概要
1964年にフォードが発売した2ドアクーペ型スポーツカー「フォード・マスタング」。この車は手頃な価格、豊富なオプション、そして何よりスタイリッシュなデザインと高いパフォーマンスを以てして、フォードの約一世紀にわたる歴史の中で、かの名車「モデルT」に並びフォードの歴史に名を残す一台となった。
後出しジャンケンが(良い意味で)得意技のGMが、60年代の好景気に沸くアメリカ中で飛ぶように売れていくライバルの新型車の存在を、黙って見過ごす筈がなかった。
1967年。GMは「シボレー・カマロ」を発売した。当時販売していた中型クーペ(とはいっても全長5m弱はある)のノヴァのフレームをベースに「Fボディ」と呼ばれるプラットフォームを作り、マスタングに負けじとハイパフォーマンスグレードには大排気量V8エンジンを押し込んで、社の全幅の期待を寄せられて発売された一台だった。
これが見事に一部の消費者の心を掴み、マスタングの牙城を切り崩し、いわゆるカマロ派閥を作ることに成功。その後はマスタングと一進一退の攻防を繰り広げつつ、後発のダッジ・チャージャー/チャレンジャーと共に、現代のモダン・マッスルカーに繋がる近代のマッスルカー文化を築き、いずれも発売からかれこれ半世紀以上になる良きライバル関係となっていく。
「カマロ」とは中世のフランス語(フランシア語)で友達の意。シボレーではスポーティーな車種として設定し、2ドアハードトップ、クーペおよびオープンカーのみで展開する。
初代カマロは1967年に発売され、現行モデルは6代目で、日本には2代目以降正規輸入が続いている。
初代からトリコロールエンブレム(フランス国旗とは配色が逆)がサイドシルやフロントバッジに配されている。
グレード構成は世代にもよるが、4・6気筒の「LS」・「LT(ラグジュアリーツーリング)」、V8の「SS(スーパースポーツ)」・「Z/28」、V8 スーパーチャージドの「ZL1」で概ね一貫している。
出演作
- 5代目カマロのコンセプト・モデルは、2代目カマロと共に2007年8月公開のSF映画『トランスフォーマー』にて、主人公のサム・ウィトウィッキーを守るオートボットのバンブルビーとして登場した。撮影の段階では実走可能でなかったため、劇中車輌のコンポーネンツにはポンティアックGTOの物が流用された。
- 激走戦隊カーレンジャー:ペガサスサンダー(4代目)
- ウルトラマンティガ:GUTSの専用車シャーロック(4代目)
- 特警ウインスペクター:3代目がウインスコードのベース車
- HAWAII FIVE-0:ダニー・ウィリアムズ(スコット・カーン)の愛車として5代目が登場。(その後6代目に乗り換える)
- 京都カマロ探偵:主演の塚本高史が演じる釜田麻呂の愛車(3代目)