「あなたの身体は温かいわ、鉄郎さん!」
CV:川島千代子(テレビ版)
CV:麻上洋子(劇場版)
概要
銀河鉄道999号の食堂車でウェイトレスをしているクリスタルガラスの機械化人である。
光に煌めくその姿は、鉄郎も思わず声を上げて見とれるほどの美しさ。しかし本人は「母が大変な見栄っ張りで、とうとうわたしの身体もクリスタルガラスにしてしまいました」「光も影も身体を通り抜けていく。わたしはそれがとても寂しい」と語り、血の通った生身の身体に戻るために働いていた。
鉄郎と暖かい交流を交わした彼女だったが、列車が空間トンネルを通った際、暗闇に潜む魔物に囚われてしまった鉄郎を守って砕け散り、帰らぬ人となってしまう。
気を失っていた鉄郎が目を覚ましたときに見たものは、クリスタルガラスの破片となった彼女の遺体が、車掌の手により宇宙空間に捨てられる場面だった。
思わず抗議する鉄郎だが、それが銀河鉄道のルールなのだとメーテルに諭される。がっくりと座席に座り込んだ鉄郎は、そのときたった一つ取り残されていたクレアの欠片に気が付き、そっと手に取る。それは、まるでクレアが流した涙のような形をしていた……。
原作・TVと劇場版との違い
原作(アンドロメダ編)・TV版では1話限りの完全なゲストキャラクターである。鉄郎との関係も乗客と乗務員という以上の関係にない。
またクレアが死亡したため、シリーズのほとんどにわたって、999は食堂車要員が不在となってしまい、車掌が兼務することになる。
しかしクレアの存在はファンの間でも非常に強く印象づいたため、後にテレビ版を短編劇場用にブローアップした東映まんが祭り版「銀河鉄道999 ガラスのクレア」が制作される。
なお、終着駅のコンパニオンとして、原作ではクレアの母メノウ、TV版ではクレアと見まがう姿のミライという機械化人がそれぞれ登場する。
メノウは惑星大アンドロメダの崩壊の際に999で脱出しているが、その後の消息は不明。ミライはプロメシュームからドクター・バンのカプセルを取り戻そうとした際、鉄郎とプロメシュームとの銃撃戦に巻き込まれ死亡した。
劇場版第1作では、空間トンネルの際に命は落としていない(この時襲撃してきた……と言うか、鉄郎の方から喧嘩を売ったのはエメラルダス)。その後、鉄郎に対して思慕の念を抱いていた…というより初対面の鉄郎の手をいきなり握って「あなたの手は温かい…」と言って照れ逃げしているので完全に一目惚れしているが、機械伯爵を倒した鉄郎が調子に乗って食堂車でメーテルに告ったのを目撃してしまい失意のどん底に(鉄郎許すまじ…)。終盤、破壊された機械化母星メーテルの道連れとしてプロメシュームが鉄郎を殺害しようとした際、原作同様にプロメシュームを巻き添えに自爆する。ただこっちは「鉄郎さん、たった一人のお友達…好きだった」との告白付きで、恋敵のメーテルに一矢報いるかのように鉄郎に命を捧げて散っていった。
エターナル編では『何者かによって体を修復された』クレアが復活して登場する。今度は鉄郎の傷の縫合もする看護師としても活躍するが、冥王星に保存してあった元の身体が何者かに盗まれてしまっているという衝撃の事実も…
前述の通り母親は原作で死亡が確認されていないが、再会したのかどうかは不明。
なおエターナル編の世界では「エネルギーカプセルの供給が止まったことにより機械化人は全滅」した設定になっているがクレアはその影響を受けていないことから、厳密な機械化人ではないものと思われる。
劇場版第2作の続編である『アルティメットジャーニー』においてもクレアは復活して、メーテルとのバチバチ感もなくなっているが、劇場版では「クレアさん」と呼んでいたメーテルが「クレア」と呼び捨てになっており、何かマウント取ろうとしている感は拭えきれない状態である。かくいうクレアも身体が再生される過程で鉄郎の夢の中に侵入しており、鉄郎への想いは捨て切れていない模様だが、今度は鉄郎がメーテルの左手薬指に指環を捧げる現場を目撃してしまう。つくづく報われない娘である。
あと、接客業であるにもかかわらず業務中の姿が裸ヘッドドレスとかいう前衛的すぎる姿なのはキニシナイ! さらに身体を共鳴させて全身発光させることができるが、トンネル内で劇場版鉄郎にビフテキ食わせるのにこれしてやるって鉄郎にどんだけ一目惚れしたんだよ。
なお原作エターナル編で休暇が取れたときは、ちゃんとドレスアップして車外に出ているので念のため。
PS用ゲームの『松本零士999 〜Story of Galaxy Express 999〜』では冥王星に保存されているクレアの元の身体が描かれている。クレアをそのまま生身の体にしたスレンダーの美女で髪は金髪である。
関連イラスト
関連タグ
メタルメナ…劇場版第2作に登場するクレアの後任。原作ではS・Y・メタルメナの名でやはり後任として配置されるが、すぐにいなかったことになった。同名だが完全に別人である。
クリスタルボーイ…「コブラ」に登場するコブラ最大のライバル。こちらもクリスタルガラスの体を持つが、体の中には黄金色の骨組みがある。なお、おっさんで冷酷非情な悪人と、クレアとは真逆の存在である。