概要
太平洋側の暖かい海に生息するハタの仲間。日本では茨城県以南の南西諸島を除いたほぼ全域で見ることが出来る。
全長は100cmほどの黒ずんだ縞模様に彩られた魚であり、一度見たら忘れられない威圧感を誇る。しかし正面の顔はどことなく初老の男性のような抜けた表情である。
岩礁やサンゴ礁を好み、自分より小さい魚やイカ、果ては人間達が高級食材として憧れているイセエビすらもバクバクと捕食する大食らい…なんという贅沢なやつであろうか。しかもクエの食欲は非常に貪欲で、本来毒針を持つウニやイソギンチャクに隠れている小魚や小エビは普通の魚達を襲うのを避けるのだが、クエは皮膚が分厚く毒針を簡単に通さない為、お構いなしに捕食する。
そんなクエも高級食材として有名であり、主に鍋料理に使われている。
その美味しさにフグ以上とも言われたり、「この魚を食べたら他の魚は食えない」とも。
あまり知られていないが、高級魚という肩書きに反して、漢字表記は「垢穢」と散々である。体の模様がなんかそれっぽく見えるからと言う理由かららしい。流石に食用魚なのでそのような表記は基本的に避けられる。そんな訳なので漢字で表記する際には「九絵」という女の子のような表記を与えられる事が多い。
ちなみに九州地方ではクエは「アラ」と呼ばれており、同じハタ科のアラとは別種。
創作作品での登場
- 海のいのち
立松和平による絵本で、クエは作中での海の主として登場し、主人公の太一に多大な影響を与えている。
この話を小学校6年生の時分に国語の授業で学んだと言う人も多いのではないだろうか?
沖縄代表チーム「西表マングローブス」との試合でスタジアムの周りを泳ぎ回っていた魚として登場。
魚屋で働いていたトラえもんにとっては憧れの魚であったようで、出会った時には驚きの表情を見せていた。
関連タグ
アブラボウズ オオクチイシナギ バラムツ……上記3種類は過去にクエとして販売されていた魚。毒はないが人間の体には分解出来ない成分を、体の1部や全身に持っている