曖昧さ回避
- 第一次世界大戦時の首相・ジョルジュ・クレマンソー。
- 上記に由来するフランス海軍の第二次世界大戦時の戦艦の艦名。リシュリュー級戦艦の三番艦(未成艦)。
- フランス海軍の第二次世界大戦後の空母の艦名。本稿を記述。
- 艦船擬人化アプリゲーム『アビス・ホライズン』のキャラクター。本稿を記述。
概要
空母「クレマンソー」
艦級 | クレマンソー級航空母艦 |
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排水量 | 24,200t(基準)、32,700t(満載) |
全長 | 265m |
水線幅 | 31.7m |
喫水 | 8.6m |
機関 | 重油専焼ボイラー×6、蒸気タービン×6(合計出力:12万6000馬力) |
推進器 | スクリュープロペラ×2(一軸当たりの出力:6万3000馬力) |
兵装 | 100mm単装砲×8(後に改装により半減)、「クロタル」短SAM8連装発射機×2(改装により装備) |
艦載機数 | 40機前後 |
フランス海軍念願の国産空母・クレマンソー級航空母艦の1番艦。艦名の由来はフランスの政治家ジョルジュ・クレマンソー(フランス第三共和政第40・53代首相)。
ちなみに「1番艦」とあるように、姉妹艦として2番艦の「フォッシュ(由来はフランス陸軍のフェルディナンド・フォッシュ元帥)」が存在する。こちらは後にブラジル海軍に売却され、艦名を「サン・パウロ」と改めて2017年まで運用された。
第二次世界大戦前、フランス海軍はノルマンディー級戦艦を改装した「ベアルン」の運用を経て国産空母としてジョッフル級航空母艦の建造を始めるも、大戦の勃発やナチス・ドイツへの降伏によって未成に終わっていた。幸い連合軍側として戦った自由フランスはリシュリュー級戦艦を始めとして多くの戦力を有しており、ベアルンもその中に含まれていたが、元々低速で空母としての能力が低いベアルンは航空機輸送艦などとして運用された。
これを見たイギリスは自由フランスに対して護衛空母「ディクスミュード」を貸与し、戦後には新たにコロッサス級空母「アローマンシュ」も貸与。早速これら2隻の空母はインドシナ戦争に投入されて戦果を上げ、フランス政府も空母の実用性を認識した。
ただこれらの空母はいずれも規模が小さく、老朽化が進行している等数々の難点があった。これらのことに加え、将来も考えるとフランス海軍にはいずれ国産の大型空母が必要となってくる。こうして一旦は1947年に国産空母計画が承認されるも、空母の軍事的価値が確立されていなかったこともあり1950年にはキャンセルされてしまう。
その後フランス海軍はアメリカからインディペンデンス級空母2隻を取得するなどしてお茶を濁していたが、並行して再度の国産空母計画が検討されており、ついに1953年に認可を受けて建造されたのが本艦である(1955年にはフォッシュの建造も認可)。ジョッフル級が未完に終わったフランス海軍にとって、本艦はジェット機運用にも十分対応した悲願の国産空母であった。
全長が265mと大日本帝国海軍の信濃とほぼ同じ大きさだが、排水量に至っては飛龍とほぼ同じ重さであり、排水量に対して飛行甲板面積を広く取っているのが特徴。また、このクラスの艦艇としては珍しく2軸推進を採用しており、1軸当たりの出力はアメリカ海軍の超大型空母にも匹敵している。
艦載機搭載機数は40機前後(計画当初は60機前後だったが、艦載機の大型化に伴い減少した)。当初はイギリスのデ・ハビランド「シーベノム」艦上戦闘機をライセンス生産した「アキロン」の他、フランス・ダッソー社製艦上戦闘攻撃機・偵察機「エタンダールⅣ」を運用していたが、後にアメリカ製のF-8艦上戦闘機の他、エタンダールⅣの改良型であるシュペルエタンダールも運用した。他にもフランスの国産哨戒機「アリゼ」や各種ヘリコプターも運用され、時にはヘリ空母として水陸両用作戦にも使用された。
また、クレマンソー級の最大の特徴としては核戦争が起きた場合の対処方法(対放射線など)に加え、1980年代後期の改装により戦術核兵器の運用能力を獲得していることが挙げられ、国産SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)及びそれを搭載した戦略原潜などと共に核抑止力を構成していた。搭載したのは核出力100キロトンから300キロトンの威力可変型戦術核弾頭を搭載した超音速空対地巡航ミサイル「ASMP(後に改良型のASMP-A)」で、もしもの際は搭載するシュペルエタンダールにこれを搭載して攻撃を行うこととなっていた。
これはフランス独自のもので、現役のシャルル・ド・ゴールにも引き継がれている。
クレマンソーはフランス海軍の象徴、中心的な艦艇となり、フランスが展開した作戦にほとんど参加して活躍した。作戦に参加する以外にも映画(頭上の脅威)の舞台、主人公として出演したり、『シトロエンビザGTI』のCMに登場するなど国民に親しまれた空母だった。
なお
艦歴
1955年11月起工、1957年12月21日進水、1961年11月22日就役。
1978年、核搭載能力付与等の近代化改装工事を実施。
1985年9月1日~1989年8月31日、対空ミサイル搭載等の近代化改装工事を実施。
1991年7月21日、トゥーロン在泊中に火災事故により損傷。
1997年、除籍。
除籍後は他国へ空母として売却されることも検討されたが結局スクラップとして解体することに。
しかし船体に大量のアスベストが使用されていた問題で解体が遅れに遅れ、最終的に2011年にようやく解体が完了した。
アビス・ホライズンの「クレマンソー」
はじめまして~!航空母艦のクレマンソーでーす♪ぜんぜん初心者ですけど、一生懸命頑張りまーす♪応援してくださいねっ!
CV:辻あゆみ
艦船擬人化3DアクションRPG『アビス・ホライズン』に登場する艦姫。戦闘機を駆使して戦うのにもかかわらず、自分に自信が持てないという謙虚さもあり、この性格に魅かれた司令官もいる。
スキルは、空襲攻撃の際に発動し、この連撃空襲の速度を10%アップ、旗艦であればさらに5%アップする「稲妻の空襲」。1回の連撃で1度のみ発動、各戦闘で2回まで発動する。