この項目はネタバレ及び非常にショッキングな記述を含みます
概要
『HUNTER×HUNTER』に登場する少数民族。0巻によれば、滅亡時にはクラピカも含めて129人しかいなかった(しかもこれは他所の村から嫁入り・婿入りに来た緋の目を持たない人たちも含めた数)。
眼は鳶色で、白いインナーの上から青地(JF版では黒)に白の模様が付いた服を重ねたゆったりとした民族衣装を着用している。
とある山奥でひっそりと隠れて暮らし、外に出ることを掟で禁じていた(族長が買い出しを命じていたので完全な自給自足経済ではなかったようである)。
しかし、その緋の目をつけ狙った幻影旅団により狙われてしまい皆殺しにされる事態となり、その際には「緋の眼を持たない者達」は拷問にかけて殺し、それを見て怒りを爆発させる形で「緋の眼を発現させた者達」の首を悉く刎ね飛ばした挙句、眼球を刳り貫かれたという、人を人とも思わぬ蛮行による地獄絵図に等しい様相だったという。
偶然にも唯一村を出ていたクラピカは、この大虐殺を後追いで知る事となり、幻影旅団への復讐と緋の目の奪還の為、ハンター試験を受ける事になった。
幻影旅団の戦闘員でありトップクラスの強化系念能力者であるウボォーギンをして「大仕事だった」「強かった」と言わしめるほどの技量を持つ集団ではあった一方で、旅団にとっては普段は存在を忘れている(言われてやっと思い出す)という程度の数多くの被害者の一部でしかない。
また、幻影旅団がクルタ族を襲撃し、戦闘をしたことは確実である。
緋の眼
世界で唯一、クルタ族のみが保有する特殊な体質。別の民族と愛し合って生まれた2世、3世にもこの体質は発現するらしい。
クルタ族の虹彩は前述した通り鳶色であるが、激しい感情に突き動かされた際には赤く輝く。この色は世界七大美色に数えられるほど美しいとされている。
しかし、それ故に悪趣味な話ではあるが、「高嶺の花」と称される程の破格な高額で売る事が可能とされ、それに目を付けた悪質な人体コレクターやハンター達からクルタ族は何度も狙われる事態となっており、人目に触れないよう隠れて生きるしか無い事になっている。実際、ヨークシンシティでクラピカが買い戻そうとした際には開始が1億を超え、最終的に29億の値が付いた。
クラピカにとっては失われた仲間たちの誇りであり、世界中を駆け回って取り戻し、手厚く弔うことを夢見ている。
旅団団長であるクロロ=ルシルフルは、お宝をしばらく手元に置いておく癖があるが、いたく緋の眼がお気に入りだったという。
余談
クラピカ追憶編が描かれるまで、クルタ族がどういった人々だったのか具体的に描かれていなかった。
その結果、簡単に言えばクルタ族を貶める描写をされることも非常に多くなっていた。
確かにクルタ族がやや排他的な部分があったのは事実だが、それは「クルタ族が何度も邪な悪意を持った者達によって『緋の眼』を狙われてきて、世界中を逃げ回る様に生きていくしか無かった」という、十分納得のいく理由があったからで、「閉鎖的」なのはともかく「傲慢」扱いされるのはあまりに筋違いと言える。
冷静に考察すれば分かる事だが、緋の眼を狙われてきたクルタ族の立ち位置は、外敵に狙われ続けていた幻影旅団メンバー大半の故郷である流星街と全く変わらない物となっており、むしろ安住の地が無い点を考慮すればクルタ族の方がより過酷な環境下にあったと言える。
だが、幻影旅団の過去が回想されて以降は、旅団を持ち上げる為にクルタ族を貶めたり、クルタ族の方にこそに落ち度があって欲しいと期待する悪意のある風潮が一層強くなっている。
一方、現実に旅団メンバーはクルタ族やヒノメの事を殆ど覚えていないばかりか、話題に出されても関心すら見せない調子で、殺人も旅団にとっては特に特別な意味を持たないことから、クルタ族と流星街(シーラやサラサを含む)に直接的な因縁はないのではないかとも考えられる。
更に、クロロは「緋の眼」という限られた情報から、「鎖野郎(クラピカ)の目的が復讐だ」とすぐに見抜いた。これは、「もしもクルタ族の生き残りがいれば恨まれる心当たりがあった」という証左だろう。
例え本当にクルタ族の方に「落ち度」があったとしても、上記のやり方での虐殺は流石にやりすぎと言わざるを得ないのは確かで、どの様な経緯であれ幻影旅団のクルタ族への行いに決して正当性は「無い」と言える。
いずれにせよ、不明な部分が余りにも多すぎる為、クルタ族に関する真相は、今後の本編で明らかになるのを待つしか無いのだろう。
名前について
クルタ族の名前には半濁音が含まれている。クラピカ、パイロ。それはクルタ族は温厚で優しく、丸い人柄が特徴なので名前に○(半濁音)を入れているのだそう。→参考