「イエッサー!!」
「どんな敵だろうと、この部屋で侵入者を止める」
概要
ファウード編で登場した魔物。
リオウによって集められた「ディオガ級の力を持つ」魔物の1体。
CVは千葉進歩氏。
本の持ち主はハリー・ジェット(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明。
後述の理由から、敵役として数話に渡って戦闘を行い、思想や価値観のわかる台詞を発しているにもかかわらず、本来の人物像が不明瞭なまま退場してしまったという不憫な(?)キャラクターでもある。
人物像
容姿
顔全体を覆う鎧、空気孔のような穴が幾つも空いた両肩の鎧、両腕に装備した長く鋭利な刃が特徴的。
同じく鎧を着込んでいる魔物であるブザライやアースと比べると、身長はやや低めで、魔物全体の中でも割と小柄な方。
性格
前述した通り、本来の人物像は不明となっている。
というのも、本編における非道かつ凶悪な言動は全て「ゴデュファの契約」によって性格が変化してしまった後の振る舞いだからである。
しかもギャロンの場合は、
- ロデュウやキースのように、「ゴデュファの契約」を結ぶ前に本来の実力や性格での活躍が描かれたわけでもない。
- ファンゴのように、回想という形で僅かながらも本来の人物像が捕捉されたわけでもない。
- ジェデュンのように、別れ際にギャグ描写込みで人物像のわかる演出が入れられたわけでもない(本が燃えている間はテッドのドラグノン・ディオナグルで気絶していたため)。
といった具合であり、描写・演出の面から見ても少しかわいそうな扱いとなってしまっている。
一応、ハリーが「お前は弱い相手に強い術を使いたがるような奴ではなかった」と述べているため、元々は武人肌だったのだろうか?
術
公式から術属性が明かされていないため、公式情報としての表記は不明。
とはいえ、作中で使用した術が全て肉体強化系である点・ウォンレイやツァオロンのように格闘戦をメインとしている点から考えれば、ほぼ間違いなく「格闘」属性だと思われる。
また、原作233話でギャロン自身が「手や足のパーツごとにどんどん強くなる」と述べている通り、肉体強化を主体とする敵側の魔物では珍しく「全身」ではなく「手足」を順に強化していくタイプ。
作中でも希少な脚部強化系の術を修得している点も含め、ウォンレイと似たような術の扱い方・戦闘スタイルとなっている。
アム・バスカルグ
右腕を小さなロケットのような形の鎧で覆うアム系(=腕部強化)の術。
アニメ版142話での使用時は演出が異なっており、両腕に青白い術エネルギーを纏うのみになっている(原作の描写は「ゴデュファの契約」により術の効果が変化していたということだろうか?)。
レイ・バスカルグ
膝下~踵の上までの範囲をサポーターのような鎧で覆う術。
おそらく「レイ」の部分は、ウォンレイのレドルクに含まれる「レ」同様、脚部強化を意味する語だと思われる(英語の足:leg→レッグ→レ)。
ギガム・バスカルグ
両腕を「分厚い4つの円が重なったような鎧」で覆う術。
術名に「ギガ」が含まれているため、おそらく強化幅はギガノ級に近しいと思われる。
ディオ・マ・バスカルグ
原作234話でギャロン自身が「最強の肉体強化」と述べている通り、「ゴデュファの契約」後のギャロンが使用する術の中でも極めて強力な呪文。
中級以上の強さを示す「ディオ」に加え、希少かつ強力な等級である「マ」も含まれており、術名から見ても非常に強力な部類だと判断できる(マ級については「術(金色のガッシュ!!)」の記事を参照)。
また、「ゴデュファの契約」を受けた魔物が使う術の中で唯一、効果そのものが全く別物に変わってしまったことが明示されている術でもある(※)。
