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概要

非電化路線での高速化を目的に国鉄が試作した気動車。高速化のためにディーゼルエンジンではなくガスタービンエンジンを搭載したのが特徴。また車体傾斜装置(いわゆる振り子台車)も組み込まれていた。


しかし高温の排気ガスをトンネル内で吸い込んでエンジンが停止する、騒音が大きすぎる、燃費が非常に悪いなどの理由で実用化されること無く、試験は1年で終了。車両自体は在籍し続けたが国鉄分割民営化直前に除籍。長年大宮工場の片隅で放置されていたが2015年になって先頭部を残して解体された。


車両

車両詳細

キハ07形901号車の試験結果を受け、1972年に1編成が大宮工場で製造された。キハ80系の流れを汲みつつも運転台部分のみが持ち上げられた独特なデザインの車体から、「ツチノコ」の愛称がある。


車体構造

フリー素材「キハ391 車種構成」

2年前に登場していた591系試作電車と同じ3車体4台車構成の連接車で、エンジンは車体長が短い中間車に搭載していた。このため客室は両先頭車だけに置かれていた。

連接台車から先頭車の前部連結器までを繋ぐ頑丈な中梁が通され、その上に車体を乗せる構造をとっており、連接台車は中間車側に大きくズレている。そのため、外部から見ると先頭車の台車が運転台側に一つしかなく、中間車との連結面側が宙に浮いているように見える

両先頭車には591系と同じく振り子台車が搭載され(連接台車には未搭載)。特急用気動車における振り子台車の試験車も兼ねていた。この関係で、両先頭車と中間車の間を繋ぐ幌は六角形構造となっている。


エンジン

主エンジンは石川島播磨重工業が国産化したゼネラル・エレクトリック製を搭載したが、これはヘリコプター用のターボシャフトエンジンを車載用に設計変更したものだった。これを中間車に搭載する動力集中方式を採用している。エンジン出力は1,100PSに達した。


試験

試運転

伯備線田沢湖線など日本列島を横断または縦貫し、かつ急勾配や曲線の多い特急列車走行路線を中心に試験を行い、高速度試験で最高速度130km/hを記録。振り子台車の性能も591系と同等もしくはそれ以上であることが確認された。その一方、ガスタービン車の宿命とも言える燃費の悪さや騒音の大きさは解決出来ないままだった。さらにトンネル内のエンジン気動試験では高温の排気ガスをで吸い込んでエンジンが起動できない、エンジンパワーにクラッチが耐え切れずクラッチが廃止されるなどの問題も発生した。


試運転後

ガスタービンエンジンの鉄道車両への導入は欧米諸国でも苦心しており、日本も例に漏れなかった。そこに止めを刺したのが1973年のオイルショックである。この結果世論は低燃費・低騒音へと動き、ガスタービン動力車の将来性には疑問が持たれるようになり、試験は1973年以降中止された。

加えて伯備線と田沢湖線の全線電化(共に1982年完成)を決めた事で国鉄はガスタービン動力車の量産化を断念。キハ391系は1978年まで米子駅に休車留置された後、大宮工場(JR化後はJR東日本大宮総合車両センター)に戻され、JR化直前の1987年3月10日付で廃車となった。


廃車と同時にエンジンは撤去され、車体のみがイベント等で展示されていたが、長年放置された為に外販の塗装がボロボロになる等といった酷い状態となり、2015年2月に解体。現在は先頭車前部がカットモデル(台車なし)として保存されている。


関連タグ

試作車 ガスタービンエンジン

591系 - 振り子式台車の試験電車

日本国有鉄道国鉄

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