概要
ケッテンクラート(Kettenkrad)は、第二次世界大戦期のドイツ軍が使用していたハーフトラック。
元々は、降下猟兵向けに無反動砲などを牽引する車両として開発されたが、思いの外使い勝手が良かったことや、東部戦線では温暖期の深い泥濘で装輪車が役に立たなくなってしまったことから、陸軍、親衛隊、降下猟兵以外の空軍部隊などでも広く使用された。
エンジンはオペル製の1488ccガソリンエンジンで、ミッションは前進3段と後退1段。
最高速度は一応70km/h… まで出せるらしいが、乗り心地が筆舌尽くし難いものになるという。
操舵はオート三輪やバイクのように前輪に付いたバーハンドルで行う。
「前輪に付いたバーハンドル」で…とわざわざ書いたのは、バーハンドルにリンケージ機構が備わっており、ハンドルを切った側のキャタピラにブレーキを掛けてその方向に曲がる構造だからである。一応、蛇角が少ないときには前輪をメインとして曲がる… らしい。
勘が良い方はお気付きかと思うが、コイツは前輪が無くても走るし曲がる。
現に、泥濘が激しかった東部戦線では前輪とフェンダーの間に泥が詰まって用を足さなくなったなめに前輪を外して走っていた。
デファレンシャルギアは通常の乗用車とほぼ同じものが付いているので、前輪を外しても超信地旋回は出来ない。
余談
ちなみに日本でも小型特殊車両(農作業車や建機と同じカテゴリー)として申請してナンバーを取得すれば公道を走行可能だが、運転するには大型特殊車両の免許が必要。
日本でも個人で所有している人が実在する。曰く、履帯が痛むのでなるべく公道を走りたくないが、定期的にエンジンに火を入れないと機関部が駄目になるため時々走らせてやらないといけないのだとか。
関連タグ
少女終末旅行:主人公一行の乗り物として活躍する。