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概要編集

大きさ60センチくらいのカモの仲間で、というよりもロン毛に見える後頭部の飾り羽が名前の由来。オスとメスで色が違い、メスはくちばしと目の間、そして目の周りが白っぽい。

足が胴体の真ん中辺りに来るマガモ型の体型なので、水面からすぐ飛び立てたと思われる(逆にホオジロガモのような「足が後ろよりでお尻が下向きになる体型」だと、潜りが上手いが飛び立つのに助走が必要になる)。

  

現在では絶滅したとされ、確実な記録は1917年に韓国で捕獲されたメスの個体が最後。現存する標本はこれを含めて3つあり、あとはロシア産のメスと日本産のオス。

江戸時代の写生図には朝鮮から持ち込まれた個体や北海道で捕獲された個体が描かれており、そこで「朝鮮鴛鴦(チョウセンヲシ)」とか「朝鮮ヲシドリ」と呼ばれている辺りオシドリの仲間だと思われていたようだ。ちなみにオシドリもカモ科だがそこまで近くはない。

当初はアカツクシガモ(白い顔、赤茶色ボディ、鶴に似た白黒の翼のカモ)とヨシガモマガモによく似た鳥)の雑種とされていたが、写生図と北海道で捕獲された個体の標本によって新種だとわかった。こいつらは現在も生きている。

 

なお絶滅した原因はまったく不明

ただしダックハントのターゲットになっていたようなので、狩猟によって数が減り絶滅に至ったと思われる。元から数が少なかった可能性も考えられるものの、何しろ調査記録がないため生態からして謎だらけ。果たして解き明かされる日は来るのだろうか。

 

主な生息地編集

朝鮮半島~ロシア東部、中国北東部、日本(北海道で捕獲例がある)。

ロシア東部で繁殖し、冬越しのために朝鮮や日本に飛来していたと言われている。

 

生存説?編集

1920年代には絶滅したとされるこのカモだが、ロシア東部で60年代半ばに3羽、挑戦半島辺りで71年頃に目撃情報がある。その後も中国で70年代後半~80年代後半頃に目撃されたという情報があるものの、単に見間違いという可能性も否定できず、せいぜいウワサ程度の話。

 

なお日本での記録は江戸時代の終盤(1820年代)が最後で、以降の目撃情報は皆無。なので万が一生き残っていたとしてもそこに日本産の個体はいない可能性が高い。

 

ちなみに編集

このカモは絶滅した(とされる)が、同じツクシガモ類に属する近縁種たちは現在も元気に生きている。主にヨーロッパに分布しており、冬になると一部の群れが日本にもやってくるのだ。

ただ彼らが冬越しするエリアは結構バラけており、比較的近い地中海沿岸で冬越しするもの、インドなど西アジア圏に出向くもの、果ては東アジアまで遠征するもの…。

日本では九州地方によく飛来し、西日本や東日本にも来るが東日本ではかなり稀だという。

 

なおツクシガモは漢字で「筑紫鴨」と書き、「土筆」ではない。筑紫は福岡県の地名。

 

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バライロガモ→同じく絶滅種のカモ。絶滅したとされる年より後の時期に不確かな目撃情報があるのも同じ。

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