「デミ、デミ、デミ。」
概要デミ
サンリオが手掛ける共同企画作品、「まいまいまいごえん」に登場するキャラクター。
岡田ユウたちが突如迷い込んだ、ゆぅろぴあに現れた、不思議な生き物。
「~デミ」を語尾に付けて喋り、一人称も「デミ」。漢字以外はカタカナで喋る。
アトラクションの説明役であり、マスコット。…と、思いきや、公式ではシンタの方がまいまいまいごえんのマスコットとして扱われている。
ヒナタによれば、「丸っこいヘンなヤツ」とのことで、サンリオピューロランドにいた時点で目撃していたらしいが…?
容姿デミ
波模様の柄がついたタマゴのような身体にかわいらしい顔、カエルのような水かきのついた手、小さな両足、おたまじゃくしのような尻尾。
鈴が耳のようについている。
関連タグデミ
ネタバレデミ
※以下、ネタバレ注意デミ
「イタダクデミ。」
メダルを払えなくなってしまった人物に対して、「ゲームオーバー」を宣告し、タマゴにして捕食してしまう。
言わば、デスゲーム系でおなじみの腹黒マスコットキャラ。一匹だけでなく、複数存在している。
神出鬼没であり、どこかに集まっていると思われる。が、後をつけようとした岡田に対して「追イカケテ来ルノハ、オススメシナイデミ」と釘を刺している。
目と口に見える部分は擬態であり、胴体にある模様のような部分がぱっくりと割れて巨大な口になり長い舌が見られるようになる。
耳のように見えていた鈴のような部分には目玉らしきものも見えている。
性格も、「読めない量とスピードで利用規約を流し無理やり読ませた扱いにする」「仲間を救えなかった園児や岡田をあざけ笑う」と、とても悪質。
アトラクションの方も、「自身の本音を暴露される鏡の迷宮」「個人のプライバシーを赤裸々にするクイズ」など、悪趣味極まりない。
だが、ゲーム版においての個体によっては、
- いたずらを仕込まれる
- カメラのフラッシュで怯む
- カリスマに圧倒されて道を譲る
- バナナの皮で滑りそうになる
- 予想外の存在に殴られ吹き飛ばされる
- 落とし物をネコババしようとしたところを叱られて退散
- 頭脳プレイに翻弄される
- 武力に圧倒される
と、全く隙の無い存在というわけではない模様。
以下、さらなるネタバレ注意
さらに、ある少女に対しては強く出ず、絶対的支配者ではない一面も見せた。
はたして、真相は…?
以下、ゲーム版6話の重大なネタバレが含まれます。
はい
謎の女性の案内で、旧受付の地下に入ったハヤテたち。
そこには、研究所のような施設であり、機械にはログが残されていた。
タマゴとなった子どもを一度ゆぅろぴあに
取り込めば解決することがわかった。
子どもをゆぅろぴあの一部として吸収したうえで
それを再生成する。
これなら殻を破れない、大人になれない
弱いオタマジャクシも……
ゆぅろぴあでなら
弱いままカエルになることができる。
淘汰の原因になる不要な多様性を取り除き、
正しく画一化された、ゆぅろぴあの子どもたち。
この愛すべき子たちを、カエルタマゴと名付けよう。
カエルタマゴの正体は、ゆぅろぴあのアトラクションで脱落した人々であった。
そして、さらに奥に進んだハヤテ達の前に、2人のカエルタマゴと謎の少女が現れる。
「ヒーローハ……」
「モウ、ヤメルデミ……。」
「失敗バッカリデ、オレナンテ全然ヒーロージャナカッタデミ……。」
ヒカル「……シンタなの!?」
ゾーヤ「じゃあ、まさかそっちはワタル……?」
そう、この2人のカエルタマゴは、シンタとワタルだった。
(シンタ)「カエルタマゴハ 楽シイ……。カエルタマゴハ 楽シイ……。」
(ワタル)「カエルタマゴハ ツラクナイ…。カエルタマゴハ ツラクナイ…。」
謎の少女は、カエルタマゴとは「子どもを守る殻」と語る。その少女からすればカエルタマゴとは保護なのである。だから苦しまないようにしてあげたと笑顔で言う。
園児達が混乱するなか、ハヤテがメダルを投げ、カエルタマゴ(シンタ)の注意をそらし、手足で口を抑えて、閉じないようこじ開けた。
「寝ぼけてんじゃねぇ!!
ヒーローがなんだって!?
あんなにたくさんの友だちに囲まれておいて……!