(※)ファンゴ・キース・ロデュウ・ジェデュンの術は「威力が増している」「サイズや形状が多少なり変化している」といった具合であり、効果自体が激変してしまったとまでは語られていない。
原作・アニメ版ともに元々の効果が描写されていないため、「ゴデュファの契約」後の効果を中心に解説する。
「ゴデュファの契約」後の効果
術を発動した瞬間、「ギャロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!!」という不気味な雄叫びをあげながら全身が変化し、全長数メートル~10メートルにも達するほどに巨大化。
頭部や両肩の鎧はそのままに、両腕と両足を剥き出しにし、白目を剥いた禍々しい姿となる。
本来であれば、「雄叫びをあげながら数倍以上に巨大化し、かつ禍々しい姿となる」という現象は禁呪(バルスルク系)のみに見受けられるものであり、術名と効果にズレが生じているのも効果が変貌している証だろう。
しかもパワーや耐久力が大幅に増しているだけでなく、テッドのフィフス・ナグルによる強烈なパンチを受けて両腕から大量出血しても僅か数秒で傷が完治するほどの凄まじい自動回復能力すら備えている(※)。
(※)そもそもとして回復効果を持つ術自体が希少であり、作中で確認できるのはジオルクとサイフォジオ(及びシン・サイフォジオ)のみ。
「~ジオ」を術名に含んでいないにもかかわらず即効性のある回復効果を発揮している点も、ディオ・マ・バスカルグが変貌している裏付けだろう。
総じてバルスルク系に近しいほどの攻撃力・耐久力を得ることができ、かつ中~上級の攻撃すら実質的に無効化できるほどの再生力すら兼ね備える超強力な術となっており、「ゴデュファの契約」の中でも別次元の強化が成されていたと言える。
本来の効果
前述の通り、本来の効果は直接的に描写されていないのだが、作中では幾つかの情報が断片的に語られている。
実際の台詞としては、
- 原作234話で術を発動した際、ハリーが「こんな体になる術ではなかった」と驚いている。
- 同話にてギャロン自身が「以前はフルパワーで殴りかかればオレの腕自体がダメージを受けていたが、今は全く平気だ」と述べている。
という2点から、元々はテッドのフィフス・ナグルと同様「強化幅も大きいが、そのぶん肉体への反動も大きい」というハイリスク・ハイリターンの術だった可能性が高い。
エマリオン・バスカード
自身を「中央に鋭く長く槍を備えた巨大な円状の盾」で包み、ジェット噴射のように炎を発して突撃する(下位術であるアム・バスカルグの形状も合わせて考えると、おそらくロケットをイメージにしているのだと思われる)。
他の魔物の術と共通した系統や等級が見受けられないが、ファウードの封印を破壊する際に使用しているためディオガ級相当は確定。
原作における「ゴデュファの契約」後は見た目が変化しており、分厚い鎧が何重にも連なり、背面だけでなく側面にも複数の噴射口が付いた「超巨大ロケット」のようなビジュアルとなった。
見た目通り前方にも炎を噴射できるようになっており、テッド戦では着弾と同時に数メートル以上もの莫大な炎を撒き散らし、背後にいたジードをも巻き込んで本を燃やすという凶悪さを見せた。
以下は原作では使用していない術。
ギャン・バスカード
アニメ版142話で使用したアニオリ呪文。
両肩の防具が合体し、中央に鋭い槍を備えた大きな盾に変化。表面に空いている無数の穴から細長いエネルギー弾を連射する。
名前通りというべきか、盾の形状はエマリオン・バスカードそっくりとなっている(ゴデュファの契約によって強化された状態ではなく、原作208話で確認可能な元々の形状)。
アラム・バスカルグ
同じくアニメ版142話で使用したアニオリ呪文。
両腕の刃が巨大化し、振るうことでかまいたちのような刃を飛ばせる状態となる。
本の持ち主
