概要
国鉄が昭和35年に貨物列車の動力分散化の試験のため2両製造した有蓋気動貨車。当時の内燃動車向け標準高速ディーゼル機関であったDMH17系エンジンが非力で自車を軽くしないといけないため二軸貨車として製造された。
大まかな構成
両運転台の二軸車で、車両中央部に7t積の貨物室がある。主機関はDMH17C形1基で、他形式の旅客気動車と同じく駆動方式は液体式。車軸は一方が駆動軸でもう一方が付随軸となっている。
試験配属とその結果
DMH17系高速ディーゼル機関の非力(※)さゆえ、想定していた貨車2両牽引ですらいっぱいいっぱいで勾配区間にかかるとさらに速度が落ちてしてしまい実用にならなかった。しかも、幹線との接続駅では駆動軸の空転防止のため空荷には出来ず貨物か死重を積む必要があり、合理化にも付与できないという残念な結果となってしまった。
そのため早い段階から休車が多くなり、運行があっても緩急車の代用に就く程度と元々の目的にすら使わなくなったため、キワ90-1は廃車、キワ90-2は電化工事用の装柱車(架線工事に使う事業用車の一種)として改造された後、昭和59年に廃車となった。
補足
本形式が搭載していたDMH17C形の定格出力は180馬力。現在の基準でみると普通~中型トラックのディーゼルエンジンの定格出力と同レベル。
投稿イラストの傾向
かなりマイナーな車両ゆえか現時点(2019/10/06現在)ではメイン画像のみ。