「や~ッと来たか若造め、血に飢えたギロチンの餌食となって死ね!」
『イナズマンF』:第20話「蝶とギロチン 花地獄作戦」登場
概要
ギロチンの回りで何かが溶けて頭蓋骨と鮮血があしらわれ、左手に枷が、右手に刃がついたおぞましい姿をしている。
サデスパー曰く「それは、遠いフランスに内乱の嵐が吹き荒れていた頃…その血を吸い尽くそうと、この世に生まれてきた悪魔の落とし子、恐るべき首切りマシーン…今、ガイゼル総統の手によって、デスパー中、最も血に飢えた殺人戦士となって蘇ったのだ」
下記のように児童番組の限界に挑んだ物語の内容に合わせ、人間の首を刎ねた場面もある。
活躍
荒井誠の別荘にいる渡五郎の下に現れ、彼を亡き者にしようとするが、刃を立てるとテレサを巻き添えにするため撤収する。当然のように怒るサデスパーの振るうムチを切って逆らうが、ガイゼルは花地獄の友を失う訳にいかないとしてサデスパーを宥める(デスパーでは珍しい場面)。
芥子の花粉で意識の朦朧とするサナギマンに刃で出血させ、テレサに「この世の別れに極上の甘い香りを吹き掛けてやれ」と命じるも従わず、業を煮やして自ら止めを刺そうとしてサナギマンをかばった彼女に致命傷を負わせる。
怒りのサナギマンが変身したイナズマンの猛攻に遭い、念力キックに続くゼーバーイナズマンフラッシュで止めを刺される。
テレサ
演:奈良富士子
海岸で倒れていた女性が五郎に介抱され、失った記憶が戻る助けになればいいと思い出の赤い靴を見せられる。実は上記のようにガイゼルが「花地獄の友」と呼ぶその配下であった。デスパー軍団がヒマラヤで栽培した芥子の花粉を蝶に撒き散らせていった。
花粉で視界の霞むサナギマンが見たのは赤い靴を履いた彼女であった。子供の頃、五郎と砂の城を作って遊び、いじめっ子に壊されても仲良くしていたが外国人男性に連れていかれ、赤い靴を残していた。
その男性は父親で連れられて渡米したが再婚した父に捨てられ、いつの間にかデスパー入りしていたという。自ら「地獄の手綱師」を名乗るようになっていた。
五郎の変わらぬ優しさに感動し、「砂のお城を守って」と告げる。そこにやって来た少年達に蝶型のダーツで命を断たれる。
少年達はサデスパーにテレサの始末を報告し、彼の質問に正解すると“実地試験”に合格し、少年兵士の姿となる。砂上の楼閣を守るため、イナズマンの戦いは続く…
余談
デザイン画はそれほどショッキングでなく、他のデスパー怪人のように銀基調。
テレサ役の奈良女史はこの後、「ウルトラマンレオ」で美山いずみを演じている。
『F』になってから出番の減ったサナギマンだが、心は昔のままの五郎と悪魔になったテレサとの対比か、この回では相当の出番を割いている。
この回は残酷描写や前衛的過ぎる映像が東映の上層部から問題視され、「学生映画撮ってるんじゃない!」とスタッフは怒られたという。