ハリー・ジェット
ややウェーブのかかった長髪、目の上下を覆うような模様(おそらく隈?)、膝下まで届くロングコートが特徴的な男性。
CVは高橋広樹氏。
公式からプロフィールが明かされていないため、年齢や国籍等は不明。
フルネームはカードゲーム版に収録されたギャロンのカードで確認可能で、呼称はなぜか原作では「ジェット」、アニメ版では「ハリー」で分かれている。
正確な人物像は不明だが、原作232話では「オレは強い呪文を使うに値する相手でなければ本気にならん」と述べ、いざテッドとの戦闘になった際には「なかなか骨のありそうな奴だ」と喜んでいる等、強者との戦いを求めているような言動が目立つ。
もっとも、チェリッシュに対して卑劣な行いを繰り返すギャロンを咎める様子を見せず、全体的に高潔・厳格と言えるほどの描写は無いため、どちらかといえば玄宗に近い「善悪の区別なく強敵との戦いを望む輩」といった具合だろうか。なおゼオンについては「目が光っててカッコいいから好き」という理由で、特に抵抗なく協力している。
活躍
初登場は原作207話。
とはいえ当初は姿が映るのみであり、本格的な活躍は231話以降となる。
「ゴデュファの契約」を結んでしまったことで思想・価値観を塗り替えられ、ゼオンに忠実に従う魔物となってしまう。
容姿はあまり変化しておらず、各部の鎧の形状が少し変化している程度。
一方、性格に関しては「ゴデュファの契約」を結んだ魔物の中でも特に忠誠心が高いような様子となっており、ゼオンに対して敬礼した上で「わかっております」と敬語すら使ったり、ゼオンの命令であれば非道な行為も嬉々として行っている。
また、「ゴデュファの契約」を結んだ魔物の中で唯一、ゼオンに対して様付けをしていたりもする(原作235話にて一度だけ「ゼオン様」と呼んでいる)。
そうした忠誠心故にゼオンも「扱いやすい」と感じたのか、ゼオンに言われるがまま「雷の結晶」を体内に埋め込まれ、チェリッシュの監視・脅迫を兼ねながらガッシュ陣営を待ち受ける。
「数の鉄扉」の攻略を急ぐガッシュ達を妨害し、チェリッシュにも「ゼオンの雷による激痛」への恐怖で攻撃を強制させ、ガッシュ達を成すすべが無い状況にまで追い詰める。
だが、パピプリオとルーパーがファウードの肛門を開いた際に侵入成功したテッドが駆け付けてきたことで戦闘となり、チェリッシュへの非道な行いに怒りを燃やすテッドから強烈な拳を受けていく。
形成逆転を計るギャロンは「雷の結晶」を行使し、チェリッシュに激痛を思い出させることでテッドへの攻撃を強制させ、事実上の2vs1として着実にダメージを与えていく。
中盤にはディオ・マ・バスカルグを発動して圧倒的優位に立つも、チェリッシュへの揺るぎない気持ちで闘志を高めてテッドの気迫に押され、かつチェリッシュも本来の自分を取り戻したことで雷に屈しない状態に。
最後にはテッドと最大呪文の撃ち合いとなるも、「チェリッシュを救うためにあえて反撃せず、ギャロンを確実に倒せるタイミングで術を放つ」という捨て身の作戦に気付かず、エマリオン・バスカードを解除して勝利を確信した隙にテッドから腕を掴まれてしまう。
そうして肉体強化術が解けて無防備かつ至近距離、しかも腕を掴まれているため後退もできないという状況でドラグノン・ディオナグルを打ち込まれ、腹部ごと「雷の結晶」を粉砕されて失神。
描写外で本を燃やされ、気絶したまま魔界へと帰っていった。
関連タグ
チェリッシュ……原作のファウード編にて(一応)共闘。
テッド……原作のファウード編にて戦闘。奇しくも戦闘スタイルが似ている。
リーヤ……アニメ版のオリジナル展開では1vs1で戦闘している。
アース/ブザライ……同じく鎧を着込んでいる魔物達。ブザライとは「正確な人物像がわからないまま退場してしまった」という不憫な(?)共通点も。