そんなことばっか気にしてんじゃねぇよ!」
「ハ、離スデミ……!」
「離さねぇよバカ!自分が持ってるものの価値も知らねぇくせに……!」
「……聞こえてんだろ、シンタ!」
「お前がやらなきゃ誰がやるんだ!!」
気が付くとシンタは、とある空間で目を覚ました。
「自分はヒーローじゃなかった」と後悔するシンタに対し、
マドカ、マモル、リンリンの声が聞こえてくる。
声がする方向の奥へ進むと、そこには同じく座り込んで後悔しているワタルがいた。
駆け寄るシンタだが、謎の障壁に弾かれてしまう。
後ろにいた3人が、シンタに語り掛ける。
マモル
「……シンタくん、ここは僕たちカエルタマゴの集合意識の中なんです。
カエルタマゴは画一化された存在……。
みんなでひとつの存在なんですよ。」
リンリン
「自分が自分とケンカできないのと同じ。
ワタルくんがそう望むなら、今のシンタくんがつらいことを思い出させることはできないの……。」
マドカ
「ここにいれば、取り返しのつかないことで苦しむ必要もない……。
ちょっと寂しいですけど、つらくて苦しいよりはいいですね……。」
完全に、意気消沈した様子の3人。
そして、お面をかぶり、口調もカエルタマゴ同様、「デミ」となり…
「カエルタマゴニ ナルデミ。」
「カエルタマゴニ ナルデミ。」
「カエルタマゴニ ナルデミ。」
シンタがカエルタマゴになるよう、誘惑する。
「……そう、だな……。
……カエルタマゴになれば、おまえともまた仲良く遊べるかな……。」
同じく、ワタルも、
「イッショニ 遊ブデミ。」
お面をかぶり、カエルタマゴと化していた。
「子どもは、子どもらしく……
弱いものは、弱いものらしく……
カエルタマゴ戦隊として、今度こそ楽しく遊ぼう……。」
そしてシンタはカエルタマゴになり、バッドエンドでフェードアウトしていく……
と思いきや。
……たしかに、お前は誰よりも子どもだ。
ハヤテの声が聞こえてくる。
もういいんだと全て諦めたシンタに対して、ハヤテは檄を飛ばす。
ヒヨコ野郎のお前にあこがれて集まったヤツらは……
__そんな顔じゃねぇだろ!!
「……もう一度言うぜ。」
「お前がやらなきゃ誰がやるんだ!!」
その言葉で目を覚まし、シンタは目の前にいるワタルを救おうともがく。
カエルタマゴ達は諦めるよう勧めるが、「ブルー」ではなく「ワタル」と遊びたい「レッド」改め「シンタ」は、諦めなかった。
「ぼくはヒーローでもなんでもない、ただのヒヨコかもしれないけど……!」
「でも、カエルタマゴじゃない!!」
「シンタだ!!」
そして、ワタルのヒーローの仮面が壊れる。
「__ワタル!!」
「おまえさえよかったら またぼくと一緒に遊んでくれ!! おまえがいなきゃ、楽しくない!!」
『……………………!! ……あ……』
「おまえももうそんな殻はいい、本当のおまえをさらけ出してくれ! おまえと対等の友だちでいたいんだ!」
『……ぼくは、…ぼくは……!
ブルーはイヤなのら!!
ぼくはシンタと遊びたいだけで 戦隊になんか興味ないのら!!
だから戦隊じゃない遊びもしたいのら!!』
『……はあ、はあ……!!』
「……………っ。」
「__ごめんな、ワタル!!」
ほんとうのこと言ってくれて、ありがとう!
じゃあ、次はそうするか!!
レッドとブルーじゃなくて……
シンタとワタルとして、また遊ぼう!」
『……シンタ……。』
そして画面が光に包まれていき、シンタとワタルはカエルタマゴから元の姿に戻った。
カエルタマゴの殻を破った2人に謎の少女は、初めて困惑した表情を見せる。
「あなたたちはもう取り返しのつかない失敗をしたの!
殻で包んで守ってあげたんでしょう!」
「うるせー! 殻はもうかぶり飽きてるんだよ!」
『シンタは友だちなのら!それに……
シンタはいつだってぼくをわくわくさせてくれる立派なヒーローなのら!』
「マモルも、リンリンも、マドカも!」
「『オレ』が連れ戻す!」
「またみんなで遊ぶぞ!」
シンタの声に応えて、他の園児達も、決意を固くする。
他のカエルタマゴとなったみんなと岡田を元に戻すという希望を、他のみんなと共に抱いて。
余談(ネタバレ込み)
「まいまいまいごえん」は「多様性を肯定し受け入れる物語」だとあるが、カエルタマゴの様に画一化された存在を良しとする謎の少女は、まさに多様性を否定する存在であると言える。
また、口癖の「デミ」は、ヘルマン・ヘッセの小説、『デミアン』が元ネタではと考察されている。
『デミアン』本文にて、以下の文がある。
“鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない”
さらに、カエルタマゴが脱落した子どもたちである伏線は6話以前から存在していた。例えばこの通り。
- 4話の「アノ時ハソンナズル禁止ダッタ!」という台詞
- 漫画版の「ゆぅろぴあには大人はいらないデミ」という台詞
など、この時点で考察していた人も少なからず居たようだ。