自然保護員をしている。4年経っても身長がほとんど伸びていない。
八神道場の門下生で一人称は「ボク」。シグナムやヴィータと練習試合が出来るほどの実力を持つが、極度の上がり症。
- ルーテシア・アルピーノ(CV:桑谷夏子)
JS事件解決後になのは達の仲間になった召喚士の少女。あの頃とはキャラが180度近く変わっているが気にしてはいけない。
- ジークリンデ・エレミア(CV:中津真莉)
未成年向け格闘技大会『DSAAインターミドル』の現チャンピオン。実は彼女もまた旧ベルカから生きる一族の子孫であり、特にアインハルトとは浅からぬ因縁がある。
- シャンテ・アピニオン(CV:阿澄佳奈)
聖王教会の新米シスターで、シャッハの弟子。奔放な性格で、聖王教会宣伝の目的のためシャッハ達に無断でDSAAに参加を決めた。
- ハリー・トライベッカ(CV:内山夕実)
DSAA参加選手の一人で、「砲撃番長(バスターヘッド)」の異名を取るスケバン少女。格闘技と砲撃魔法を組み合わせた豪快な戦法を得意とする。
DSAA参加選手の一人で、強力な拘束魔法の使い手。母校では生徒会長も務めているほど生真面目な性格をしている。
DSAA参加選手の一人で、「天瞳流」と呼ばれる剣術の達人。同大会においても屈指の実力者として高い人気と名声を誇っており、彼女を慕い敬う者は多い。
- ヴィクトーリア・ダールグリュン(CV:遠藤綾)
アインハルトと同じく旧ベルカの王家の一つ「ダールグリュン」の血を少しだけ引くという名家令嬢。先祖が冠する「雷帝」の名の通り、極めて高出力の雷属性魔法を行使する。
- ファビア・クロゼルグ(CV:瀬戸麻沙美)
「トゥルーウィッチ」と呼ばれる魔女の一族の末裔。使い魔を使った原理不明な魔法を使いこなす。彼女の先祖もまた古代ベルカ関係の一族で、アインハルトとヴィヴィオにそれに纏わる恨みを持つ。
アインハルトのいるクラスのクラス委員長。格闘技ファンであり、大会で活躍したアインハルトに話しかけたことで彼女が周囲と打ち解けるきっかけを作った。アニメ版未登場。
- オリヴィエ・ゼーゲブレヒト(CV:米澤円)
古代ベルカ王家「聖王」の王女でヴィヴィオのオリジナル。クラウスとは幼馴染で共に勉学や修練を積んでいたが、長きに渡る戦争を終わらせるため「聖王のゆりかご」を起動させたため、その反動で若くして命を落とした。
- クラウス・G・S・イングヴァルト(CV:内田雄馬)
古代ベルカにあったシュトゥラ国の王子で、アインハルトの祖先。オリヴィエとともに幼少期を過ごした仲だったが、オリヴィエの死後は生き甲斐を失い、ひたすら武を極めて「覇王」と呼ばれるようになった。
TVアニメ版
本作におけるアニメ化は「漫画を原作にしたアニメ作品」という通常のアニメでは普遍的ではあるが、第1作の放送当時では厳密な意味での原作が存在していない「リリカルなのは」シリーズでは初の事例となる(平たく言えば「とらハ」からは「いとこといとこのはとこの甥っ子のいとこ」くらい離れていると表現しても過言ではない)。
また、シリーズ全体で映像化されたのは、TVシリーズでは「StrikerS」以来8年ぶり、劇場版「The MOVIE 2nd A's」を加算しても3年ぶりの事でもある。
しかし、連載開始は2009年からだが、アニメ版の放送は2015年とアニメ化まで実に6年もの時間が経っている。
にもかかわらず「アニメ化された時のイメージを漠然と思い浮かべる事が出来た」というファンは少なくない。これは「リリカルなのは」シリーズのドラマCDである「サウンドステージ」の番外編というべき「劇場版前売り券の限定版の付属CD」で配役が当てられたのが一因である。
だが、ファン達の間では「アニメ化を期待する派」と「アニメ化までは期待していない派」に分かれており、一時は活発に議論されていた時期もあったが、それ以降は「Vividのアニメ化」に関して表立って触れられる事は皆無となった。
しかし、TVアニメ第1作が放送されて10年目の2014年8月15日、コミックマーケット86の初日にて、TVアニメ化が発表された。⇒作者、藤真氏の公式ブログ内での報告
主要メンバーの配役は前作・ドラマCD版から続投している(ただしギンガ・ナカジマの配役に関してはこれまでの木川絵理子から早見沙織に交代している)が、製作スタッフがガラリと変わり、キャラクターデザインはTVシリーズの前作や劇場版を担当していた奥田泰弘から「WORKING'!!」の作画監督を務めた山野雅明に、監督も「A's」から「StrikerS」まで監督を務めた草川啓造から「ビビッドレッド・オペレーション」の助監督を務めた伊藤祐毅に、そしてアニメーション制作もこれまでのセブン・アークスからA-1 Picturesに変更されている。
放送時期に関しては2015年4月である事が公式ホームページで発表された。TOKYOMX、とちぎテレビ、群馬テレビおよびBS11、さらには毎日放送、テレビ愛知にて放送。
第12話『決着の意味』で放送終了となった。
本作は2クール作品であるという事がインタビューなどで匂わされていたが、現在まで公式な形での製作発表はされておらず、2クール目に関しての情報はないままになっている。
Blu-rayおよびDVDも長らくレンタル版しかなかったが、2016年11月23日にはBlu-ray BOXが発売された。
2016年には本作のスピンオフ作品として「ViVid_Strike!」が製作、放送されている。
なお、本作放送から約4年後の2019年5月に元号が令和に改元されたため、本作が平成における最後の『なのは』シリーズのTVアニメ作品となった(作品名に明確に『なのは』が含まれたTVシリーズ作品として。ちなみに『ミッドチルダを舞台にした映像作品』まで含めれば「Vivid Strike!」が、シリーズ全体および劇場版に限定すれば「魔法少女リリカルなのはDetonation」が、それぞれ平成最後の作品となる)。
アニメ版スタッフ
監督:伊藤祐毅
脚本・メインライター:小林成朗
キャラクターデザイン:山野雅明
アクション監修:小田裕康
服飾デザイン:亀谷響子
編集:近藤勇二
音響監督:飯塚康一
音楽:中條美沙
アニメーション制作:A-1Pictures
関連タグ
1期:魔法少女リリカルなのは→2期:魔法少女リリカルなのはA's→3期:魔法少女リリカルなのはStrikers→4期:魔法少女リリカルなのはvivid→魔法戦記リリカルなのはforce